2016年に初開催され、3日間で述べ18000人以上のお城ファンが集まった「お城EXPO」が、今年も12月22日(金)〜24日(日)の3日間、パシフィコ横浜で開催されます。城にまつわる貴重な資料の展示や、スペシャリストによる講演会のほか、「エンタメステージ」も充実して、さらにパワーアップ。盛りだくさんの内容の中から、特におすすめの企画を厳選してご紹介します。
貴重な絵図が見られる!
今回のイベントで見逃せないのは、日本唯一の城郭調査絵図である「陸軍省城絵図」の展示。これは、明治5年に国内の城郭を管轄していた陸軍省が、全国各地の城跡の施設や敷地を活用するために作成したものです。多くは海外に渡っていましたが、今回初公開となる絵図を中心に19点が展示されます。
もうひとつは、2016年に三重県で確認された真田信繁(幸村)の書状です。これまで三重県や長野県の博物館などで公開されてきましたが、関東では初。信繁に関連する大阪城や上田城のジオラマなどとともに展示されます。
この書状は、大坂冬の陣が始まる1614年(慶長19)、関ヶ原合戦で徳川方との戦いに敗れた信繁が、父・昌幸とともに流された和歌山県の九度山で配流生活を送っていた時に書かれたものと推定されています。内容は、徳川方の義兄・小山田茂誠から、新年の祝儀に鮭が贈られたことへのお礼状で、配流生活の中で老いていく自分を嘆いた記述も見受けられます。
直筆の書状があまり発見されていない信繁の貴重な展示、ファンならずとも見逃せません!
充実の厳選プログラム!
城のスペシャリストたちの貴重な話が聞ける「厳選プログラム」も「お城EXPO」の魅力のひとつ。
その中でもおすすめなのは、戦国時代の研究家として知られ、日本城郭協会理事長も務める小和田哲男先生が語る「戦国の城の魅力と見どころ」(22日)。攻める側の攻城戦、守る側の籠城戦と、それぞれ具体例をあげながら、築城者の知恵と工夫について解説します。
また、戦国の城研究で知られる、滋賀県立大学人間文化学部教授の中井均先生が語るのは、「中世の続日本100名城について」(22日)。今年発表された、「続日本100名城」の中でも、戦国の城が約半数も選ばれたことを特徴とし、日本列島の多様な戦国の城のあり方を語ります。
さらに注目なのは、テレビなどでも活躍する、東京大学史料編纂所教授の本郷和人先生の「戦国夜話~前田家の城・細川家の城~」(22日)。ふたつの外様の大藩を例に、大名家がどのように城郭を活用していたのか、また戦いが終わった江戸時代、「一国一城令」を出した幕府は城をどうとらえていたのかを明らかにします。
他にも、広島大学大学院教授の三浦正幸先生(23日)や歴史作家の伊東潤先生(24日)、城好きとしておなじみの落語家・春風亭昇太さん(23日)など、錚々たるメンバーが揃う「厳選プログラム」。入城券と別に、厳選プログラム指定券が必要なので、気になる方は早めにチェックしてみてください。
楽しいエンタメステージも!
他にも「日本100名城&続日本100名城写真展」をはじめ、城の貴重な映像を公開する「お城シアター」、お城めぐりに役立つ情報や周辺観光情報を発信する「城めぐり観光情報ゾーン」、人気のご当地キャラが大集合する「イベントステージ」と、盛りだくさん。
特に「エンタメステージ」では、小日向えりさん、美甘子さん、村井美樹さんらが出演する「お城ナイト~お城好き女子大集合!~」(22日)や、長谷川ヨシテルさんらが出演する「城×エンタメLIVE!」(23日)と、歴史&城好きのタレントが大集結してイベントを盛り上げます。
城好きはもちろん、初心者にもたまらない3日間。今年の歴史イベント納めに出かけてみてはいかがでしょうか。
「お城EXPO2017」
開催期間:2017年12月22日(金)〜24日(日)
開城時間:12月22日(金)午後1時〜午後9時
12月23日(土・祝)午前10時〜午後6時
12月24日(日)午前10時〜午後5時
※入城は閉城の30分前まで
開催場所:パシフィコ横浜 会議センター
お問い合わせHP:お城EXPO2017
http://www.shiroexpo.jp/index.html
(編集部)
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