日本の神道のシンボルである「伊勢神宮」。
神宮とは、伊勢の宇治の五十鈴(いすず)川のほとりに鎮座の皇大神宮(こうたいじんぐう、内宮=ないくう)と、伊勢の山田の原に鎮座の豊受大神宮(とようけだいじんぐう、外宮=げくう)の総称で、古くは伊勢太神宮(いせのおおみかみのみや)とも言われていたそうです。
ご祭神は、天照坐皇大御神(あまてらしますすめおおみかみ)。
通常は天照大御神と呼ばれる皇室のご先祖の神様が祀られていて、日本人のルーツがここにあるとされています。
私もこの伊勢神宮に一昨年の平成25年に行ったのですが、ちょうど20年に一度、神様の住まいを新しく作りなおしてお遷りいただく「式年遷宮」の3ヶ月ほど前で、境内に入った途端になんだか「凛」とした空気が静かに流れていて驚いたことを思い出します。
また参道にあたる「おはらい町」には、有名な「赤福」の本店があり、そこで食べた「赤福氷」は最高でした。
そしてこの遷宮に伴い、伊勢神宮の鳥居が、縁の深い東京 杉並の「阿佐ヶ谷神明宮 」へ寄贈されることになり、その「お木挽行事」といわれるセレモニーが9月6日(日)に執り行われるそうです。
杉並区の神社では鳥居をいただくのも、お木挽の行事も初めてのことだそうです。なんといっても「鳥居」をそのまま移すというのだから、なんともスケールの大きなビッグイベントになりそうです。
阿佐ヶ谷は、中世には阿佐ヶ谷氏と呼ばれる一族が支配していた歴史から、阿佐ヶ谷と呼ばれるようになったそうですが、寛政12年(1800年)に著された『江戸名所図絵』によると、日本武尊が東征の帰途阿佐谷の地で休息し、後に尊の武功を慕った村人が旧社地(お伊勢の森と称される現在の阿佐谷北5丁目一帯)に一社を設けたのがこの阿佐ヶ谷神明宮の始まり。
建久年間(1190~1198年)には土豪横井兵部(一説には横川兵部)が伊勢神宮に参拝したおり、神の霊示を受け、宮川の霊石を持ち帰り神明宮に安置したと伝えられ、この霊石は今も御神体として御本殿の奥深くに祀られているそうです。
平成21年に「平成の大改修」が無事竣工し、神明作りの御殿・神門、新しい祈祷殿・能楽殿などが誕生。まだピカピカですね。
境内地は約3000坪のうっそうとした森をなしており、シイ、カシ、クス、ケヤキ、イチョウ等の巨木も多く、東京都内最大級の伊勢神宮勧請の神社だそうです。
近年では骨董市、植木市、さらに能や伝統芸能の奉納、或いは杉並区主催のジャズストリートの会場なども開催。
中でも豊年満作を祝い神に感謝するものとして例大祭に奉納される「阿佐ヶ谷囃子」は、江戸時代末期からの伝統を誇り、区の無形文化財に指定されています。
なお、例大祭には氏子内14カ所から各神輿が集結し、一斉に氏子巡幸する姿は誠に壮観であり杉並の風物詩のひとつなんだそうです。
しかしこの阿佐ヶ谷神明宮、駅から2分という街なかにあるわけで、ここに鳥居を運び入れるって、かなり大変そう!
セレモニーは9月6日(日)午前8時30分〜午前11時30分ごろまで、ルートは神明宮西鳥居前 → 中杉通り(北進) → 西武信用金庫前(転回、南 進)→ 世尊院交差点 → 神明宮南鳥居前 → 境内と巡る予定です。
また、平成27年9月12,13日の例大祭では、神職、巫女一同が衣冠束帯、本 装束で時代絵巻さながらに「くぐり初め」をする行事も実施予定とのこと。
今週と来週は阿佐ヶ谷がかなり盛り上がりそうですね。
本格的な秋祭りのシーズンが開幕、ぜひお出かけください!
副編集長Y
参照元:
「伊勢神宮」オフィシャルサイト
「阿佐ヶ谷神明宮」オフィシャルサイト
ValuePress!