日本の伝統文化である相撲。起源は神話の時代まで遡り、実に1500年以上もの歴史を誇ります。そんな相撲の歴史や文化を紹介する過去最大級の相撲展覧会「大相撲展 Oh!SUMO EXHIBITION」があべのハルカス(大阪府)にて3月18日(日)まで開催中。日本に深く根ざし、つねに人々の生活とともにあった相撲の歴史とともに、展覧会の見どころをご紹介します。
神話の時代からあった相撲
日本の相撲の起源としては、『古事記』や『日本書紀』の中にある力くらべの神話や、それらに登場する野見宿禰(のみのすくね)と当麻蹴速(たいまのけはや)の天覧試合があげられます。この頃、相撲によく似たスポーツは、世界各地で行われていたようです。
さらに奈良時代には、豊作を祝うための宮中行事「相撲節会」として毎年七夕に行われるようになり、平安時代後期まで続いたとされます。
頼朝も信長も好きだった相撲
武士の世になると、相撲は神事としてよりも、身体鍛錬のために欠かせないものとみなされるようになります。
文治5年(1189年)、源頼朝が鶴岡八幡宮で上覧相撲を開催。相撲だけでなく、流鏑馬、古式競馬も併催され、まさに武士のオリンピック的なものが行われていたようです。
また、織田信長も相撲を深く愛好。各地から力士を集めては上覧相撲を催し、勝ち抜いた者を家臣として召し抱えていたとされます。
一般庶民の娯楽になった江戸時代
江戸時代に入ると浪人や力自慢の者の中から、相撲を職業とする者たちが現れ、全国で勧進相撲が行われるようになります。
勧請とは寺社仏閣が維持費用をあつめるもので、現代でいうチャリティ興行のようなもの。おもに京都で行われていました。
江戸中期になると、定期的に相撲が興行されるようになり、やがて谷風、小野川、雷電などの3大強豪力士が出現。将軍上覧相撲も行われ、相撲の人気は急速に高まり、今日の大相撲の基礎が確立されるに至ります。相撲は歌舞伎と並び、一般庶民の娯楽となったのです。
江戸時代から変わらない大相撲の姿
長い歴史の中で次第にルール化され、スポーツとしての形態が整えられた大相撲。現在でも、土俵入り、番付表、化粧まわし、髷、着物など、江戸時代と変わらぬ姿を見ることができます。
今回開催される「大相撲展 Oh!SUMO EXHIBITION」では、相撲の一番の魅力である「勝負」をテーマに、歴代の名勝負の紹介や、取り組みを力学的に検証。また、化粧まわしや懸賞幕、浴衣など、アート視点での展示も行われます。
また、大相撲を支える裏方の世界や道具など、相撲の魅力を様々な視点から紹介。さらに、ほぼ原寸大の土俵で横綱との対戦を疑似体験できる「VR相撲体験コーナー」など、もりだくさんの内容です。
また、3月7日(水)には、大関・豪栄道関が来店するとか。
相撲ファンはもちろん、歴史ファンにもおすすめの「大相撲展」。ぜひチェックしてみてください。
「大相撲展 Oh!SUMO EXHIBITION」
開催期間:2018年3月3日(土)〜3月18日(日)
開催時間:午前10時〜午後8時
※入場は、閉場の30分前まで
※最終日は午後5時まで
休館日:会期中無休
開催場所:あべのハルカス近鉄本店ウイング館4階第2催会場
お問い合わせ先HP:「大相撲展 Oh!SUMO EXHIBITION」
http://www.ohsumo.info/
(編集部)
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