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【レキシズル流 幕末おもしろ日本人③】「時代のトビラ 渡辺崋山(前篇)」

幕末という時代を自分なりに掘り下げてきて、ひとつの疑問に辿り着いた。幕末はペリー来航からスタートするのだが、その前にフラグ的なものがあったのではないか?
江戸後期はただただ平和で何もなかったのか?調べてみると、とんでもない、すでに危機は迫っていた。そして、ひとりの人物がキーパーソンであることが分かった。

それがー

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なぜ彼が「幕末のトビラ」を創ったのか?そのことをこれから書いてみようと思う。

崋山はいまから222年前、江戸の麹町に生まれる。
身分はー

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とにかく貧乏な藩だった。ということは崋山もちょー貧乏。ただ身分は高く、田原藩の上士階級の家に生まれ、将来を期待された男だった。とはいえ、たった1万石程度の小さな藩。地味な人生を送る感じだが、実は崋山にはとてつもない別の才能があった。

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江戸後期きっての有名画家だったのである。その作品を売ることでかろうじて家計を保っていた。

武士で人気アーティスト。この異色の人物像が、当時の日本人にとってかっこよく映った。

さらに崋山は長崎の出島経由で入ってくる、オランダからの情報を的確にゲットしていた。知人の蘭学者にギャラを払ってオランダ語の書物を翻訳してもらい、鎖国している日本に海外からの脅威が迫っていることに気づく。

たかだか田原藩という小藩の武士が、日本全体の危機を察知し、なにか手だてを講じないと大変なことになると憂いたのだった。つまり吉田松陰や坂本龍馬よりもずっと早く、そしてペリー来航の10年以上前に崋山は先進的な考えを持っていた。

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なぜ「開国」にかっこを付けたかというと、当時の日本は「鎖国」が絶対的な国の方針だったからである。政権である江戸幕府に、この考えが知られたらそれこそ大罪。崋山もそこは熟知していたので、慎重な態度を崩さなかった。

「国の危機に、いま何をすべきか?」

崋山にはビジョンがあった。

後篇では彼の藩政改革者としての見事な腕と、その最期を書きたい。

 

 

【プロフィール】

渡部さん

渡部麗(わたなべりょう)

歴史クリエイター。
東京・御茶ノ水で歴史コミュニケーションメディア「レキシズル」を主宰。所有しているショットバーの水曜日を「レキシズルバー」として開放。歴史好きの交流を活性化しながら、畳敷きのイベントスペース「レキシズルスペース」で歴史をポップにわかりやすくプレゼンする「TERAKOYA」などを開催。

レキシズル」オフィシャルサイト

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