【TERKOYA取材レポート】「アーネスト・サトウ」は幕末の志士だった!?

エンターテインメント

 

先日4月18日(土)、歴人マガジンではおなじみの歴史イベント「TERAKOYA」に取材に行ってきました!

この「TERAKOYA」、現在大人気連載「幕末のいろは」を執筆してくれている歴史クリエイター渡部麗(りょう)さんの「レキシズル」が主催。

 渡部さんのほか毎回テーマを変えて弁士が登場し、楽しくお酒を飲みながらポップに歴史を学び語り合うという大変楽しいイベントです。

前回は吉原をテーマにした吉原TERAKOYA「江戸で恋」には、なんと本物の花魁も登場!大変な盛り上がりを見せました。

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キチエモン
今回の講師 キチエモンさん。POP足袋がカワイイ。

今回の「TERAKOYA」は「キチエモン」のあだ名でレキシズル歴7年というベテランの安東康さんが弁士。 普段は大企業にお勤めの傍ら、歴史好きが高じてTERAKOYA の講師としても活躍しています。

TERAKOYAの特徴は、その楽しいスライドと弁士の語り。

毎回のテーマに基づきながら、随所に笑いを誘うスライドが多数あり、歴史に詳しくない人もすんなり歴史を学べるように構成されています。

 

●アーネスト・サトウとは?

さてそんな「TERAKOYA」、今回のテーマは「アーネスト・サトウ」。

通訳見習いとして来日した彼は、通訳として佐幕・倒幕に割れる激動の幕末を仔細に渡り書き残し、日本史に大変大きな貢献をしたイギリス人(イケメン!)です。

サトウ

江戸時代末期、黒船来航の1853年~函館戦争の1869年までの16年間が幕末と呼ばれますが、サトウはその真っ只中になんと19歳で来日。

 

来日後たった6日目にして、薩摩藩士がイギリス人の商人たちを襲撃した「生麦事件」に遭遇するという、あたまから激動の展開ではじまったサトウの日本での暮らしは、その後間を空けながらも25年間にもわたったそうです。

 

日本人よりも日本史に詳しく、日本人よりも日本語が堪能だった「日本語ペラ男(笑)」の彼は、歴史小説の巨匠司馬遼太郎氏によれば「西郷隆盛に匹敵する志士」とまで称されているとか。

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明治天皇が英国公使にかけられたお言葉「苦労」を英語の「Glad to see you」と訳すなど、言葉の数々に、彼の類まれなる語学力が現れています。

過去テレビで放映された歴史ドラマにもタレントのパックンやデイブ・スペクターさんによって演じられています。

 

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彼が来日したころは、世界の列強と呼ばれる欧米諸国が帝国主義のもと、いろいろな国に開国と通商条約を結ぶために航海を重ねていた時代。

日本は諸外国から狙われており、いわば「幕末の日本はモテ期」だったのですね。 ここでドッと起こる会場の笑い。ね、おもしろいでしょう?

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そんななか、長州藩が外国船を砲撃したことから始まった「下関戦争」において、幕末の志士高杉晋作や伊藤(俊輔)博文らと戦後交渉を行った経緯から長州の人が好きになり、その後いろいろな日本の現状を知り、最後には「倒幕開国派」として薩長に接近していくことに。

自身が書き残した「英国策論」のなかで、徳川幕府は他の大名と同列になり、政権を返すべきである、と述べています。

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このサトウの思想が完成するまでの過程を「スペシャルティーチャー」としてレキシズル渡部首脳が説明、ますますプレゼンが盛り上がります。

幕末を理解するには「思想」と「考え」が重要だという話で、幕末の志士たちを例に挙げて分かりやすく説明が進みます。

 

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歴史としては、かの坂本龍馬を介して薩長はイギリスの支援を受けて倒幕のために「薩長同盟」を締結、幕府を倒すための「戊辰戦争」が開始されるわけですが、恐らく、いや間違いなくサトウはこの一連の流れのなか、影に日向に大活躍したに違いありません。

 

●泣かせる!サトウとある会津藩士の物語

途中休憩を挟みながら、三部制に分かれて展開したTERAKOYAも終半へ。

 

サトウは明治維新後、諸外国の領事などを務めながら、1895年には駐日特命全権公使として再度来日、1929年86歳でその一生を終えます。 幕末の激動をまさに命を賭けて駆け抜けた一生でした。

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さて、プレゼンの最後に「編集後記」と称して、「野口富蔵」という一人の会津藩士のことが語られます。

あるとき「毛唐を出せ!」と押しかけた暴徒を、右手に刀、左手に拳銃を構え、命がけでサトウの命を救った野口富蔵。 彼とサトウは「兄弟としての契りを切望す」という莫逆の友となり、イギリスへ帰国する時に同行させます。

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そして、サトウが彼に言った「国家運営なんてものは薩長土肥に任せておけばいい、日本が世界に伍していくためには、産業を興すんです、野口さん」という言葉。

彼は母国イギリスでの産業革命を通じた経験から、幕末の開国から明治維新への流れを称して、「真の開国とは封建制度からの脱却だ!」ということを日本人に伝えたかったのだと思います。

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野口はその後サトウの支援でロンドンで学んだ紡績、絹製造の技術を持ち帰りました。

サトウはまさに「叩き上げの志士」だったのです。

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・・・というところでイベントは大きな拍手のもとに終了!!キチエモンさん、素晴らしい!
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2時間のプレゼンといったら、どんだけのことを話すために準備しなきゃいけないのか・・ さぞかし大変だろうな〜、と思いますが、キチエモンさんは「やりがいがあります!」と熱く語ってくれました。

いつもTERAKOYAに参加していいなあと思うのは、分かりやすく楽しく、しかししっかり歴史を学べるところ。

これからの日本を生きるためにも、歴史を知ることは必要なこと。

でも多くの人がこういう機会をきっかけに、そう思ってくれたらいいなあと思います。

にこの「レキシズル」が仕掛ける次なるイベントについて。

 

来週4月29日(水祝)、毎週水曜日開店している1F「レキシズルバー」のスペシャル版「吉田松陰、最後のメッセージ」、またTERAKOYAは、渡辺崋山をテーマした「渡辺崋山TERAKOYA」が5月16日に開催。

ちょっとまずは歴史を知りたい、またはお友達がほしいという方はぜひ気軽に参加してみてください。楽しいよ〜。

副編集長Y

参照元:
レキシズル」オフィシャルサイト

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