今や一大「城」ブームですね。
城というと、姫路城や熊本城など、地方にどーんと構えているイメージを持たれがち。しかし、戦国時代には北条氏や扇谷上杉氏などの群雄達が関東で覇を争っていた事から、東京都内にも数々の「城跡」が残っているのです。
今回はそんな意外と知られていない「都内に残る城跡」を5つご紹介します。あなたも知らない間に行っているかも?
戦国時代最強の誉れ高い武田軍を撃退した「滝山城」
東京八王子市にある滝山城は武蔵国の守護代だった大石氏が築城します。地形を活かした天然の要害で、その規模が関東随一だったそう。
1569年、甲斐の虎として名を馳せた武田信玄が小田原征伐を行う際、武田軍は滝山城を包囲。滝山城は武田軍2万に対して、たった2千の軍勢で籠城し激しい攻防戦を繰り広げます。滝山城は三の丸が陥落するも、武田軍2万を見事退けた城です。
現在は国の史跡に指定されており、滝山公園として春には桜の名所となっています。
安土城を参考にした山城「八王子城」
同じく八王子にある有名な城といえば「八王子城」でしょう。
北条氏照が、本城である小田原城の支城として築城した山城です。
前述の滝山城を武田軍に攻められて防衛の限界を感じ、信長が築城した安土城を模範に石垣で固めたと言われています。
しかし、豊臣秀吉の小田原征伐戦では前田利家や上杉景勝率いる軍勢に猛攻をかけられ敗北し、関東に領地替えになった徳川家康によって八王子城は廃城とされてしまいました。
現在は国指定の史跡となり、日本100名城に選ばれております。
悲しい逸話を持つ城「石神井城」
石神井城は東京都練馬区石神井公園にある城跡。室町時代に栄華を誇った豊島氏によって築城されます。
しかし扇谷上杉家の家臣である太田氏と対立し、長尾春景の乱の時に太田道灌の攻撃を受けて落城しました。
当時の城主であった豊島泰経は自害し、泰経の死を知った姫は城にある三宝池に身を投じたとされていますが、実はこのエピソードの真偽は不明です。ですが、池のそばにはこの照姫の姫塚と豊島泰経を弔ったという殿塚があり、毎年春には「照姫まつり」という盛大なお祭が開催されています。現在でも、城の中心部分にあたる内郭の土塁と空堀は残っており、石神井公園は区民の憩いの場として愛されているのです。
皆が知ってる天下人・徳川家康の居城「江戸城」
東京都千代田区にある「江戸城」。徳川家康が居城したことで知られています。
当時は江城(こうじょう)または千代田城と呼ばれていたそうです。
江戸城は、建築した太田道灌の死後、色々な群雄の手に渡り、豊臣秀吉の小田原征伐前までは北条氏が領有していました。
北条氏が没落すると、この地に移封を命じられた徳川家康の本拠地となったのです。
家康が入城した時は小さい城でしたが、江戸幕府を開いてからは幕府の政庁となり、諸国の大名によって幾度も増築されます。
その後、明治維新後の東京奠都によって宮城となりました。
一部の門は東京大震災や空襲により焼失したこともありますが、現在は復元され、国の特別史跡として多くの観光客でにぎわっています。
以上、東京都内に残る城跡を厳選してご紹介しました。東京にも、意外とあるものなんですね。
歴史を知ったうえで見てみると、より楽しめる城めぐり。ぜひ一度足を運んで、歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
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