古来、戦場で将たちの命を守ってきた「日本刀」。
江戸時代を境に戦がなくなり、日本刀がその抜身をさらすことない時代が幕末まで続いたあいだに刀は「侍の魂」などと呼ばれるようになり、武器としての役割よりも、ステイタスを表したりする宝としての役割がその重きを占めてくるようになりました。
そこで重要視されたのが、「拵(こしらえ)」といわれる刀の装飾なわけですが、今日はその中でも存在感のある「鍔(つば)」にフォーカスしてみました。
なんとも美しい!しかも相手にか見えないその「粋」
鍔を機能から考えれば、ご覧になって分かる通り、柄(刀身の握る部分)と刀身のあいだに、手を守るための道具として付けられています。
もとは南北朝から室町時代にかけて、刀を体に差すスタイルが定着した際に鍔も広まり、大阪の陣以降に足軽なども含めて鍔は刀の標準装備となっていたとか。
日本刀の構造は、鐔の中央に穴(中心穴)を開け、切羽(せっぱ)と呼ばれる二枚一組の薄い金属の板で挟みこんで刀身の「茎(なかご)」に差込、目釘を茎に開けた「茎穴(なかごあな」を通して柄に固定し、刀身と柄を接合するというかたちで作られています。
この鍔もその形状、材質、形式などによりさまざまな種類が時代によって変わり、江戸時代中期以降は各種色金、彫金技法を駆使しての彫金鐔、小道具が数多く造られ、名工も輩出したのだそうです。
しかしこの鍔、自分からは見えず、相手に見せるものなのですよね。
そこに匠たちが自分の腕の見せどころとして気合いを入れたので、そら素晴らしいものになるわけです。
やはり刀を抜かなくなってからは、鍔をはじめその装飾が、本格的な工芸品として扱われるように変わってきたのですね。
そのデザインのすばらしさを引き継ぐ数々の「鍔グッズ」が登場
その工芸品としての鍔の美しさは後世にも当然認められ、現代ではその鍔をモチーフにしたグッズも登場。
写真はフィギュアメーカー最大手コトブキヤさんが、自社ブランド「侍箸」に続き『武士の食卓』シリーズを展開。その第一弾として、武士の魂とも言える 日本刀の“鍔”をモチーフにしたラバー製のコースターを 2016年8月に発売するそうです。
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鍔コースターの種類は全 4 種で、織田信長は熱田神宮での戦勝祈願にちなんだ「永楽銭据紋銀象眼」を、豊臣秀吉は、天皇より賜ったとされる豊臣家 家紋桐紋が入った「桐紋透大鐔」を、初代征夷大将軍にして三英傑の一人、徳川家康は愛刀「雪輪 四方剣透鉄鐔」を、 ドラマで話題の真田幸村は、自身の旗印や家紋にも使った「六文銭」をモチーフにした鍔コースター。
名だたる名将たちを守り、そして飾った匠たちの作品の魅力を余すところなく伝えたコースター、いかがでしょうか?
また、その他にもガチャでも鍔が登場。
といくつかあげてみましたが、そのデザイン性の高さを見ると、昨今の日本刀ブームに併せ、日本刀を美しく装飾する鍔はもっといろんな商品になってもおかしくないと思います。
個人的にはペンダントヘッドでこのデザイン採用してほしい(笑)みなさんはいかが?
参照元:
「刀剣博物館」オフィシャルサイト
「コトブキヤ」オフィシャルサイト
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編集長Y
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