歴史小説ファンで、池波正太郎氏のお二人を知らないという人はいないのではないでしょうか。
司馬遼太郎氏と並び、昭和を代表する歴史小説・時代小説の巨匠。
「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人 藤枝梅安」などの原作は舞台や映画、テレビドラマ、コミック化され、未だに高い人気を誇っています。
司馬遼太郎氏の作品と比べ、江戸時代にフォーカスし、より市井のヒューマンドラマ的な物語が氏の特徴でしょうか。
氏は大変な美食家であったこともあり、作品中にその描写がなんとも美味しそうに描かれていたりするのも魅力です。
今年は、1995年に67歳でこの世を去った氏の没後25周年でもあります。
●超代表作「鬼平犯科帳」
そんな氏の超代表作とも言えるのが「鬼平犯科帳」。
実在の人物であった火付盗賊改方長官 長谷川平蔵が主人公の捕物小説。
刊行期間22年、全135作は未完なれど、没後25年の長きにわたり大人気小説の一線を走り続けている「オバケ時代小説」です。
私にとって鬼平といえば子供の頃にテレビ版を見たのと、「ゴルゴ13」のさいとうたかをさんの作品のイメージですね。
この作品はいろいろな形で世の中に発表されているだけに、ファンの方それぞれが「鬼平」のイメージをもっているわけです。
●没後25周年を記念し発刊!『鬼平秘録』
今回、池波氏の没後25周年を記念し、文藝春秋社の「オール讀物」増刊号として発刊されたのが『鬼平秘録』。
プレスリリースによると、「鬼平犯科帳」が生まれた舞台裏から、作家たちが見た鬼平と池波さんの凄み、そして現代を生き抜くための鬼平の名言まで、これまで「オール讀物」誌が掲載してきた鬼平にまつわるすべてを凝縮した特集本だそうです。
内容は、各界の熱烈鬼平ファンが選出した傑作4作品と、さいとう・たかをさんの劇画「鬼平犯科帳 第一話」も収録。
興味はあるけどまだ鬼平を読んだことがない方、何度も読み込んだ“鬼平マニア”な方、テレビドラマで鬼平を知った方――あらゆる読者におすすめの1冊とのこと。
ビギナーの方はこれをきっかけに、時代小説への扉を開けることになるかもしれません。
また、長年のファンの方にとっては、テレビ版で長谷川平蔵を演じた中村吉右衛門さんのように、同じように鬼平を愛している人々の想いなどを共有できる珠玉の一冊。
Kindle版の電子書籍と雑誌版ともに同時発売。文藝春秋社のサイトでは、各コーナーの立ち読み後の購入も可能です。
池波&鬼平ワールドを存分にお楽しみください。
副編集長Y
参照元:
「オール讀物 5月増刊号 鬼平秘録」文藝春秋社オフィシャルサイト
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