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【 頼長が奉納した太刀も 】春日大社創建1250年記念「伝説の名刀たち」開催中

神護景曇2年(768)に現在の地に本殿が創建されてから、2018年で1250年を迎える春日大社(奈良県奈良市)。それを記念した展覧会「伝説の名刀たち」が、春日大社国宝殿にて2018年3月26日(月)まで開催中です。藤原頼長や足利義満らが奉納した名刀が見られる貴重な機会。今回はその見どころをご紹介します。

春日大社は名刀の宝庫!

当時の歴史を動かしていた摂関家や将軍から奉納された春日大社の刀剣。神殿や宝庫の中で600〜1000年の間、大切に守り伝えられてきたものは、単なる名刀とは異なる、静謐な美しさを堪能できます。国宝9点、重要文化財8点、重要美術品4点をはじめ、平安・鎌倉・南北朝それぞれの時代の名刀が見られるのも特徴です。

国宝「金地螺鈿毛抜形太刀」(平安時代)
(春日大社蔵)

金無垢の金具に、竹林でスズメを追う猫を表現した細い装飾が見事な国宝「金地螺鈿毛抜形太刀(きんじらでんけぬきがたたち)」は、「悪左府」の異名をもつ平安時代の貴族、藤原頼長の太刀といわれています。頼長らしい奇抜なデザインは、拵の柄に古代の毛抜きに似た大きな透かしが空いていることから「毛抜形太刀」と呼ばれています。

国宝「金装花押散兵庫鎖太刀」(南北朝時代)
(春日大社蔵)

備前の長船兼光の作である 国宝「金装花押散兵庫鎖太刀(きんそうかおうちらしひょうごぐさりたち)」(南北朝時代)は、室町幕府3代将軍の、足利義満が奉納したと伝えられます。足利一門の花押がデザインのように墨書されている、珍しい拵がポイントです。足利将軍家は尊氏の頃より春日社を崇敬し、式年造替も執り行っていました。

天井裏から発見されたお宝も公開

重要美術品「太刀(古備前)」(黒漆皮包太刀拵が附属)(平安時代)
(春日大社蔵)

昭和14年(1939)8月に春日大社の宝庫の天井裏から発見された、黒漆塗太刀の刀身。当時は錆に覆われていましたが、人間国宝でもある刀剣研師・本阿弥光洲氏の研磨により、2点が平安末〜鎌倉時代の古備前、1点は延寿国吉の名刀であることが明らかになりました。これは鎌倉幕府7代執権・北条政村の嫡男である北条時村が奉納したとの記録が残っています。

このように、今まで人目に触れなかった、うぶの名刀など、普段見ることのできない伝説の刀剣に出会える貴重な機会をお見逃しなく!

春日大社御創建1250年記念展Ⅰ
「伝説の名刀たち」


開催期間:2017年12月22日(金)〜2018年3月26日(月)
開催時間:午前10時〜午後5時(入館は閉館の30分前まで)
休館日:2018年1月29日(月)
開催場所:春日大社国宝殿
お問い合わせHP:春日大社
http://www.kasugataisha.or.jp

2018年は春日大社関連の展覧会が続々開催

また、2018年は、1250年記念の第2弾として「聖域 御本殿を飾る美術」が2018年4月1日(日)〜8月26日(日)まで開催されます。一般に立ち入ることができない聖域として守られてきた春日大社の本殿。その本殿を飾る調度品や障壁画などが、修復・復元され、公開されます。
さらに、近くの奈良国立博物館では、「国宝 春日大社のすべて」が2018年4月14日(土)から6月10日(日)まで開催され、こちらも貴重な所蔵品が展示される予定です。
2018年の春日大社イヤーをお楽しみに!

(編集部)

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