【インタビュー】ハン・ヒョジュ(トンイ 役)主演映画『ビューティー・インサイド』公開記念スペシャルインタビュー

エンターテインメント

2010年に大ヒットドラマ「トンイ」の主人公を演じ国民的清純派女優としてその名を知らしめたハン・ヒョジュ。
主演映画『ビューティー・インサイド』の公開に合わせて緊急来日した彼女のスペシャルインタビューをお届けします。

久しぶりに家族と過ごしたお正月

― お正月はどのように過ごされましたか。

ふるさとの家に帰りまして、両親と一緒に一週間くらい過ごしました。

― 楽しかったですか。

やはり仕事がある時には、お盆や正月など名節の時にもなかなか家に帰れないんです。
今回は、映画の撮影直後ということで、少しお休みの時間があって、一緒に過ごそうと言われて帰りました。毎日ご飯も作ってくれるので、とても嬉しかったです。

― どんなものを召し上がりましたか。

普通韓国では、お正月にトックと言って、韓国式のお雑煮を食べるんですね。それを皆で食べましたし、私はわかめスープが好きなので、それも作ってくれました。
あとは、デンジャンクッ(味噌汁)や、コマという小さなあさりのような貝があるんですけれども、そういったものが食卓に並んでいました。

― ヒョジュさんはお酒も強いと聞いていますが、お酒もたくさん呑みましたか。

噂ですよ。(笑いながら日本語で)
両親の家では呑まなかったんですが、友達とは呑みました。

多くの刺激と力をもらった大きな山「トンイ」

― 次に、トンイの話を伺わせて下さい。トンイは何度放送してもとても視聴率が良くて大人気なのですが、どんな思いでいらっしゃいますか。

とってもとっても感謝しています。トンイの撮影をしたのは、かれこれ6年前の話になるんですが、時間が経ってもこんなに愛していただいて、感謝の一言に尽きます。
日本に来て夕食に行った時に、私のことをトンイとして見てくださった方がいらして、手を握って、「トンイ、トンイ」と言ってくれました。嬉しそうにお話をしてくださって、本当にありがたかったです。

― 「トンイ」は、ヒョジュさんにとって、ターニングポイントになった大きなドラマだったと仰っていますが、どんなところがそうなのですか。

私にとってこれほどの大作の大河ドラマというのは、初めてだったんです。長い時間一人のヒロインとして、ドラマを引っ張っていかなければならないプレッシャーがありましたので、大きな挑戦でした。
本当に大変なことを経験しましたが、でも自信にも繋がりました。私にとって、このドラマ自体が大きな山のような存在でしたので、大きな山を征服したような気持ちになりました。この経験を通して色々な悟りや気付きを得たと思います。トンイに出演した前と後では、人生の意味も変わるくらいの非常に大きなドラマでした。

― その達成感や自信は、今にどう活かされていますか。

私は達成感や自信を保ち続けることは、本当に大変なことだと思っています。作品というのは、私にとって常に新しい挑戦なんです。
だからこそ、この仕事がとっても楽しくて演技が楽しめるんだと思います。そういう意味では、毎回新しい挑戦をしています。でもただ楽しいことだけではないんですね。本当に辛いこと大変なこともありますし、躓くこともあるのですが、その中に、やはり楽しみがあるんです。
だから、演じる仕事を通して、自信も得ることも失うこともあります。自信を失った時にはやはり演じることで自信を取り戻すしかありません。結局その繰り返しだと思います。

― 歴史上実在した人物を演じるという面でもご苦労なさったんじゃないかなと思うんですが、あまり文献に載っていないトンイという人物の役作りを、どうなさったのでしょう。

むしろ参考文献があまりなかったからこそ、いろんなことを考えることができて、とても自由に演じられたんですね。誰が見ても有名な人物だったら、ある程度そこに合わせて演じなければいけないという部分もあったと思うんですけど、トンイの場合には、私の中で自由に感じながら演技ができたと思います。
淑嬪崔氏(トンイ)のお墓にも行ってみたんです。お墓に行った時は雪が積もっていたんですが、ふっくらかわいらしく積もっていました。そこでお祈りをしたのですが、その気持ちをずっと大切に胸に秘めて演じていました。淑嬪崔氏からパワーを頂けたと思っています。

© 2010 MBC

― イ・ビョンフン監督に教えて頂いたことで、印象に残っていることはありますか。

監督がこのドラマを通して伝えたかったことをお話して下さったことがありました。
このドラマのテーマを一言で言い表すようなことだと思うんですが、「尊い心を持っていたら、尊い人になれる」と仰っていました。それがとても印象に残っています。

― トンイはまさしく、尊い心を持っていて、明るく前向きで、正義感にあふれている聡明な女性ですが、その“人間トンイ”を演じることによって刺激を受けたことはありますか。

トンイからたくさんの影響を受けていたと思います。
私の役が辛いことや逆境を乗り越える女性トンイだったからこそ、私もこの大きなドラマを乗り越えることが出来たと思います。

― まさしくトンイが憑依した感じですね。

憑依はときどきたまに。(笑)

― トンイのまっすぐな姿は、スカッと気持ちが良かったのですが、演じていて、気持ちがいいところはありましたか。

やはりいい役をやらせていただくと、いいパワーもいただけますし、いい影響もたくさん受けます。トンイという作品は特にそんな面がたくさんあったと思います。
今考えても、すごく賢明で純粋であり、本当に素敵な女性ですよね。なので、トンイという役に助けられたと思います。

― 有名な王様の背中に乗るシーンや酒場のシーンもそうですが、トンイは真面目なストーリートラインとは別に、コミカルな要素がたくさんありましたよね。ヒョジュさんが印象に残っているシーンが他にあれば教えてください。

民が自由に行き来できるように壁を壊すシーンは、今でも記憶に残っています。演じていながら、気持ちがすっきりしたような、さっぱりしたような。いつまでも記憶に残っている好きなシーンです。

― クムを愛する聡明な母も見事に演じられていましたが、ご自身が母になる憧れはありますか。

韓国で(数え年)、30歳になりました。そろそろ考えなきゃ。(笑いながら日本語で)
母になるというのは、すごいことだと思います。この世界のすべてのお母さんが本当に尊敬に値する方たちだと思います。お母さんは、子供のために自分を犠牲にしたり、献身的な愛を注いだりしますよね。その無償の愛は、本当に純粋で素晴らしいと感じます。
私もいつか母になりたい思いがある一方、果たして自分にそれができるかどうか怖いという気持ちもあって、悩んでしまいます。

はずかしくなるほどのラブストーリーに出演したい!

― トンイの後のお仕事は、映画に軸を向けられたように思われますが、映画とドラマとどんなところが違いますか。

映画は最初から最後までストーリーができている状態で撮影に入るんですけれど、ドラマの場合には、終わりに向かって撮影が始まったら走り続けるという感じですね。最終地点がどういう風になるかはわからないまま走り続けるところが違うところかなと思います。
映画のほうは余裕をもって、十分にいろんなことを話し合って相談しながら完成度を高めるという感じです。ドラマの場合は、本当に撮影中はずっとあわただしく撮影が続くのですが、ドラマにしかない愉快なところだったり、胸がときめくようなところがあったりして、こちらも大好きです。
なので、別にドラマをやりませんと言っているわけではなかったんですが、6年くらい映画のほうに出ていました。もちろん今でもドラマには、ぜひ出たいと思っています。

― 具体的にどんな役だったら、やってみたいですか。

今のうちに見た人がちょっとはずかしくなるくらいの歯が浮くような台詞のあるラブストーリーの作品にも出てみたいと思います。(笑)
とっても明るくて、初々しいロマンチックコメディとかもいいですね。ドラマの方は明るい役をやってみたいです。

― ヒョジュさんは、ラブストーリーがお好きなんですね。

ラブストーリーは好きです。映画やドラマを見るのも好きですし、本を読むのも好きですし、演じるのも好きです。
気がつくと無意識にメロドラマやラブストーリーを見ています。ラブストーリーの映画の撮影をするときは、とっても気分が良くなりますし、本当に恋愛をしている気分になって、心が満たされていくような感じがします。

映画「ビューティー・インサイド」のイケメン祭り

― ビューティーインサイドは、毎日顔が変わる人に恋するという現実にはあり得ない想定で難しい役どころでしたね。

まずシナリオをいただいたときに、とにかく新鮮だなと思いました。一度もこういった設定の作品を見たことがなかったので唯一無二かなと。
一方では、かなりのイケメンにたくさん会えるんじゃないかと期待しました。本当に大勢のイケメンの皆さんが、私のことを愛してくれるんだと、そういう人たちから、愛される映画になるんだと思って、「すぐにやります。出演します。」と返事をしました。(笑)

― 実際にたくさんのイケメンに会っていかがでしたか。

幸せでした。(笑いながら日本語で)でも今仰って頂いた点が、やっぱり一番の悩みでした。つまり毎日毎日新しい俳優さんたちを恋人にして演技をしますよね。とても混乱しました。
今回のビューティーインサイドでは、ずいぶん長い間憑依していたと思います。撮影している間は、イスの気持ちで過ごしていたので、もうイスにどっぷりはまって、役になりきっているときには、会う人会う人、みんなウジンに見えたんですよ。
だから、同性ですらウジンでないかと思ってしまったり、おじさんでさえウジンではないかと思ってしまったり、会う人全員を愛せるような、そんな気持ちになっていたので、撮影している間は、私の心の中に愛がいっぱいあったと思います。もう少し撮影が長かったら、大変なことになっていたかも知れません。(笑)

― イケメンに会えて幸せだったというヒョジュさんご自身は、映画のテーマとは反対に外見重視のタイプですか。

決してこれは、宣伝のために言っているわけではなくて、本当に外見は重要ではないかもしれないと、本気で思いました。
役になりきっているときに、いろんな俳優さんが次々と来ますよね。大勢の俳優さんを見ていて、やっぱり外見だけではなくて、その人だけが持っている、その人だけの魅力とかかわいさというものがあって、そういうものをキャッチすることになるんですね。
そうすると、みんな愛らしく見えてくるので、外見はそこまで重要ではないと思いました。でも、イケメンに越したことはないと思います。(笑)

― トンイとビューティーインサイドの中の男性って違うイメージだと思うんです。トンイに登場する男性は自分を笑わせてくれる、守ってくれる人、ビューティーインサイドに登場する男性は自分と一緒に共感できる人、どちらがヒョジュさんの理想のタイプですか。

両方ともいいと思うんですけれど、あえて選ぶとしたら、共感できる男性ですね。共感できる男性と出会って、私が思いっきり笑わせてあげたいです。

― 共演者との印象深いエピソードがあれば聞かせて下さい。

記憶に残っているのはキスシーンです。あれだけ大勢の俳優さんと一日にキスをしたので一生記憶に残ると思います。
(笑いが起きて)列を作って、並んで・・・。(日本語で)初めてあった人もいました。初めまして、よろしくお願いします。キスしましょうかって。そんな雰囲気でした。特別な経験でした。

理想の女性像は?

― トンイをはじめさまざまな女性を演じるということで、色々な女性の人生を生きていると思うのですが、理想の女性像があれば教えてください。

私は、女性とか男性とか区別をせずに、人として考えてみることが多いです。自分をとても大事にして、そして自分に自信を持って、常に自分を成長させていける人が素敵な人だと思います。
自分の世界、価値観をちゃんと持っているというのが大事だと思うんですね。でも自分だけの世界を持つということは、とっても難しいことだと思います。
どうしても人の目を気にしてしまったり、他人が自分の世界に入ってきてしまったりすると、気持ちが揺れてしまうこともありますよね。
だから気持ちがぶれないような、そんな強靭さも必要だと思います。その強靭さも、やはり自分がしっかりと世界をもっていればできてくると思います。

断捨離に夢中!?

― 最後に一つだけ、今プライベートで夢中になっていることを教えてください。

家で荷物の整理。片づけたくて、整理整頓したくて。生きていく中で、一度まとめて整理してみたいと思える時期みたいですね。

― 断捨離ですか?日本では少し前から流行ってます。

ああ、流行ってるんですか。断捨離って言うんですね。それかも知れません。私すごく流行を追っているんですね。(笑)知らなかったです。

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