乾隆帝が最も愛したという皇后のサクセス・ストーリーを描き、2018年の中国No.1ヒットを記録したドラマ「瓔珞<エイラク>〜紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃〜」。今回は、本作で“やられたらやり返す”不屈のヒロイン・魏瓔珞(ぎえいらく)を演じたウー・ジンイェンのインタビューをお届けします。
◆「瓔珞<エイラク>~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~」(以下「瓔珞<エイラク>~」)の主人公・魏瓔珞に大抜擢されましたが、出演が決まったときのお気持ちをお聞かせください。
プロデューサーのユー・ジョン先生から「君と瓔珞が似ているから」と言われた一言が、私に大きな自信をつけてくれました。その時点ではまだ脚本を読んでおらず、どんな物語なのかも知らなかったのですが、その自信をもとに役を演じようと思いましたし、丁寧にこの役を作り上げていこうというモチベーションにもなりました。
◆本作が大ヒットしていくのを目の当たりにされて、当時どのように感じられていましたか? また本作での大ブレイクを経て、ご自身にはどのような変化がありましたか?
とにかく嬉しかったですね。良くできたドラマなので、きっと視聴者のみなさんにも好きになってもらえるとは思っていましたが、まさかこれほどの大ヒットになるとは思ってもみませんでした。このことをとてもありがたく思いますし、役者として大きな自信にもなっています。このドラマの大ヒットのおかげでファンもすごく増えました。また、新しいドラマのオファーもどんどん来るようになって、選択の幅が広がりました。
◆誰が相手でも決して負けない強さを持つ瓔珞ですが、彼女のような女性には憧れますか? また、ご自身と似ているところがあればお教えください。
このキャラクターはすごいですね。聡明で、まっすぐで、粘り強く、気性が激しいところもあります。彼女のように粘り強いところは自分にもあると思います。例えば、瓔珞が令妃に封じられるまで刺繍工房の宮女、皇后の侍女として忍ぶ日々を送っていたことは、このドラマに出るまでいろんな作品で下積みを続けてきた自分に通じるものがあります。それから、自分がやろうと思ったことは必ずやり遂げるという点も似ています。
◆実在の人物・孝儀純皇后がモデルとなった瓔珞ですが、演じるにあたり彼女について調べられたことはありますか? もしあれば、それはどのように演技に生かされましたか?
リサーチはしましたし、清代の歴史や宮廷について書かれた本も買いました。実際の令妃と乾隆帝の関係、二人のラブストーリーについて知りたかったからです。でも、これはドラマで、みなさんが観るのはドラマの物語とキャラクターですから、脚本に基づいて役作りをした部分の方が大きかったです。
◆瓔珞の痛快な逆転劇や名セリフが視聴者の心を掴みました。演じられた中でお気に入りのシーンやセリフはございますか?
瓔珞が「私は生来気性が荒く、怒らせると怖いの」というセリフ(※第2話)ですね。このセリフで多くの人が彼女のかっこよさを認識したと思います。特に印象に残っているシーンは、彼女が雪の中で何度も跪く(※三歩一叩)場面(※第36話)です。彼女が非常に粘り強く、自分を譲らない人だということがわかるシーンです。
◆本作には見事な刺繍シーンが数多く登場します。撮影前に練習はされたのですか?
それほど多くを学んだわけではないですが、撮影前に練習はしました。刺繍法は撮影現場に招かれた先生から教わりました。また、衣装スタッフが用意してくださったたくさんの衣装からも、それぞれのキャラクターの地位や当時の習慣を感じ取ることができました。
◆瓔珞以外で、もし演じられるとしたらどのキャラクターに惹かれますか?
そういう機会があってもやはり瓔珞を選ぶと思います。
◆本作は煌びやかな衣装やメイクも大きな話題を呼びましたが、実際に身につけられた感想をお聞かせください。
衣装やメイクのことまで話題になったのはいいことだと思います。このドラマではどれもかなり史実に忠実に再現されているからです。みなさんが衣装やメイクまで注目してくださったということは、このドラマを熱心に観てくださったということですし、ドラマを通して中国の伝統文化を知っていただけると思います。
◆共演者の方との記憶に残っているエピソードがあれば、お聞かせください。
大切な思い出がたくさんあります。共演者のみなさんはどの方も良くしてくださいました。ニエ・ユエン先生は撮影前に役について一緒にディスカッションしてくださいましたし、チン・ラン先輩はセリフも多く重要な役で特にプレッシャーが大きかった私を、さりげなく気遣ってくださいました。こういったことがたくさんあって、みなさんが私のことを気にかけてくださいました。
◆撮影中に楽しかったこと、反対に苦労されたことはなんですか?
このドラマでは大量のセリフと出番があることが役を複雑にしていて、いったん止まって考えなければいけないこともありました。そんな役作りの過程に大きなプレッシャーを感じましたが。それもまた楽しい経験となりました。
◆同じ時代の宮廷を描いた「如懿伝~紫禁城に散る宿命の王妃~」が同時期に配信されましたが、比較されることへのプレッシャーはありましたか?
どちらも乾隆帝の後宮を舞台にした物語で、「瓔珞<エイラク>~」は令妃、「如懿伝~」は継皇后がヒロインですから、インターネット上で話題となって比較されるのも当然のことだったと思います。視聴者のみなさんには自由に観ていただければと思っています。
◆早速、本作と同じチームが集結した最新作「皓鑭傳(原題)」にも主演されていますが、今後どのような作品や役に挑戦してみたいですか?
キャラクターが複雑で情感にあふれた脚本がいいですね。時代劇で女侠客を演じてみたいですし、威風堂々しているのに内面は落差が激しいというような役もやってみたいです。
◆ご自身にとって「瓔珞<エイラク>~」という作品は、どのような存在になりましたか?
私の役者としての今後の道をより確かなものにし、私にさらなる自信を与えてくれた作品となりました。これからも良い作品に出続ける役者でいることが私の目標です。
◆最後に、日本のファンの方々に「瓔珞<エイラク>~」の魅力とメッセージをお願いします。
このドラマはとても面白い作品で、素晴らしいキャラクターもたくさん登場します。応援してくださるファンのみなさん、ありがとうございます。みなさんに「瓔珞<エイラク>~」を楽しんでいただければ幸いです。
「瓔珞<エイラク>~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~」
放送日:2019年12月3日(火)放送スタート 月-金 夜11:00~
リピート放送:2019年12月4日(水)放送スタート 月-金 午前9:30~
番組ページ:https://www.ch-ginga.jp/feature/eiraku/
画像:「瓔珞<エイラク>~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~」©2018 Dongyanghuanyu Film & Television Culture Co., Ltd. All Rights Reserved
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