陰謀渦巻く後宮でただ一つの愛を貫き、誇り高く生きた皇后・如懿(にょい)の切なくも美しい人生を描く豪華絢爛・宮廷歴史ドラマ「如懿伝〜紫禁城に散る宿命の王妃〜」。今回は、如懿への純粋な想いと彼を翻弄する後宮の妃たちとの間で葛藤していく皇帝・乾隆帝を演じた中国時代劇のトップスター、ウォレス・フォのインタビューをお届けします。
◆「如懿伝〜紫禁城に散る宿命の王妃〜」(以下「如懿伝」)に出演を決めた理由は何でしょうか?
「如懿伝」とご縁があったからです。とても嬉しかったですし、このドラマとは深い縁があったので参加することができたと感じています。
◆出演に当たって原作小説は読みましたか?また、事前に歴史書や資料を読むなど、清朝の宮廷や乾隆帝の人生について調べましたか?
以前にこの原作小説は読んでいました。この撮影チームではちゃんと清朝の宮廷文化だけでなく皇帝のオンとオフの生活、清朝の宮廷のルールや知識まで教わることができたので、とてもためになりました。
◆「如懿伝」では乾隆帝がこれまでになく人間的に描かれていて、政治的に立派な功績を残した皇帝もパーフェクトな人間ではないというドラマが印象深かったです。ご自身ではこうした乾隆帝のキャラクターをどのように考えて演じましたか?
「如懿伝」に描かれた乾隆帝はとてもリアルで写実的で、人間らしい皇帝だと思います。ですから、この役は非常に大きな挑戦だと感じましたし、私自身、この人物をとても好きになりました。また、演じている間は全身全霊で役になりきり、それを楽しむことができました。
◆乾隆帝と如懿のラブストーリーは視聴者の賛否両論を巻き起こしました。ご自身ではこの2人のラブストーリーについてどんな感想をお持ちですか?
乾隆帝と如懿の関係は甘く美しい時もありましたが、意見がぶつかる時もあり、最後には様々な原因から二人は一緒にいられなくなり、離婚ともいえるような騒ぎにもなります。私自身、微に入り細に入り、二人の夫婦関係の結末までを描いている、この一連のストーリーをとても気に入っています。
◆1人の男性として、この乾隆帝のような男性に共感できるところがありますか?もし自分が乾隆帝だったとしたら、どのように現実に立ち向かっていたと思いますか?
乾隆帝は如懿を愛していなかったわけではないし、彼女に良くしようと思っていなかったわけではないと思います。彼が天子たる皇帝として仕方なく譲歩しなければないことが多くあった一方、如懿からすれば彼が譲らないところもあったでしょう、二人はやがていろいろな面で食い違っていきます。互いにそれぞれの立場があって、それぞれの役割が違う以上、円満な関係のままではいられなかったのだと思います。
◆如懿役のジョウ・シュンさんとの共演はいかがでしたか? 実際に彼女と一緒に演技をしてみて、どのように感じましたか? 撮影現場での印象深いエピソードなどがありましたら教えてください。
ジョウ・シュンさんとの共演はとても楽しく、とても多くのことを学ぶことができました。彼女は非常に素晴らしい役者さんで、彼女の眼差しを見るだけでこのドラマの世界に入り込めます。これはすごいことだと思います。彼女自身の演技が素晴らしいだけでなく、相手役をもドラマのシチュエーションに引き込む力があるのです。そんなふうに彼女が大変優秀な役者さんだったので、そこから多くのものを得ることができました。
◆長いキャリアを持つウォレスさんですが、「如懿伝」で初めて体験したこと、このドラマに出演したからこそ得られた成果はありますか?
このドラマは撮影期間がおよそ9ヶ月と長く、非常に忘れられない経験となりました。製作陣も出演者もみなとても苦労しながら熱心に仕事に打ち込んでいたことも、忘れがたい思い出です。撮影が終わるころにはみなさんととても仲良くなりました。
◆日本の視聴者に「如懿伝」のどんな点に注目して見てほしいと思いますか?このドラマが視聴者に一番伝えたいテーマとは何でしょうか?
もちろん、日本の視聴者のみなさんにもこのドラマを気に入っていただければと思っています。このドラマを通して中国文化、歴史的文化を知っていただければと思いますし、これまでとは違う宮廷ドラマを日本のみなさんにも楽しんでいただけると思います。
◆中国の時代劇ドラマは衣装もセットも精巧で美しいことに驚かされます。ウォレスさんから見て「如懿伝」の衣装やセットはいかがでしたか? 他のドラマにはない特別な点はありましたか?
このドラマの美術や衣装はどれも精巧で美しかったです。これはスタッフや監督たちに感謝すべき点ですね。彼らの丁寧な仕事のおかげでドラマの色調は大変美しく、華麗なシーンを実現しています。彼らの努力にとても感謝していますし、おかげ様で心置きなく演技に打ち込むことができました。全てがうまくコーディネイトされていたと思います。
◆この作品はあなたにとってどんな作品となりましたか?
多くの時代劇を演じてきましたが、この作品は私の人生にとって非常に意味のあるものとなりました。なぜならこのドラマが描いている内容はより深く、私にとって非常に挑戦しがいのあるものだったからです。この役はこれまで演じたどの役柄とも違って、とても気に入っています。
◆日本では「STAR 摘星」「イルカ湾の恋人」など、台湾のアイドルドラマ時代からウォレスさんの作品がリリースされていて、当時から応援しているファンもたくさんいます。デビュー当時の自分と現在の自分を比べてみて、変わったと思うこと、変わらないと思うことは何でしょうか?
これまで演じてきたドラマが日本でもリリースされているのは嬉しいです。日本のみなさんに出演作を見てもらえることは非常にラッキーなことだと感じています。
◆ウォレスさんの出演作選びの基準は何ですか?これまでの出演作(ドラマ・映画)の中で、特にご自身が気に入っている作品を教えてください。
作品選びはやはりご縁があるかどうかだと思っています。自分では特別に基準などは設けていません。ご縁があって自分に合っていると思ったものを選んでいます。これまで出演したドラマはほとんどどれも非常に楽しんで撮影していますし、自分はやはり非常にラッキーなのだと思っています。
◆今後、どのような作品に出演していきたいと考えていらっしゃいますか?新たに挑戦してみたい役柄はありますか?
今後どんな作品に出演するかも、今のところ特別な考えはありません。全て縁に任せて、自分に合ったものを演じていきたいと思っています。
◆日本のドラマや映画に出演してみたいというお気持ちはありますか?一緒に仕事がしたいと思う日本人監督、日本人俳優はいますか?
もちろん、その気持ちはありますが、私は日本語が話せるわけではありませんので…。もしそんなチャンスがあるなら、どんな日本の優秀な監督さんや俳優さんとも一緒に仕事をしてみたいですし、そうなれば嬉しいですね。
◆最後に日本のファンに「如懿伝」のPRコメントとメッセージをお願いします。
見どころはやはり二人のラブストーリーでしょう。乾隆帝と如懿が若き日から歳を重ねるまで経験していく愛の物語に注目してほしいですね。日本のみなさんがこのドラマを応援してくれることに感謝します。これからも多くの作品を通して私を観てもらうことができればと思っています、ありがとうございます。
「如懿伝(にょいでん)~紫禁城に散る宿命の王妃~」
放送日時:2020年7月20日(月)放送スタート 月-金 夜11:00~
リピート放送:2020年7月21日(火)放送スタート 月-金 午前9:30~
番組ページ:https://www.ch-ginga.jp/feature/nyoiden/
出演:ジョウ・シュン(如懿)、ウォレス・フォ(乾隆帝)、チャン・チュンニン(海蘭)、ドン・ジエ(琅嬅) ほか
制作:2018年/全87話
画像:「如懿伝~紫禁城に散る宿命の王妃~」©2018 New Classics International Media Limited All Rights Reserved
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