これまで何度もドラマや映画化された“朝鮮3大悪女”のひとり、チャン・ヒビン(張禧嬪、チャン・オクチョン)。韓国歴史ドラマ「チャン・オクチョン」は、彼女をまったく新しい視点で描いた作品だ。
チャン・オクチョンは、チョン・ナンジョン、チャン・ノクスと共に朝鮮時代3本の指に入る悪女。揃って身分は低いが、美人で王様や王妃の寵愛を受け天下を動かすほどの力を持った女人たちだ。(三大悪女について詳しくはコチラ⇒⇒【韓国三大悪女「女人天下」を2倍楽しむ】)
チャン・オクチョンを描いた作品で最古は1971年、当時若手NO.1の人気を誇ったユン・ヨジョンの「張禧嬪」。現代劇でも存在力をアピールしている彼女の迫真の演技が恐ろしすぎると視聴者を震え上がらせ、道を歩くと石を投げられたという逸話は有名。1982年の「女人列伝 張禧嬪」ではイ・ミスクが演じ、1988年には「朝鮮王朝五百年 仁顕王后」でチョン・インファがこの役を演じた。当時はまだ清純すぎ悪女らしくないといわれたが、その後、2010年「製パン王キム・タック」では主人公タックを徹底的にいじめまくる義母ソ・インスクのすさまじいばかりの悪女役が大絶賛され、この年のKBS女優最優秀演技賞を獲得。1995年の「張禧嬪」は日本でも「妖婦 張禧嬪」のタイトルで放送され、新人チョン・ソンギョンが見事な演技で一躍トップ女優の座に躍り出た。
そして、日本でも韓流ブームの起きた2002年、歴代の張禧嬪のなかでも視聴者にもっとも強烈な印象を残したのがキム・ヘスの「張禧嬪[チャン・ヒビン]」だ。制作発表時から注目を集めた本作は、キム・ヘスの当たり役とまで言われた。(詳しくはコチラ⇒⇒【韓国三大悪女「女人天下」を2倍楽しむ】(チャン・ヒビン編))
「チャン・オクチョン」は、韓国SBSにて2012年4月8日~6月25日、全24話で放送されたドラマ。ドラマの舞台は17世紀後半。日本でも人気のあったドラマ「トンイ」と同じ時代を背景にしている。「トンイ」ではイ・ソヨンとチ・ジニが演じたオクチョンと19代王の粛宗を、「マイ・プリンセス」「IRIS-アイリス-」「ヨンパリ」のキム・テヒと 「ファッション王」「トキメキ☆成均館スキャンダル」のユ・アインが担当。
オクチョンについては多くのドラマや映画で、“朝鮮3大悪女”の1人として権力欲にかられ変貌していく悪女の代名詞として描かれてきた。しかしこのドラマでは、まったくの新解釈でチャン・ヒビン(=オクチョン)と李氏朝鮮第19 代国王、肅宗(スクチョン)の愛を、破滅へと向かっていく切なくも純粋な愛として描いている。史劇ファンだけでなくラブストーリファンにもたまらない大型ラブ史劇としてお勧めしたい一作だ。
このドラマには、「トンイ」の主人公も“小悪魔”チェ・ムスリとして登場する。演じるのは、本作でドラマ初出演を果たしたKARAのスンヨン。その可愛らしい童顔を武器に、イメージとは裏腹のオクチョンを危機に陥れる重要な役を熱演する。
かつてない新解釈で描かれるストーリーも魅力だが、ため息がこぼれる色彩豊かな美を生み出す絢爛かつ艶やかな衣装たちもみどころのひとつだ。ドラマに使われた衣装は、主役クラスだけで300 着!約3億ウォン(日本円で約3,000 万円)!絢爛豪華な韓服、装飾品をまとい流行、美しさを競い合う女性たちが生み出す、美の競演にも注目したい。
また、「イ・サン」にも登場する名君・英祖が、わが子を米びつに閉じ込め死なせたり、当時の最大派閥の老論に弱い一面を見せたりしたのも、サンが散々な老論に苦しめられたりしたのも、すべてがこのオクチョンと肅宗の愛に起因している。(これについては【「イ・サン」を2倍楽しむ】、【「トンイ」を2倍楽しむ】で詳しく解説している)
本作の見どころまだまだある。こうした「チャン・オクチョン」の魅力は【「チャン・オクチョン」を2倍楽しむ】でも詳しく紹介している。ドラマと合わせてこちらのチェックもお忘れなく。
(記事提供元:ナビコン http://navicon.jp/article/10031/)
画像:『チャン・オクチョン』© SBS & SBS Contents Hub. All rights reserved.
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