【性交禁忌の日】5月16日にセックスすると3年以内に死ぬという言い伝えは本当?

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【性交禁忌の日】5月16日にセックスすると3年以内に死ぬという言い伝えは本当?

他国と比較しても、宗教などによる絶対的禁忌(タブー)が少ない日本。
しかし、習慣や言い伝え、地方ルールなどの細かいタブーが多いのも特徴です。そんな日本で「セックスをしてはいけない日」というものががあるのはご存知でしょうか?

5月16日は「セックスをしてはいけない日」?

「セックスをしてはいけない日」は明確に指定されています。それは、5月16日。
現存する日本最古の医学書「医心方(いしんぼう)」を元として江戸時代に描かれた「艶話枕筥(つやばなしまくらばこ)」に記されているのです。

他にも、松山藩士である日下部維岳(くさかべいがく)のエッセイ集「古今記聞」にも同様の記述が。
双方とも、5月16日にセックスをしてしまった場合は「3年以内に死ぬ」というのだから恐ろしい話ですね。

「医心方」とは、どんな本?

元になっている「医心方」は、医家の丹波康頼によって平安時代に朝廷に献上された医学書であり、全30巻で構成されています。

医心方には巻五に「耳鼻咽頭眼鼻篇」、巻六に「五臓六腑篇」、巻十八に「外傷篇」と様々な医療の項目があり、その後何百年も日本の医学界に大きな影響を与えてきた重要な医学書。現在では国宝として認定されています。

医心方第22巻。医心方の中でも唯一図を持つ巻ということ。
医心方第22巻。医心方の中でも唯一図を持つ巻とのこと。

ただ、巻四に「美容篇」、巻二十四に「占相篇」、巻二十六に「仙道篇」と、現代の感覚では医療ジャンルに入らないものまで大幅にカバーされているのです。

そして、その中の巻二十八には「房内篇」というジャンルがあるのですが、書かれている内容は男女の営みについて
「女性をどうしたら気持ちよくさせることができるか」、「営みの中で得られる長寿の秘訣」など、事細かに房中術が紹介されている、まさにセックスマニュアルなのです。

そんな巻二十八「房内篇」を元に描かれた「艶話枕筥」とは、現代で言うところのいわゆるエロ本。
男女の営みを赤裸々に描いた春画なども多く残されていますし、日本では昔から性に対し寛容に考えられていたのかも知れません。

余談ですが、平安時代に「医心方」を朝廷へ献上したこの丹波康頼は、国際的に活躍する俳優であった丹波哲郎氏の先祖であったとされています。
日本医学の基礎を作った方の1000年後の子孫は霊界を描く・・・凄い家系ですね(笑)

5月16日にセックスしてはいけない根拠はあるの?

では、どうして5月16日にセックスをしてはいけないのでしょうか。
根拠は諸説ありますが、前述の「古今記聞」や医心方の巻二十八「房内篇」ともに、根拠は古代中国の陰陽思想からきています。

これは、万象万物は「陰」と「陽」が相和することで創造されているという思想であり、陽である男性と陰である女性が交わることで子が生み出されるという考え。
つまり5月16日はこの気の流れが悪い日なので、男女の営みをする日としてもふさわしくなく、もししてしまった場合は運が悪いと死んでしまうかも、という考えのよう。

しかし、陰陽思想でいう往亡日、つまり「物事を行うべきでは無い日」から解釈された「男女の営みを行うには不吉とされる日」は、5月16日以外にも複数存在します。

そのため、ある種の江戸時代版都市伝説のようなものと捉えられ、一般常識として広まっているワケでは無いようです。

ちなみに「じゃあ5月16日はセックスしないほうがいい?」と思ったあなた。

実はこれは旧暦でいう5月16日。
現在の新暦に変換すると、性交禁忌の日は毎年変わってきます。
もし気になるようでしたら、その日を調べたうえで1日だけ我慢してみるのはいかがでしょうか?

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