「もっとも格式の高い神社」といえば、伊勢神宮と並び称されるのが出雲大社。
ご祭神は大国主命(オオクニヌシノミコト)。オオナムチやオオモノヌシ、七福神で有名な大黒様とも呼ばれることもある名前の多い神様です。10月には日本各地の神様が出雲に集まり「縁」について話し合いがされるということで、縁結びの神社としても有名です。
なぜ出雲大社は格式高い?
10月は神無月ともよばれています。
神様がいなくなるから神無月と呼ばれるのですが、いなくなった神様はどこにいるのかというと、この出雲に集まっているそうです。そこで一年間の諸事万事の話し合いをしているといわれています。そのため、出雲大社のある島根県では10月の事を神在月(かみありづき)と呼んでいます。
では、なぜ出雲に神様が集まるかご存知でしょうか? それは祭神・大国主命が日本の神々のリーダーであったからです。
え?最高神は伊勢神宮の天照大神じゃないの?と思う人もいると思いますが、実は天照大神が日本を治める前に神様のトップであったのが大国主命でした。
天照大神が現れるとトップの座を譲ることになるのですが、その条件が、大きな社を建てて欲しい、というものでした。その大きな社というのが出雲大社ということです。
そんな特別な出雲大社ですので、参拝の仕方も少し特別。普通の神社が二礼二拍手一礼なのに対し、手をたたく回数が二回多く、二礼四拍手一礼となっています。
せっかくお参りするのですから正しい作法で参拝したいですね。
約60年ごとに行われる出雲大社の遷座
遷宮といえば伊勢神宮の式年遷宮を思い浮かべる人も多いと思いますが、出雲大社にも遷宮があるのをご存知でしょうか。
伊勢神宮の式年遷宮が20年に一度そっくりそのまま建物を作り変えるのに対し、出雲大社の遷宮はまず仮殿をつくり一度神様に仮殿の方にお移りいただいて、その間に建物を修理する「遷座」とも呼ばれるものです。
60年に一度ぐらいというおおらかな(?)周期で行われていることもあり、かつては遷宮のたびに規模が変化していたようで、現在の出雲大社の姿は本来の大きさよりもかなり縮小されてしまったようです。
では、本来どれほどの大きさがあったかというと・・・現在のおよそ倍。
なんと50メートルほどの高さがあったといわれています。
とはいえこれはあくまで口伝や伝承でのはなし。クレーンもない時代にそのような高層建造物が一地方に作られるはずがない・・・と、長らく信じられていましたが、近年になって本殿を支えていたと思われる直径3メートルにもなる大きな支柱跡が発見されました。伝説が事実であったことが証明されることになったのです。
夏だからこそ行きたい理由とは?
参拝をするのなら神様が出雲に集まる10月~11月がご利益がありそうでお勧めなのですが、夏に参拝をするのならぜひ訪れたいのが稲佐の浜。
出雲大社の西方1kmほどのところにある砂浜で、神事が行われる11月は海が荒れることも多く物々しい雰囲気すら漂いますが、夏は一変、穏やかな表情をみせます。日本のなぎさ100選にも選ばれるほどの白砂青松の美しい景観が広がり、海水浴場としても賑わっています。
稲佐の浜は、神様を迎える玄関口とされている所。
日本の神様達はここから出雲大社に向かうそうです。そんな神々しい海で海水浴ができるなんて貴重な体験は他ではできませんね。
この夏は、稲佐の浜から日本の神々に思いを馳せ、お腹が空けば名物の出雲蕎麦で空腹を満たす・・・。
そんな出雲参拝の旅に出かけるのはいかがでしょうか?
もしかしたら神々に導かれた「縁」に出会えるかもしれませんね。
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