ペットブームの世の中ですが、犬派と猫派がいますよね。筆者は犬派です。
以前、猫好きの偉人を紹介した記事がありましたので、今回は犬好きの偉人たちを紹介しようと思います。主人を慕う姿が微笑ましく、時に涙を誘うのは犬ならでは!
藤原道長と白い忠犬
「宇治拾遺物語」には道長と愛犬の逸話が収録されています。
自身で寺を建立してから、道長は毎日お参りに訪れていました。その時、可愛がっていた白い犬がいつもお供として付いていったそうです。
ところが、ある時いつものように寺の門をくぐろうとすると、犬が前を塞いで吠え、衣の裾を咥えて引き止め始めました。そこで道長が安倍晴明に占わせると、呪いの物が埋めてあり、犬はそれを感じて道長を引き留めたということがわかったのです。
道長は犯人を突き止め処罰しました。主人を助けた犬はますます可愛がられたそうです。
一条天皇の逸話にもあるように、当時は猫の方が珍重されていました。それでも道長にとってはこの白い犬が本当に可愛かったのでしょうね。
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西郷隆盛と薩摩犬「ツン」
上野恩賜公園にある西郷隆盛の銅像は、犬を連れていますよね。
隆盛はツンという名の雌の薩摩犬を可愛がっていました。趣味のウサギ狩りに良く連れて行ったそうです。西南戦争の際にはツンを親しい人に預け、それが今生の別れとなりました。
ツンの墓は今も「西郷ドンの犬の墓」として残されています。また、自刃直前に連れていた犬を道連れにしたくないと、首輪を外してやったという逸話もあります。
また、隆盛は10匹以上の犬を飼っていたこともあったそうです。料亭に連れて行ってウナギを食べさせたりしたそうで、溺愛ぶりがうかがえますね。
酒井忠以の愛犬は官位持ち!
播磨姫路藩2代藩主・酒井忠以は大の犬好きで、いつも数匹の犬を側に置いていたそうです。中でもお気に入りの犬は、参勤交代に連れて行くほどでした。
ある時、幕命により上京することになりましたが、さすがに犬を連れては行けません。しかし出立の時、その犬が駕籠から離れないのです。側近が引き離そうとしても、吠えたり噛んだりと大暴れし、仕方なく途中の品川まで連れて行きました。
それでもやはり犬は帰ろうとせず、やむなく京都まで連れて行くことになってしまいました。
これが京で話題となり、その話を耳にした天皇も感じ入りました。そしてこの犬に六位を賜ったそうです。
「ワンワン宰相」と呼ばれた吉田茂
太平洋戦争後、サンフランシスコ平和条約を締結した吉田茂は、サンフランシスコから2匹の犬を連れ帰りました。名前は「サン」と「フラン」。そして生まれた子が「シスコ」です。加えて、自分の好きなお酒にちなみ「ブランデー」「ウイスキー」「シェリー」とも名付けたそうです。
犬好きの吉田は、10匹以上の犬を飼っていました。神奈川県立大磯城山公園にある旧吉田茂邸地区には、そのうちの何匹かの墓碑が残されています。
ある時、新聞に愛犬と一緒の写真が掲載されました。するととある子供から「首相の飼っているスピッツが欲しい」と手紙が来ます。そこで、「子犬が生まれたのであげます、大事にしてください」と返信し、子犬を贈ってあげたというエピソードが残っています。
本当は犬好き、だけどやむなく猫を飼った篤姫
江戸幕府第13代将軍・徳川家定の正室として有名な篤姫も、本当は犬好きで知られており、実家では犬を飼っていました。しかし家定が犬嫌いだったため大奥で飼うことができず、やむなく猫を可愛がっていたそうですよ。
【日本最古の猫ブロガーは?】やっぱり猫が好き!な歴史上の偉人
意外と犬好きの偉人の話もたくさんあります。
まだまだ紹介し足りないものがあるので、ぜひ探してみてください。古代から犬が人の暮らしに寄り添ってきたことがわかりますよ。
参照元
薩摩川内観光物産ガイド
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