歴人マガジン

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【インタビュー】あの世界的ヒット「チャングムの誓い」ほか、大人気作を連発! 「韓国歴史ドラマの巨匠」イ・ビョンフン監督に聞きました!

●韓国時代劇史上 最高視聴率を叩き出した“超大御所”

テレビ時代劇が今でも高い人気を誇っている韓国テレビドラマ界で、「時代劇の巨匠」と言われているのが、今回インタビューさせていただいたイ・ビョンフン監督。

1999年に「ホジュン 宮廷医官への道」で時代劇史上最高(!)の視聴率を記録、その後「宮廷女官 チャングムの誓い」が、世界中で大ヒットしたことは、歴史ドラマに詳しくない人でも知っているほど。

チャンネル銀河では彼の世界的ヒット作「宮廷女官 チャングムの誓い」をはじめ「イ・サン」「トンイ」などを放送。

これらの大人気作品の音楽を、オーケストラで聞けるという素晴らしいイベント「チャングム&イ・サン&トンイの世界」ドラマ・シンフォニーが、3月27日に東京国際フォーラムで開催され、実に約9,000名の観客を集め大盛況のうちに終了しました。

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イ・ビョンフン監督は、そのイベントのスペシャルゲストとして「トンイ」の子ども時代を演じたキム・ユジュンさんと来日、このインタビューが実現しました。

キム・ユジョン+監督㈪_4617のコピー

 

●まわりを和ませるあたたかい人柄

イベント終了後スチール撮影を終えた後にいよいよインタビュー開始。

なんといっても「韓国歴史ドラマ界の巨匠」、いうなれば「超大御所」ですから、私も緊張しましたが、監督は終始にこやか。

周りのスタッフを緊張させないように冗談を飛ばすなど、さりげなく気配りされているのがすぐに分かります。

さすがドラマを長年撮られている監督だけあって、現場の空気を大事にされているのだなあと思いました。

イ・ビョンフン監督㈰_4100のコピー

 

●作品へかける熱い思い

私は、ヒットメーカーとしてどんな心構えでいるのかが気になっていたため、「歴史ドラマの制作において留意されていることは何ですか?」と質問。

すると監督は「それは3つあります。」と教えてくれました。

1つは「教育的側面が重要だ」ということ。

根拠のない史実を青少年に間違って教えるわけにはいかないので、時代考証をしっかりやるのだそうです。

2つめは「おもしろくなければならない」ということ。

特に若い人達に肩肘張らずに見てもらえるようなエンタテインメント性の高いドラマにしなければ、歴史ドラマ自体がつまらなくなってしまうから、史実に忠実にどこまで面白いものが作れるかが監督の腕の見せ所、とのこと。

3つ目は「放送番組は公のものであるという意識をもつ」こと。

監督は韓国文化放送(MBC)というテレビ局に入社以来、一貫してテレビ畑を歩いてきた方。
そのテレビのあり方について彼は「テレビ番組は有益で教訓を得られる、言い換えれば家族で見られるような健全なものであるべきです。」と答えてくれました。

うーん・・・さすが時代劇の巨匠。

歴史を伝えることの重要性、古くから伝えられてきた道徳などを踏まえながら、テレビマンとしておもしろいものを作るという難しいバランスを保たねばならないわけです。

そんな状況のなか、ヒットを重ねてきた監督だからこその重みのある言葉でした。

 

●プロとしてのこだわり

最後の質問は我ながらベタだな・・・と思いつつも「日本の時代劇や歴史ドラマを見たかどうか、またどんな印象だったか」とお聞きしました。

するとこれがまたビックリ。

30年近くも前に大河ドラマ「武田信玄」を見たのをはじめ、4月からチャンネル銀河で放送中の「篤姫」、以前放送した「龍馬伝」などNHKの大河ドラマをはじめ、「水戸黄門」「銭形平次」などお馴染みの作品が続々と出てきます。

韓国では日本のテレビドラマのファンもとても多く、日本の番組の専門チャンネルなどで演出の勉強のためによく見ます」とのこと。

NHKの大河ドラマは、韓国のKBS(韓国放送公社)のドラマに似ていて、歴史の長さを感じさせる重厚なイメージと、クオリティの高さが特徴かと思います。私も過去たくさんの作品を見て、影響と感銘を受けてきました。

それに比べ私の作る作品はどちらかというと、重厚さよりも物語の分かりやすさに重点をおいているところがあるかもしれませんね。

時代劇や歴史ドラマの「歴史を伝える」という目的からすれば、いろいろな視聴者の方がいるわけで、大河ドラマのような重厚さや威厳をもつ作品や、私の作品のように親しみやすさを主眼においた作品、共にあってもいいのではないかと思っています。

ともすると重くなりがちな歴史を親しみやすく・・
理解はできますが、そのバランスこそが難しいのでは・・・と思ってしまう私。

しかし監督は、そのためにも時代劇のみならず「ヴァンパイア・ダイアリーズ」「LOST」「24」などの人気ドラマや、「半沢直樹」などの日本ドラマもチェックしているそう。

質問は「時代劇や歴史ドラマを観ていますか?」だったのですが、監督の口からどんどんと淀みなく出てくる現代人気ドラマの数々。

お仕事として国内の作品を見るということはもちろん理解できますが、これだけ海外の作品について目をキラキラさせながら語るその姿は、ドラマが好きで好きで仕方がない、という感じ。

本当に熱心な一人のドラマファンの少年が「好きこそものの上手なれ」で走り続けてきた結果、気がつけば「韓国歴史ドラマ界の巨匠」になっていた、というのは言い過ぎでしょうか。

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●気になる今後について・・・

韓国語が分からない私に対しても、しっかり目を見て熱く語ってくれる監督。
あっという間に時間が近づいてきましたので、最後に「今後歴史以外の作品などを作る予定がありますか?」と突っ込んだ質問をしてみました。

すると監督は「最近の韓国ドラマは想像力を刺激するファンタジー要素がひとつの特徴になっていますので、これからは「太陽を抱く月」のようなファンタジーにも興味があります。」とのこと。
次回もし私が撮るとすれば、今まで自分が作ってきたような、身分の低い主人公が頑張って成功していくストーリーが基本ですね。

それで、韓国の歴史のなかで今まであまり取り上げられていなかった実在の人間を取り上げて、そこにファンタジー要素を入れて作ってみたいですね。


とファンの方が聞いたら大喜びしそうな答えをしてくれました。

こうして楽しいインタビュー時間も終了したわけですが、最後まで笑顔を絶やさず、片言の日本語で「ありがとうございました」とお礼をされる姿に、改めて監督の人間としての大きさと魅力を感じました。

監督がフォーカスしてきた、庶民の目線は、この驕らないスタンスがあればこそなのだな、と実感できたインタビュー。

イ・ビョンフン監督、これからも元気にたくさんの素晴らしい作品を作って、私たちを楽しませてください!
日本の韓国歴史ドラマファンをうならせる最新作、心より楽しみにしています。
ありがとうございました。

ところでイ・ビョンフン監督の大ヒット作は下記チャンネル銀河で放送中または放送予定!

これまで韓国歴史ドラマを知らなかったというみなさんも、この機会にぜひトライしてみてください。
その面白さにヤミツキになってしまうかも!

副編集長Y

チャンネル銀河 放送情報

■「宮廷女官 チャングムの誓い」<ノーカット字幕版>
ゴールデンウィーク一挙放送 5/2(土)~6(水)午前10:00〜

■「イ・サン」<ノーカット字幕版>
7/7(火)スタート 毎週月~金 午後3:00~ ※予定

■「トンイ」<ノーカット字幕版>
4/25(土)毎週土曜夜10:00~
<<文中に登場するキム・ユジョン出演作>>

■「太陽を抱く月」<ノーカット字幕版>
毎週土曜夜8:30~放送中、さらに8月第1話から一挙放送 ※予定

トンイ©2010 MBC
宮廷女官 チャングムの誓い©2003-4 MBC
イ・サン©2007-8 MBC
太陽を抱く月©2012 MBC

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