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【 これが西郷隆盛!?】 美術館でキモだめし!「怖い浮世絵展」で感じる日本の夏・肝試しの歴史

【 これが西郷隆盛!?】 美術館でキモだめし!「怖い浮世絵展」で感じる日本の夏・肝試しの歴史

2016年8月2日から、東京都渋谷区の太田記念美術館にて「怖い浮世絵展」が開催しています。

「怖い浮世絵」展

「怖い浮世絵」展

太田記念美術館は、数多くの浮世絵を収蔵・展示している美術館。今回の企画展では、幽霊絵、化物絵、血みどろ絵などまさに「怖い浮世絵」を選りすぐって展示しています。

会場では大人はもちろん、夏休みということもあってか子どもも多く訪れているようです。
「怖い浮世絵展」のキャッチフレーズは、「美術館でキモだめし。」

肝試しと言えば夏の風物詩。8月開催にふさわしい企画展とキャッチフレーズと言えそうです。

日本最古の肝試しをしたのは藤原道長

藤原道長

藤原道長

肝試しは、墓地など恐怖心がわく場所を巡って文字通り肝の強さを試すイベント。
日本で最も古い肝試しの記録は、平安時代後期に成立したと言われる歴史物語『大鏡』に残されています。

旧暦5月下旬、雨が不気味に降る丑三つ時に、花山天皇が藤原道長とその兄2人に人気のない場所へ1人で行って来るよう命じます。まさに肝試しです。
兄2人は恐怖のあまり途中で引き返してしまいますが、道長は至って平然と赴き、指定された場所の柱を削って証拠として持ち帰りました。

時の人となった道長の豪胆さを示すエピソードです。

肝試しで実際に怪異と出会った武士・卜部季武

同じく平安時代に、武士が肝試しを行なった話が伝わっています。卜部季武(うらべ の すえたけ)です。
季武は化け物退治で有名な頼光四天王の1人。「怖い浮世絵展」でもその勇姿が展示されています。

葛飾北斎画『和漢絵本魁』より「卜部季武 姑獲鳥(産女)を懲す」

葛飾北斎画『和漢絵本魁』より「卜部季武 姑獲鳥(産女)を懲す」

『今昔物語集』に記された季武の肝試しでは、怪異と出くわしています。
美濃国のとある川を夜に渡ろうとすると、産女が現れて子を抱かせようとするらしい。噂を聞いた季武は周りの制止も聞かず、確かめに1人行きます。

季武が川を渡ると、本当に産女が現れます。
差し出された子どもを受け取って季武はそのまま進み、「返して」とすがる産女を無視して仲間の所に戻ります。
腕の中の子どもは、気づけば1枚の木の葉に変わっていました。

周りの武士は季武の豪胆さに舌を巻き、太刀や鎧などを差し出しますが、季武は笑って受け取らなず、季武の評価はさらに上がった・・・という話です。

江戸時代は武家の子どもに行われた?

肝試しの記録は他にあるのかはわかりません。ですが江戸時代には、武家の子どもの精神を鍛える目的で肝試しが広く行われたそうです。

季節は夏、時刻は草木も眠る丑三つ時。場所は処刑場などが選ばれたとか。
処刑場にはさらし首が置いてある場合もあったようで・・・なんとも肝が冷えそうですが、こうした風習が現代の肝試しに繋がっているのかもしれません。

ただし、現代は嫌がる人に肝試しを強要すること、私有地に入ることは罪に問われる場合もあるようです。
現代では、マナーを守って楽しく肝試し! を肝に銘じましょう。

この夏は涼しい美術館で肝試し!

今回の展示のうち、見どころとなる作品をいくつかご紹介しましょう。

歌川国芳 「四代目市川小団次の於岩ぼうこん」(太田記念美術館蔵)

歌川国芳 「四代目市川小団次の於岩ぼうこん」(太田記念美術館蔵)

描かれているのは虫籠と団扇を手にして踊る美しい娘、お岩。
しかし、よ~く見ると背後には、朽ち果てた亡魂となったお岩の姿が重なって見えます・・・。

月岡芳年 「西郷隆盛霊幽冥奉書」(太田記念美術館蔵)

月岡芳年 「西郷隆盛霊幽冥奉書」(太田記念美術館蔵)

歴史好きの皆さんにはお馴染みの西郷隆盛がこんな表情をしてるなんて・・・
こちらは西南戦争で亡くなった翌年の姿だそうで、手に持った建白書は大久保利通に当てられたものという説があるらしいですよ。

「怖い浮世絵」展

「怖い浮世絵」展

ほかにもひんやり涼しくなれる絵がたくさん・・・太田記念美術館の「怖い浮世絵」展は、2016年8月28日(日)まで開催予定です。

「怖い浮世絵展」
太田記念美術館 公式サイト

【企画展概要】
・会期:8月2日(火)~8月28日(日)
・開館時間:10:30~17:30(最終入館17時まで)
・休館日:月曜

さすがに夜というわけにはいきませんが、怖い浮世絵に囲まれた場所を巡って肝を試し、なんていかがでしょうか。

(Sati)

参照元
太田記念美術館

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