歴人マガジン

【江戸の性事情】花魁から夜鷹まで…庶民はどう遊んだ?江戸時代の気になる性産業

悲しき売春婦「夜鷹(よたか)」

夜鷹(片野東四郎)
夜鷹(片野東四郎)

時代劇でも時々取り上げられる夜鷹。現在で言う「立ちんぼ」スタイルで、夜道を歩く男性に声を掛け安価で売春を行います。
安い夜鷹だと、一回の値段が蕎麦一杯程度。安い局見世などで働いていた遊女が、加齢や病気で夜鷹に落ちてしまうケースもあり、性病などにかかっていた率は高かったとされています。
しかも、河原や林の中などに持参したゴザをひいて男性の相手を・・・ということなのでかなり大変だった職業です。
年齢層は10代から70代、と幅広く活動範囲も全国的でした。

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賑やかなストリップ劇場「意和戸(いわと)」

ほったて小屋の中で女性が陰部をあらわにする現代でいう所のストリップ小屋「意和戸」。
女郎上がりの女性が豪華な打掛をまとい、男性客の前に出てきて脱いだり性行為を見せたり。男性客は「それ吹け、やれ吹け」「それ突け、やれ突け」と場面に合わせて掛け声を発するのです。

ちなみに「意和戸」というのは、日本神話で隠れた天照大神に出てきてもらおうと、アメノウズメノミコトが脱ぎながら踊った「天岩戸(あまのいわと)」から。
「女(あま)の意和戸」、といことみたいです。

「天岩戸神社東本宮のアメノウズメノミコト像。服は着ています。」
「天岩戸神社東本宮のアメノウズメノミコト像。服は着ています。」

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様々な階級や種類のあった江戸時代の遊女たち。
吉原だけではなく、普通の街中などでも売春で生計を建てている女性たちは多く存在していました。
東海道などの有名街道の宿場の宿や飯屋には「飯盛娘」や「宿場女郎」という遊女が待機しており、旅人の疲れを癒す存在でした。参勤交代の時は特に忙しかったとか。

古今東西問わず、性産業が消えた時代・国家はありません。

春画で見る江戸の性事情/永井義男(日本文芸社)

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