歴人マガジン

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【 故郷に帰ってきた零戦 】二回目の公開飛行にむけた新プロジェクトスタート!(2016.03.15修正)

太平洋戦争中、日本の誇る技術の粋を集めた戦闘機として各地の空を飛んだ「零式艦上戦闘機」通称零戦(ゼロ戦)。

戦後に残っていた機体は4〜5機程度だったというこの機体のうち、新しくエンジンを積みかえ、フルレストアした唯一の機体を購入し、故郷の日本に里帰りさせてあげようという「零戦里帰りプロジェクト」をご存知でしょうか。

先日の公開飛行で離陸の瞬間。

先日の公開飛行で離陸の瞬間。

以前から紹介してきたこのプロジェクトは、ニュージーランド在住の実業家 石塚氏が私財3億5,000万を投じてスタート、さらにクラウドファンディングで2,000万を達成したものの、さらに今後の展開にも資金が必要な超ビッグプロジェクトです。

今年の1/27に鹿児島で悲願の初公開飛行を成功させ、多くの関係者の苦労が報われた瞬間が、多くのメディアでも話題になりました。

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美しいそのフォルム。

そしてなんと今回、きたる4/23,24の土日に第二回目の公開飛行を計画中とのこと。
今日はその公開飛行を成功させるために企画された、新しいプロジェクトをお知らせしたいと思います。

コクピットに座れる最後の機会に!?

今回のプロジェクトは大きく分けて二つ。

一つは鹿児島のイベント会社(株)YCグループが主宰する「零戦プラスかごしま飛行空撮映像DVDへの制作協力。
これは4月に行われる第二回目の公開飛行を、零戦と並行して飛行するヘリから撮影、鹿児島の風景と零戦を映像化するというプロジェクトです。一口1万円で先行販売を開始、2016年9月初旬をめどに限定5,000枚を販売予定。

DSCF7309また特典がすごい。
このイベントに協賛いただいた方全員(法人・個人問わず)にDVDがプレゼントされるほか、このDVDのエンドロールに名前を掲載してくれるのだそうです。
鹿児島の有名な観光名所である桜島、鶴丸城跡などを背景に飛ぶ零戦の姿を残したいという人には感涙モノの企画ですね。

プロジェクト事務局の方によると、戦後数回零戦が飛行した記録はあるが、誰が何のために飛行させたかの明確な記録がないとのことですが、今回は鹿児島県内外の方や零戦ファンが「自分たちで飛行させた」という証を残したい、という企画なのだそうです。  

二つ目は「零戦里帰りプロジェクト」主催の着座撮影会in鹿児島
3/10から、現在零戦が駐機している鹿児島空港の格納庫で開始されたこの撮影会、現在は4月中旬まで週4回をめどに1日3回(各回20名、計60名)を開催する予定とのこと。

新しく作った各部に昔のままのレバーなどが混在するコクピット。

新しく作った各部に昔のままのレバーなどが混在するコクピット。

現存のみならず実動する零戦の機体、コクピットで撮影できるという大変貴重な機会。
この機体は将来アメリカに保管するために戻し、そうなると次回はいつ里帰りできるか、可能性は全く未知数。
もしかしたら日本ではこの零戦のコクピットに座り、機体に触れる最後の機会になるかもしれません。

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またそれが実現するとしても、「飛行させて戻さない限りは飛行許可は出ない」という可能性もあり、その場合太平洋横断ではなく、西側の大陸ルートを周って飛ばさねばならないかもしれないそうです。

各国の上空を飛ばしながら、パイロットの安全も確保するために途中で着陸、給油などの手続き・・・もろもろを考えると気が遠くなりそう・・・
このプロジェクト、関係者の大変な苦労のもとに実現したことを思うと、改めて頭が下がります。

初公開飛行を実現したスタッフのみなさん。

初公開飛行を実現したスタッフのみなさん。

それだけではありません。
今後この貴重な機体を整備しつつ、また日本人でこの零戦を操縦するパイロットの育成も必要なため、さらに多くの方の協力が必要になるということで今回のプロジェクトに至ったとのこと。

DVDへの協賛、そして着座撮影会へご協力いただける方、また協賛に賛同してくれる企業スポンサーが少しでも多くいてくれたらと思います。

このプロジェクトの意義とは?


最後になりますが、零戦里帰りプロジェクトの広報担当者に、この件について直接電話をいただき、インタビューすることができたので、そのことを書き記しておこうと思います。

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担当者の方は「このプロジェクトは、戦後70年を振り返り、未来を考える機会を創りたいのです。零戦は今の日本、そして世界が抱えている課題を考えるうえで『歴史を学ぶ』のではなく『歴史に学ぶ』ということこそが重要だと考えているのです。」と、このプロジェクトの意義を語ってくれました。

彼はあるとき30代の人に「零戦は特攻機だったんですよね?」と聞かれ、愕然としたそうです。
爆弾を抱いて敵艦に突っ込むためだけにこの飛行機は作られたものではない。この戦闘機がどれだけの日本人が思いを込めて作られたものなのか、そして戦後、その技術が日本の復興を支える自動車産業や鉄道事業に活かされてきたという事実などが、教科書では全く触れられていないという状況にも違和感を感じたのです。」と。

パプアニューギニアで発見された時の写真。

パプアニューギニアで発見された時の写真。

このプロジェクトを通じ、ボロボロだった零戦が、先日日本の空を飛ぶまでの一部始終を見守り、実務の部分を担当してきた方だからこそ、その質問は衝撃だったと思います。

ボロボロの状態から完全復活したエンジン。

ボロボロの状態から完全復活したエンジン。

新しく設計、制作され後ろに繋げられた機体。

新しく設計、制作され後ろに繋げられた機体。

実際に機体の目の当たりにすれば、感じることが絶対にあり、また知ろうという意欲も湧いてきて、そして会話や議論が生まれるのです。結論を出すことではなく、会話や議論が起こり、各人が考えること!これこそがプロジェクトをやっている目的です。ネット全盛の時代ですが、実際に観ること、触ることで見えるものは絶対に違う。そういった気持を共有いただきたく、是非この機会に見に来て座っていただきたいと考えています。」とみなさんへの熱いメッセージをいただきました。

1 (76)写真撮影会の詳細および申込はこちらから。
また4/23,24の公開飛行に向けては、Facebookページにて状況報告をしてもらえるとのことなので、細かくチェックしてみてください。

お話しをお聞きして、個人的にはいかなる理由があっても戦争には反対の私ですが、このプロジェクトは価値のあるものだと思いました。

これからこの日本がどのようなスタンスで世界のなかを進んでいくべきか、今は国民一人ひとりが学び、話し合うべき時なのではないか。

その意味において、この里帰りプロジェクトがいかなる形であれ、多くの人にこれからの日本を考えていくきっかけになってもらいたいと私も思っています。
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参照元:
零式艦上戦闘機 里帰りプロジェクト」オフィシャルサイト
Facebookページ
着座撮影会in鹿児島空港」予約ページ
零戦プラスかごしま」オフィシャルサイト

写真提供:中村泰三氏

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※修正のお詫びとお知らせ
文中にある「実働する唯一の機体をフルレストアし」の表現について、歴人マガジン読者の方から「レストアした機体を石塚氏が購入したのではないか。またエンジンはアメリカ製のものを積みかえたものである」とのご指摘を受けまして、広報担当者の方に事実関係を再度確認いただいたうえで下記のように修正いたしました。
申し訳ありませんでした。何卒ご了承くださいますようお願いいたします。

修正箇所 実働する唯一の機体をフルレストアし、⇨ 新しくエンジンを積みかえ、フルレストアした唯一の機体を購入し

編集長Y

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