公式ガイド本「完全読本」編集長が語る「軍師官兵衛」を10倍楽しむポイント(岡田准一 過去インタビュー掲載あり)

エンターテインメント
18年ぶりに秀吉を演じた竹中直人 ©NHK

稀代の天才軍師・黒田官兵衛の生涯を主演・岡田准一で描いた大河ドラマ「軍師官兵衛」が、チャンネル銀河で2019年10月14日(月)よりCS初放送される。これを記念し、公式ガイド本「完全読本」の編集長をつとめた「おとなのデジタルTVナビ」歴史編集部編集長・伊沢宏樹氏にドラマを楽しむためのポイントを伺いました。さらに、記事の後半では主演・岡田准一さんに行った過去のインタビュー記事も特別公開いたします。

暗黒な部分もリアルに描写配役や演出から見える妙味

大河ドラマ「軍師官兵衛」の見どころのひとつは、1996年に放送されて大ヒットした大河ドラマ「秀吉」で豊臣秀吉役を演じた竹中直人さんが、18年ぶりに同役を演じたことでしょう。今作でも「心配ご無用!」や「ごもっとも!」などの決めゼリフは健在です。その「秀吉」で黒田官兵衛役を演じた伊武雅刀さんが、今作では千利休を演じているほか、1973年に放送された大河ドラマ「国盗り物語」で徳川家康役を演じた寺尾聰さんが、41年ぶりに同役を演じているのも注目のポイントです。

官兵衛というと、秀吉を天下人に導いた軍師で、ともすると腹黒いイメージがあります。岡田准一さんが主演の今作では、さすがにそのあたりはオブラートに包んで描くだろうと思ったら、とんでもない。官兵衛はおろか、織田信長や秀吉、荒木村重、徳川家康、黒田長政らが”悪と欲”にまみれた人間くさい暗部をリアルにさらけだしているのだから、歴史好きとしてはたまりません。

多くの登場人物たちが平常時に見せるまっとうな人間性と、それぞれの葛藤からダークサイドに堕ちていく姿とのギャップは、ぜひ味わっていただきたいポイントです。とくに快活な賢い青年だった官兵衛が、友である村重に裏切られて有岡城の牢獄に幽閉されたあと、徐々に暗黒な面もわかったうえで策動する老獪な軍師へと変貌していく芝居や演出には、思わず見入ってしまいます。

友である官兵衛を裏切った荒木村重 ©NHK

歴史ドラマかつ人間ドラマ 英雄らの清濁両面を楽しむ

歴史上の偉人たちの魅力は、いい意味で清濁併せ呑むところです。聖人君子ではおもしろみに欠けますし、極悪非道でも興ざめするでしょう。その点、「軍師官兵衛」は登場人物たちの清濁がバランスよくちりばめられ、”歴史ドラマ”でありながら”人間ドラマ”としても楽しめます。

とくに、牢中の官兵衛が生きていることを家族や仲間たちが知る感動のシーンや、殺されたと思っていた人質の松寿丸(のちの黒田長政)が生きていることを秀吉の妻・おねから渡された「松の扇子」で黒田家が知るという機知に富んだ胸打つシーン、本能寺の変の報告を聞いて茫然自失となった秀吉が「ご武運が開けてきましたな」とささやきかける官兵衛に対して警戒の色を浮かべる緊迫のシーンは見逃せません。

文:伊沢宏樹(「おとなのデジタルTVナビ」歴史編集部編集長)

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