世の中には「世界三大」という言葉がいくつもあります。とりわけ日本人はそういうのは好きな傾向にあるといえるでしょう。
とりわけ有名なのは「世界三大美女」といえます。
どこで覚えたのかも分からないけど、おそらく多くの日本人が「クレオパトラ」「楊貴妃」「小野小町」と答えるはずです。
しかし、最後の小野小町が入るのは日本だけという説が多数を占めています。いったいどういうことでしょうか。
世界三大美女、日本以外はギリシャ神話の人物が入る?
クレオパトラは鼻の高さで歴史が変わったといわれるほど、男性を魅了し、後にローマを二分する要因を作ったとされます。
楊貴妃は最盛期を誇った中国・唐の時代で治世を収めた玄宗皇帝に寵愛され、玄宗皇帝は政治に興味がなくなるほどだったといい、後の安史の乱を引き起こす要因となりました。
このように世界三大美女には世界的にみても大国の歴史を覆すような要因をつくった女性が選ばれており、日本以外ではギリシャ神話のトロイア戦争の要因を作った「ヘレネ」が入るといわれています。
しかし、ヘレネが神話上の人物である以上、小野小町の入る隙間はありそうですね。
近代短歌がブームになりつつある明治時代に考えられた?!
そもそも、世界的知名度では小野小町は「世界三大」とはいえないでしょう。日本では「世界三大美女」は明治時代に出来た表現ともいわれています。
明治時代には短歌が隆盛していくなかで、「古今和歌集」にも数々の和歌が残されている優れた歌人として、知名度があった小野小町の名を使用することが必要だったのかもしれませんね。
小野小町は本当に美人だったのか?!
小野小町が活躍した平安時代は、貴族の立ち振る舞いや教養が大事にされていたことから、歌を詠むというのは一種のステータスであったと考えられます。
その歌人としてもずば抜けた存在だった小野小町は、実際的に男性から猛アプローチされていてもおかしくはありません。当時の評価としては美人の類に入ることでしょう。
では、実際に美人だったと言えるのでしょうか。
小野小町が残した一番有名な「花の色は・・・」から始まる百人一首の和歌にあるように、自分の美貌に衰えを感じていることがうかがえます。
このことからも、小野小町は格段に教養があり、容姿端麗であっても不思議ではなく、美女として名を残しても問題はなさそうに思えてきますね。
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