歴人マガジン

『旅好き女子の城萌えバイブル』&『城めぐり手帖』|萩原さちこの城メグ図書館(第5回)

『旅好き女子の城萌えバイブル』&『城めぐり手帖』|萩原さちこの城メグ図書館(第5回)

僭越ながら、発刊されたばかりの拙著を2冊紹介。1冊めは「旅好き女子の城萌えバイブル」。城をイケメン(城メン)に例え、マンガの力をお借りしてみた。たとえば山中城であれば、キャラは日本一のワッフルがウリのカフェ山中城のイケメン店員。もちろん、本社は小田原でオーナーは北条さんだ。

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山中城といえば、ベルギーワッフルのような障子堀が見もの。小田原城を本城とした戦国大名・北条氏のお家芸とされる防御装置だ。北条氏の家紋入りのエプロンと障子堀をモチーフにした帽子とタイでキメた山中城くんはかわいい系のイケメンなのだが、なかなかにしたたか。緻密な設計と戦略が特長の北条氏の裏の顔を秘めさせてある。ちなみに、松山城のロープウェイ乗り場で勝手にワッフルの屋台を開くマンガの1コマがとても気に入っている(松山限定みかんソース添えの障子堀ワッフルは800円とさすがのお値段)。

 

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5つの国宝建造物で構成される松本城は、個性豊かな5人兄弟に。信濃戦隊マツモトジョーとして、松本城の構造と魅力を代弁してもらった。城内が迷路のような松山城は、忍者に扮した巨大迷路アトラクションのお兄さんキャラで。豊臣と徳川の2つの城が共存する大坂城は、黒と白の衣装でキメた双子。“石垣の博物館”とも呼ばれるセンスあふれる石垣が並ぶ金沢城は、裏地に加賀友禅があしらわれたマントを羽織った、世界を股にかけるアーティストをイメージした。

 
ちなみに、悩まずにすんなりイメージができたキャラは、犬山城くん。リバービューが自慢で見映え重視。豊洲あたりの夜景がきれいなマンションに住む、ちょっと自分が好きな広告代理店勤務のメンズがモデルだ。いつも寄り添う愛犬・キソリーヌは、もちろん犬山城に沿って流れる木曽川から命名されている。

 
マンガで楽しく、城の特長や魅力に出会ってほしい。もちろん読み応えにもこだわり、見どころも絞って掲載した。現地情報もあり使える本になっているはずなので、活用していただきたい。

 

もう1冊は「城めぐり手帖 自分だけのトラベルノート 現存12天守編」。準備ページ、登城ページ、フリーページの3部構成で、基本情報や周辺のグルメスポット、城の見どころの予習もできて、タイムスケジュールもバッチリ。QRコードがついているので、現地でのアクセスや情報収集もこれ1冊でOKだ。感想やメモを書き込めて、スタンプやチケットを貼るフリースペースも充実させた。あと少し、の使いやすさが叶ったと思う。
 
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こだわりは、おまけの城シール。「なぜ、世の中には城のシールがないのだろう?あったらきっと売れるのに」とずっと思っていた。ハイ、無料で差し上げてしまおう。はじめは「☆3つ!」的に「城3つ!」な評価用のシールにするつもりだったのだが、変更。その後はお天気用のシール案も出たが、本書以外でも自由に使えるようなデザインにし、とにかく数をできるだけ増やした。
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ちなみに本書、ありがたいことに発売前から好評で、すでに増刷がかかっている。「現存天守編」ということはつまり…?今後にも乞うご期待。

城めぐりのおともに、ぜひどうぞ。

今回ご紹介した書籍はこちら

『旅好き女子の城萌えバイブル』(主婦の友社)
萩原さちこ 「旅好き女子の城萌えバイブル」(主婦の友社)

 

『城めぐり手帖「現存天守編」~自分だけのトラベルノート』
萩原さちこ 「城めぐり手帖 自分だけのトラベルノート 現存12天守編」(技術評論社)

(文・写真/萩原さちこ)

【城メグ図書館】
第1回:あんな城やこんな城も登場!『真田太平記』
第2回:名城を逸話で語る!『日本名城伝』
第3回:信長の安土城はこうして生まれた!『火天の城』
第4回:スタート地点は安中城!『幕末まらそん侍』

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