世界一古い会社が日本の企業だということを知っていますか?
世界最古の企業はなんと飛鳥時代に創業した「金剛組」という建設会社ということなのですが、日本には世界的にも歴史の長い大企業が多くあります。今回は日本史に名を刻んだ大企業の歴史をご紹介しましょう。
龍馬とも旧知の仲・岩崎弥太郎が創業した三菱グループ
三菱UFJ銀行や日本郵船、キリンホールティングスなど多くの大企業を抱えている三菱グループ。
現在では世界のトップ企業に名を連ねる大企業となっておりますが、明治時代から続いている企業であったのを皆さんご存知でしたか。
この三菱グループは明治時代の実業家と知られている岩崎弥太郎が創業した企業です。
当初は土佐藩が立てた大阪商会を岩崎弥太郎が引き継ぎ、その後社名を九十九商会と変更。
当時物流の根幹となった海運事業を発足させ、社名を「三菱商会」と変えて、日本の海運事業に大きく貢献していくことになります。
三菱は多くの事業を成功に導き、事業は多角化していきます。そして岩崎弥太郎が創設した三菱商会が現在の三菱グループとして、今日まで世界の大企業に名を連ねる事になります。ちなみに日本で初めてボーナスを出したのも、岩崎弥太郎だといわれています。
信長の小姓の子孫が創業した松坂屋
関東や東海地方に出店している松坂屋も、もとは1611年から現在まで続いている企業であったことを知っていましたか。
この松坂屋の前身を作ったのは織田信長の小姓・伊藤蘭丸祐広の子、伊藤蘭丸祐道です。名古屋で呉服小間物商である「いとう呉服店」を創業したことが松坂屋の起源とされています。
しかしこの祐道は大阪夏の陣に出陣した際に戦死。一時「いとう呉服店」も店をたたむことになります。
その後、祐道の子供である祐基が名古屋市で「いとう呉服店」を再開し、江戸に進出した際に「松坂屋」を買収、「いとう松坂屋」に社名を変更したのです。そして大正14年に出店している店名をすべて「松坂屋」に変更し、現在の有名な松坂屋となります。
江戸時代からずっと店舗を移転しないで営業しているデパートは上野の松坂屋と日本橋三越だけです。
激動の明治時代、海賊とよばれた男が創業した出光興産
「海賊とよばれた男」で一躍有名になった出光佐三。彼は明治時代の中期に、石油業界の大手である出光興産の前身である出光商会を創設します。明治の終盤から石油を扱う仕事をはじめ、日本各地や中国に支店を出し、成長を遂げていきます。しかし第二次世界大戦が勃発し、日本が敗戦国となると、当時の日本の企業は企業存続のため、多くの社員をクビにしていきます。
その中で出光興産(1940年に社名変更)は社員のクビを切らずにそのまま雇用し続け、人を資産に再スタート。幾度も企業存続の危機を迎えながら、現在でもトップ企業に名を連ねています。
今回は皆さんが知っている日本のトップ企業の歴史をご紹介しました。
時代を乗り越えて生き残ってきた企業の歴史は、学ぶところが多いのではないでしょうか。