戦国の世を大きく動かすきっかけとなった「桶狭間の戦い」。
当時はまだ尾張(愛知県)の小大名にすぎなかった織田信長が、駿河(静岡)を中心に巨大勢力を誇っていた今川義元を桶狭間で討ち取り、一気に歴史の舞台に登場するきっかけとなったと伝えられていますね。
この戦いは今川軍が25,000、対する織田軍は2,000という圧倒的な兵力差があったとされてきました。
攻撃直前に豪雨が降ったために信長勢の進軍がカモフラージュできた結果とされ、日本三大奇襲に称されるいわば「大どんでん返し」なんですよね。
諸説があれど、いずれにしてもかなりの兵力差があったとされており、この戦いに勝ったことが織田信長の武将としての実力やカリスマ性を高めたことは歴史ファンなら誰もが知っている言い伝えです。
しかし!しかし!
3/18に「歴史人」でお世話になっているKKベストセラーズから発売の新刊「桶狭間伝説の嘘-つくられた信長像-」では、「今川勢1万vs織田軍5,000が真実だった」とか「『迂回奇襲』説は明治時代に捏造された」など、ショッキングな見出しが多数。
さっそくこの新刊についてご紹介することにしました。
従来の信長像とは異なる角度からメスを入れた問題作
著者は現在、兵庫県立洲本高校の先生をされている太田満明氏。
学生の頃から歴史書、歴史小説を濫読し、諸々の史料を調べ、戦国史のナゾを解く試みを長年続けてこられたそうですが、そんな太田さんが書かれた中身をちらっとお見せします。
いかがでしょうか。
見出しの通りになんともキニナル記載が見受けられます。
しかもこれがいろいろな史料をもとに検証されたものだというところに、大変に興味をそそられますね。
また本書でもう一つの大きな特徴は新たな「信長の人間像」について描かれているというところ。
書籍紹介では「当時の戦況を読み直すと、周囲の武将との力関係を冷静に読んだ上で計略を展開した、狡猾な計算者としての信長の顔が見えてくる。新たな信長像を基に、桶狭間の戦いを再検証。」とあります。
信長ファンはなんとも複雑な心境になるかと思いますが、いずれにしても一読の価値はありそう。
それにしても「真田丸」で長澤まさみさん演じる「きり」も、ほとんど情報がないところから作り出されたキャラなわけで、その想像力や、このような本を書けるほどの史料を読める力、そしてまたそこからの仮説検証力などは、ツッコミに対して論拠を示さねばならないことなど考えるとホントーに凄いなと思います。
さて、あなたは果たしてこの「桶狭間伝説」についてどういう結論を出すのか!?
衝撃の話題作、ぜひチェックしてみてください。
参照元:
「桶狭間伝説の嘘-つくられた信長像-」amazon
編集長Y
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