戦国時代末期関ヶ原の戦いに大勝し、実質的な権力の頂点にたった徳川家康は、江戸開府にむけて全国の大名を支配するために慶長6(1601)年から道路整備を開始。
主要の街道はどんどん大きくなり、各地に宿場町や関所が置かれるようになりました。
そして四代将軍家綱の代に、各地から江戸へ向かう主要街道が、日本橋を拠点にして5つ制定されたのが「五街道」で、現在に至るまでその姿を残しています。
今回はその街道について調べてみました。
今も面影を残す宿場町の風情が最高!
五街道といわれるのは、海沿いを京都まで続く東海道、宇都宮を経由し日光まで続く日光街道、そこから延長し白河まで続く奥州街道、高崎から滋賀の草津まで続く中山道、八王子から甲府を経て中山道へ合流する甲州街道のことを指します。
その街道筋には4キロに一つ、一里塚と呼ばれる道標が立ち、地理上主要なところには関所が置かれ役人が通行者の検問を行っていました。
特に江戸に近い箱根の関所では、「入鉄砲(江戸に入る武器)に出女(江戸に人質として幕府が住ませた大名の奥方の江戸脱出)」という言葉もあるほど。
江戸時代初期、江戸幕府の支配力を盤石のものにするために、江戸への五街道を抑えることは絶対的に必要な措置だったのですね。
この箱根関所は現在レプリカが再現された観光地になっていますが、各地にもその当時の宿場町の町並みを観光資源として活用しているところがたくさんあります。
そして昨今、この街道を歩くいろいろなツアー企画が計画されています。
飛脚を超える「歩き旅」から、ガイド付き「ゆったりツアー」まで多彩
まず調べていて興味をもったのが「The KAIDO」。
これは「江戸時代に整備された五つの街道すべてを歩いて制覇しよう」というスケールの大きな冒険型プロジェクト。
1年に一つの街道制覇を目標に、今年から1年に1つずつ2020年までにすべての街道を制覇するというのだから凄いです。
1日の歩行時間は10時間、走行距離は50キロ!!
まさに「飛脚を越えた旅」というキャッチコピーにふさわしいツアーですね。
2016年は東海道550キロを11日間かけて走破するプランの参加者を募集中です。
この旅は、NPO法人メタボランティアによるチャリティー・ウォークプロジェクト「歩(ぽ)ランティア」の一環として行われ、完全踏破した参加者の歩く距離に応じて、協賛企業より飢餓に苦しむ発展途上国の支援活動へ寄付されるという仕組み。
かなりタフな旅になるかもしれませんが、実際にこのプロジェクトを企画した3人のスタッフの方が事前に走破済みのプランでもあり、自分が歩くことで世の中の困った人を救える!という主旨に賛同した方には一生忘れられない思い出になりそうです。
ちょっとこれは大変すぎる・・・という方にも、もちろん観光ツアーもあります。
例えばクラブツーリズムの「歴史街道歩き旅」などは、各行程を細かく分け、ガイドさん先導で無理なく街道あるきを楽しめるもの。
第1回の日本橋〜品川までの日帰りツアーからはじまり、最終回の30回にあたる大津〜京都は、東京から新幹線で滋賀の大津まで行き、道中ホテルで名物料理を楽しみながら泊まりがけで歩きます。
ただ、このようなツアーでも1日平均5時間近く、平均9キロは歩くようですし、全工程すべてを制覇するには2年近くがかかるとのことのですから、かなり大変です。
しかし車のない時代、この街道を歩いて旅した人達が大変だったのか、身をもって体験できると思いますし、街道沿いには、江戸時代そのままの面影をそのまま残す山道や、素晴らしい風情の宿場町など見どころもたくさん。
本当に江戸時代の歴史を肌で感じたいと思う方、今年はぜひ街道の旅にチャレンジされてみてはいかがでしょうか?
参照元:
「The KAIDO」オフィシャルサイト
「関東発 歴史街道あるき旅」クラブツーリズム
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