曹操の最後・・映画『曹操暗殺 三国志外伝』9月3日DVD/ブルーレイリリース

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★この記事はキュレーター哲舟さんが投稿してくれました!!

曹操暗殺 ~三国志外伝~ その時代背景と英雄・曹操の魅力
曹操最後の1年を描く、新たな三国志映画

 

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いまや小説・漫画・演劇・ゲームなど、日本のあらゆるジャンルに登場する「三国志」。本場中国に勝るとも劣らぬ人気を誇り、映画も『レッドクリフ』や『三国志英傑伝 関羽』などが公開になるたびに話題をさらってきた。

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これまでの三国志映画といえば、諸葛孔明・関羽などを主役にしたものが多かったが、本作『曹操暗殺 三国志外伝』は、名優チョウ・ユンファが演じる曹操にスポットをあてた作品として注目を集めている。
題名の通り、本作は「曹操暗殺」をめぐる物語だ。時に西暦220年、曹操は関羽との戦いを終えて荊州(けいしゅう)から許都(きょと)へ帰還する。しかし、安心はできなかった。三国時代で最強の国である「魏」の礎を築いた曹操には敵も多く、常にその刺客に命を狙われていたのである……。
曹操の暗殺計画は創作ではなく、正史『三国志』および小説『三国志演義』の両方に記された出来事。また、220年は曹操が史実において「病死」した年でもある。本作はこの「曹操最後の1年」を、史実に基づきながらも大胆にアレンジして描いているのだ。

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さて、曹操といえば一般に「悪役」というイメージが強い。実際、『レッドクリフ』では皇帝を脅し、女色に溺れるといった姿が強調して描かれていた。その理由としては、唐の時代(三国時代から1000年後)に書かれた小説『三国志演義』で悪役にされたことが大きい。劉備(りゅうび)の国である蜀(しょく)が「善」とされ、その敵である魏の曹操は「悪」になったのである。

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しかし、本来の三国志は、後漢から三国時代(180~280年ごろ)の人物伝を集めた歴史書(正史)であり、勧善懲悪の物語ではない。正史『三国志』の著者である陳寿(ちんじゅ)は、曹操を「非常の人、超世の傑」(常人離れした才の持ち主で、時代を超える英雄)と評している。その記述を読むと、知略・軍才に優れただけでなく、詩人であり文化人の一面も持っていたことがわかる。
日本酒の原型ともいえる酒の造り方を記した文書や、有名な『孫子の兵法』にも注釈を加えて後世に残した。一方で、宴会ではハメを外して衣服を汚したり、寝ている部下に衣服をかけてやるなど人間くさい記述もあり興味深い。

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日本の三国志ファンの間では昔から曹操の人気は高い。小説版のスタンダードともいえる吉川英治『三国志』では清濁あわせ持つ魅力的な人物に描かれているし、曹操が主役の漫画『蒼天航路』が大人気になるなど、単なる「悪役」の枠にとどまらない英雄と見る人が多いのだ。中国でも、2012年にドラマ『曹操』(全41話)が制作されるなど、最近とくに曹操の人物像が見直されている。

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その中国では2009年に「曹操の墓」とみられる遺跡が発見され話題を呼んだ。内部には曹操とその妻らしき遺骨のほか、若い女性の遺骨があった。「その発見に着想を得たことが、映画制作の引き金になった」と本作の監督チャオ・リンシャンが明らかにしている。また、曹操の墓は銅雀台(どうじゃくだい)遺跡の近くで発見されたことも興味深い。銅雀台は曹操が建設した豪華な宮殿。本作の重要な舞台でもあり、曹操がこの宮殿で人生の苦悩を側室に漏らすなど、単なる野心家にとどまらない一人の人間としての姿をさらけ出す。

本作のヒロインは中国の女優リウ・イーフェイだが、彼女とコンビを組むのが日本の俳優・玉木宏であることも注目したい。玉木は朝廷に仕える宦官(かんがん)の穆順(ぼくじゅん)を演じ、刺客として曹操の命を狙う重要な役どころ。『レッドクリフ』でも中村獅童が出演して話題になったが、今回も国境を越えた三国志熱の高まりに一役買ってくれることだろう。

 

上永哲矢(歴史コラムニスト)

 

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詳細は公式サイトで>>映画『曹操暗殺 三国志外伝』

 

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