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【インタビュー】「王家の愛-侍女と王子たち-」イエン・イークァン(ドルゴン役)

清朝初期を舞台に、侍女と王子の間に芽生えた一途な愛の行方をロマンティックに描いた宮廷歴史ドラマ「王家の愛-侍女と王子たち-」。今回は、ヒロインのスマラを愛する清朝初代皇帝の子・ドルゴンを演じたイエン・イークァンのインタビューをお届けします。

イエン・イークァン

 

◆「王家の愛」のドルゴン役に出演が決まったときのお気持ちをお聞かせください。

ドルゴン役を引き受けた時はとても興奮しました。歴史上、彼は兄であるホンタイジを支え、清朝という一時代を築いたとても偉大な人物であり、国家の基礎を築く重要性を知り尽くしていました。ドルゴンが生きたのは数々の波乱が起きた激動の時代でした。大きな歴史の流れの1つと言えるでしょう。もちろん、中国の歴史はとても複雑で、ひと言で説明できるものではありません。ですが私たちが「王家の愛」というドラマを通して当時の状況を理解することは、とても興味深いことだと感じます。これほどの偉大な人物を演じられることは、俳優として貴重な体験でした。
私はこれまでにも多くの歴史ドラマで演じてきました。日本でも放送された「水滸伝」の燕青や「隋唐演義」の秦瓊役などですね。でも頭を剃って辮髪を付けたのは、実は今回が初めてです。後ろに三つ編みを垂らす清の時代の髪型である辮髪のかつらをかぶったのです。これはとても貴重な体験でした。

◆今回、ドルゴンを演じるにあたって、役作りで意識したことがあれば教えてください。

ドルゴンという役をうまく演じるためにセリフの話し方などを含む、多くの準備をしました。数多くの出来事が起きたこの時代の歴史も学びました。他には、多くのシーンで必須となる武術や馬術をロケ先で積極的に練習したり、ランニングなど体力作りもしました。
スケジュールがタイトだったので撮影は大変でした。アクションなどは自分で練習して完成させねばなりません。ケガしないよう、できるだけ注意を払いながら役柄を完成させていきました。

◆演じられた中でお気に入りのシーンやセリフはありますか?

撮影当時からだいぶ時間が経っていますが、セリフが多かったことと、景色が美しかったことはよく覚えています。例えば「スマラ!スマラ!」と繰り返し叫ぶセリフがたくさんありましたね。他には、ホンタイジ役のフー・ダーロンさんと撮影前にセリフ合わせなどもしました。
一番印象深かったのは風景です。ロケ地である内モンゴルの景色はとても美しく草原は独特で四季の移り変わりがはっきりしていました。短い期間で夏、秋、冬と変化するんです。1ヵ月ぐらいの間に3つの季節を感じ、1日の中での気温差も大きいためか景色がとても美しいのです。渓流や砂漠、そして秋には木の葉が黄色に染まり、白樺の美しい白い幹は日の光に照らされ、とても鮮やかでした。
皆さんにはこのドラマを通して、恐らく日本では見ることのできない景色を楽しんでいただきたいです。

◆撮影中に楽しかったこと、反対に苦労されたことをお聞かせください。

ドルゴンとスマラが神馬(しんめ)を追うシーンで2人は湖にたどり着き、そこで休息をします。その湖は、とても美しかったのですが、そこへ行くための舗装された道がないので、みんなで湖まで歩くしかなく、かなり大変でした。でもあのような美しいシーンを撮れたので、苦労が報われました。
撮影の合間には自分のカメラですばらしい風景をたくさん撮影しました。とてもいい思い出です。
撮影の苦労はどんな現場にもあります。極寒での撮影や、ものすごい気温差など、厳しい環境での長時間の撮影を私たちはやり遂げねばなりません。しかしそれでも1つのドラマを完成させることはこのうえない喜びなので、みんな積極的に取り組めるのです。友情を育むことも、それと似ているかもしれません。1日の仕事が終わると、多くの友人が私の部屋へ来て、お茶を飲みながら話し合いました。「今日の演技の問題点は何か」「今後、どのように調整すべきか」「よい仕事をしたのは誰で、問題がある場合はどうやって改めていくか」などを話し合い、互いに意見を出し合いました。それはとても楽しい時間で、時には俳優仲間や制作チームの仲間で内モンゴルのレストランへ繰り出し、現地特産のミルクティーを飲んだり、羊肉や牛肉などを使ったおいしい料理を味わったりなど非常に充実した時間を過ごせました。

◆チャンネル銀河でも過去に放送した「隋唐演義」でも共演しているホンタイジ役のフー・ダーロンさんとの再共演はいかがでしたか。

以前に共演した「隋唐演義」で彼は中国の歴史的な暴君・楊広の役で、私は秦瓊を演じました。秦瓊はのちに唐王朝の秦国公となる李世民を補佐して楊広を打倒します。今回、「王家の愛」では全く違った関係で、彼は私の兄を演じました。この兄弟は愛憎入り混じる関係で誤解も生まれます。どのように演じれば、よい芝居ができるかフー・ダーロン兄貴と協力し合いましたよ。2回目ですし、彼との共演はとても楽しめました。フー・ダーロンさんがいかめしい表情で座っている時、私は彼を笑わせようと、いろいろな手を使ってふざけたり、からかったりしました。すると彼は耐えきれず、表情を崩し「クァンはなんていたずらっ子なんだ!」と言ってました。
フー・ダーロンさんとは、よい影響を与え合う関係ですし、お互いの撮影を邪魔することもありません。人と人との関係はドラマの中だけに現れるものではありません。撮影の合間や休憩時間も常にコミュニケーションを取って、良好な関係を保つことも楽しい時間でした。

◆夫婦共演でも注目を集めたと思いますが、演じてみて難しかった点やエピソードがありましたら、お聞かせください。

夫婦共演は今回が初めてではなく、何度か経験があります。今回は2人とも、すでにだいぶ成長し、お互いを思いやることができました。撮影期間中、私のシーンはなくても、主役のスマラは出番が多いので妻の撮影は続きます。だからいつも妻のことを気にかけていました。車を運転して草原や砂漠を抜け、撮影現場まで会いに行き差し入れをしました。辛い時や厳寒の時期は抱き締めてあげたり、おいしい物を届けて励ましたりしましたよ。精神的に支えて励まし、味方となることが、あのような厳しい環境ではとても大切であり、同時に私も力づけられました。妻が心から私を必要としてくれたからです。
とにかく、家族ですから、2人とも仕事をしている時はそれぞれが仕事に専念し、相手だけが仕事をしている時は手助けをする。例えば、ルオシーは私の好きな料理を作ってくれるし、私も彼女の好きなミルクティーをいれてあげるなど、お互いさまです。夫婦で協力できる機会はそう多くないと思いますが、妻も私も実現できている。それはかなり幸せなことでしょう。

◆最近のマイブームを教えてください。

この年齢になると、一番ハマっているのは家族と過ごす時間ですね。私が一番ハマっているのは、うちの子のロウロウです。あまり出かけたいとは思いません。普段は撮影で忙しく、家にいないことが多いので、この機会に子どもと多く触れ合い、家族で一緒に過ごしたいと考えています。家の中で共に過ごし、料理をしたり、おしゃべりしたり、一緒にゲームをすることがとても楽しいのです。

◆次は、どんな役柄をやってみたいですか。

毎回違った役を演じることは、違った刺激を受けワクワクします。だからこだわりはないですね。これまで、さまざまな時代劇で侠客を演じたり、現代劇では軍人や警察官、弁護士や医師の役も演じました。悪役、反逆者、マフィアのボスなどの役もあります。役柄に固執することはありません。大事なのは新鮮な感覚、そして挑戦する価値のある作品かということです。似たような役柄よりは視聴者の皆さんに全く違う一面を見せたいと願っています。私が演じていると気づかれないほどであれば、役者として嬉しいことです。

◆最後に、日本のファンの方々に「王家の愛」の魅力とメッセージをお願いします。

「王家の愛」は、史実とは全く違った角度から、スマラという勇敢で恐れ知らずの女性の奮闘を描いています。皆様も、現実に阻まれ、夢を諦めざるを得ないことがあるかもしれません。スマラの姿から何かを感じ取り、更に輝く人生を送るヒントを得られるはずです。衣装や小道具の美しさもこのドラマの見どころです。モンゴル族、満州族、その他少数民族、そして西域の民族や漢民族も含む、とにかくたくさんの魅力的な衣装を楽しめる見ごたえたっぷりの作品に仕上がっています。日本の皆様にも楽しんでいただければ幸いです。

 

★ドゥ・ルオシー(スマラ役)のインタビューはこちら


「王家の愛-侍女と王子たち-」
放送日時:2020年5月25日(月)放送スタート 月-金 夜11:00~
リピート:2020年5月26日(火)放送スタート 月-金 午前9:30~
番組ページ:https://www.ch-ginga.jp/feature/oukenoai/
出演:ドゥ・ルオシー(スマラ)、イエン・イークァン(ドルゴン)、フー・ダーロン(ホンタイジ)、リウ・チエンハン(ブムブタイ) ほか
制作:2018年/全40話/原題:苏茉儿传奇~The Legend of Jasmine

画像:「王家の愛-侍女と王子たち-」©2018 BEIJING IQIYI SCIENCE & TECHNOLOGY CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED


 

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