今女性に大人気のゲーム「刀剣乱舞」。刀に宿る魂を具現化したキャラクター「刀剣男士」と共に、歴史改変を阻止するべく戦う刀剣育成シミュレーションゲームです。2015年1月のサービス開始以来爆発的人気を誇り、舞台やアニメ化などのメディアミックスで盛り上がるなか、ついに中国への進出も決まったそう。
そんな「刀剣乱舞」に登場するキャラクターの元ネタとなっている刀は、どれも歴史上・伝承上で著名なものばかり。
実際の刀について知れば知るほど「刀剣男士」達の台詞の一つ一つに深みが増していきます。
そこで今回は「刀剣乱舞」の人気キャラのうち、化け物退治にまつわる伝承を持つ刀5振りを紹介します。
鬼の腕を斬った源氏の宝刀「髭切」
平安時代中期の武将・源満仲が作らせ、代々受け継がれてきたとされる重宝が髭切です。現在は北野天満宮、多田神社などに所蔵されているといわれています。
満仲の子・源頼光の時代、四天王の筆頭である渡辺綱が所用で髭切を借り受けた際、鬼に襲われたところを髭切で腕を斬り落としたという伝説があります。この話から鬼切、鬼丸と呼ばれることもあります。
土蜘蛛を斬って熱病を鎮めた「膝丸」
髭切と共に作られ、源氏の惣領に受け継がれたもう1振りの刀が膝丸です。ですが一度髭切とは別に義経の手に渡り、後に頼朝のところで髭切と“再会”しています。現在は大覚寺や箱根神社に所蔵されているといわれています。
膝丸の化け物退治伝説も、源頼光の時代です。頼光が熱病でうなされている時、枕元に現れた土蜘蛛を膝丸で斬ると熱病が治まりました。この出来事から膝丸も改名され、蜘蛛切と呼ばれました。
女の幽霊を斬った「にっかり青江」
鎌倉時代の作とされる刀で、元は太刀でしたが現在は脇差として伝わっています。2016年現在で判明している最も古い持ち主は、戦国時代の武将・柴田勝家。子の柴田勝敏から丹羽長秀、豊臣秀吉へと渡り、秀吉の子・豊臣秀頼から京極高次へと下賜された後は京極家の宝として大事に所受け継がれました。現在は京極家の所領だった丸亀市の市立資料館の所蔵です。
にっかり青江で化物を斬ったのは、柴田勝家の前の持ち主。にっかりと笑う女幽霊を斬り、翌朝戻って確認してみると石灯籠が真っ二つになって倒れていた・・・と伝わっています。
斬ったのはどっち?「山姥切国広」
戦国時代に足利長尾家の当主・長尾顕長が後北条氏から贈られた名刀・長義。これを模して作られたのが山姥切国広と考えられています。江戸時代には井伊家が所蔵し、現在は個人所有となっています。
斬った化物は名前の通り、山姥。
「刀剣乱舞」では長義の刀こそが「山姥切」とされていますが、「山姥切」の名と伝説は「山姥切国広」固有のものという説もあります。
鵺退治の恩賞「獅子王」
「獅子王」は平安時代末期の作と見られている太刀。
近衛天皇から源頼政に下賜され、その後の経緯は不詳ですが、江戸時代に徳川家康から土岐家に下賜され、明治時代になって明治天皇に献上され皇室へと戻りました。現在は東京国立博物館に所蔵されています。
「獅子王」自身が化物を斬ったという伝説はありません。ただ、都を騒がせる化物・鵺を退治した恩賞として源頼政に下賜されたと語られています。
すでに老齢だった頼政が扱いやすいよう配慮され、とても軽い太刀なのだそうです。
以上、駆け足で5振りの刀の謂れをご紹介してみました。
刀あるところ人あり。そして時代や場所を超えて受け継がれていくものなので、意外な繋がりを見つけることもできます。
刀を調べてゲーム「刀剣乱舞」を楽しみながら日本史の知識を深める・・・なんてアプローチも面白そうですね。
参照元:
「刀剣乱舞-ONLINE-」「刀剣乱舞-ONLINE- Pocket」公式ページ
http://www.dmm.com/netgame/feature/tohken.html
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