時代を動かした歴人たちはどんなものを食べてきたのでしょうか?
ここぞ!という時に食べた勝負メシ、客人をおもてなししたごちそう、あの有名なエピソードの裏にあった秘密の献立・・・
歴人たちが好んだ食を紐解きながら、料理研究家・柳原尚之が現代でも美味しく食べられる料理にアレンジしていきます。
★『歴人めし』の番組ページはこちら
徳川慶喜「豚と白菜の博多蒸し」
材料(4人分)
豚ばら肉 ・・・・200g
白菜 ・・・・4枚
大葉 ・・・・18枚
大根 ・・・・200g
長ねぎ ・・・・1本
一味唐辛子
たれ2種
★ポンスしょうゆ(橙またはレモン1個、しょうゆ大さじ2)
★ごまだれ(白ごま大さじ3、みりん大さじ1と1/2、コンデンスミルク大さじ1と1/2、うすくちしょうゆ大さじ2、ヨーグルト大さじ1)
作り方
- 白菜を、バットの底に隙間のないように敷く。その上に大葉を置き、さらにその上に豚ばら肉を、3~4枚並べ、塩を少し振る。さらに、白菜を重ねる。これを同様に3回繰り返し、最後に白菜がのるようにする。
- 同じ大きさのバットをのせて重しにし、湯気の上がった蒸し器で15分蒸す。蒸しあがったら端を包丁で落として、程よい大きさに切る。
- 大根おろしをと、白髪ねぎをつくる。
- 器に博多蒸しを入れ、大根おろしと白髪ねぎをのせてから一味唐辛子をふる。
- 2種類のたれを好みでかけて食べる。
高杉晋作「鯛の押し寿司」
材料(4人分)
鯛 ・・・・1さく
昆布 ・・・・1~2枚(20cm)
塩 ・・・・適宜
米 ・・・・カップ2と1/2
打ち酢(米酢50ml、砂糖大さじ2、塩小さじ1)
木の芽 ・・・・適宜
しょうがの甘酢づけ ・・適宜
作り方
- 昆布を水にさっと浸し、しばらくおいてやわらかくしてから水気を丁寧にふき取る。
- 鯛の皮を引き薄く削ぎ身にする。1の片側に薄く塩を振りその上に鯛を並べる。この時、皮があった方を下にする。その上に薄塩を振り、もう片側の昆布で挟んで30分おき、昆布のうまみを鯛に含ませ昆布締めにする。
- 炊きたてのご飯を飯台にあけ、あらかじめ合わせておいた打ち酢を全体に回して、うちわで扇ぎ冷ます。
- ラップを敷き、昆布締めにした鯛、木の芽、すし飯の順に乗せてラップで包み、形を整える。常温でしばらくおき、すし飯と鯛がなじんでからラップごと切る。
- しょうがの甘酢づけを添える。
高杉晋作「潮汁」
材料(4人分)
鯛のあら(頭と中骨)・・・・1/2尾分
昆布 ・・・・1~2枚(20cm)
水 ・・・・カップ4と1/2
塩 ・・・・小さじ1
酒 ・・・・大さじ1
うど ・・・・1本(3cm)
木の芽 ・・・・適宜
作り方
- 鯛の頭やかまを適当な大きさに切り、塩を振って少しおき、熱湯で霜降り、表面が白くなったら水にとり、鱗を丁寧に取る。
- うどは、皮をむいて短冊に切り、酢を少々入れた水につけてあくを抜く。
- 鍋に分量の水と昆布と1を入れて火にかけ、あくをとりながら15分ほど中火で煮る。
- 昆布をとりだし、塩と酒で味を調え、最後にうどと木の芽を散らす。
天璋院篤姫「お貝煮」
材料(作りやすい分量)
あわび ・・・・1個
塩 ・・・・少々
酒 ・・・・少々
生しいたけ ・・・・2枚
車えび ・・・・2尾
三つ葉 ・・・・適宜
卵汁(卵1個、だし120ml、塩小さじ1/4、うすくちしょうゆ小さじ1/3、 みりん小さじ1/2)
昆布 ・・・・1枚
作り方
- あわびは身を優しく洗ってから塩をなすりつけ3分蒸した後、酒を振り、さらに20分蒸してから身を殻からはずして肝と口をとり外し身を薄切りにする。
- しいたけはゆでて薄切りにする。
- 車えびは頭と背わたを取り、酒と塩を少々入れた熱湯でゆで、殻をむき1センチ程に切る。
- 卵汁の材料を混ぜ合わせ、ざるで濾す。
- あわびの殻に昆布をくさび形に切って差し込み穴を塞ぐ。
- 1,2,3を5に入れてから4を流し込み、1分は強火で、その後11分中火で蒸す。
- 蒸しあがったら2センチほどに切った三つ葉を散らす。
料理研究家。江戸懐石近茶流嗣家。祖父は江戸懐石近茶流先代宗家の柳原敏雄、父は現在の江戸懐石近茶流宗家であり、東京農業大学客員教授も務める柳原一成。
WEBサイト:http://www.yanagihara.co.jp/
コメント