旧暦の天正10年(1582年)6月2日は、「本能寺の変」が起きた日である。そのためか、毎年6月になると「本能寺」のことがテレビや雑誌などで取り上げられることが多い。
さて、そんな6月の記事にふさわしく、大河ドラマで何度、「本能寺の変」のシーンが放映されたのかを調べ、まとめてみた。
大河ドラマで「本能寺の変」は何度、演じられたのか?
大河ドラマ全54回のうち、「本能寺の変」が演じられたのは12回。特に2002年以降は、戦国時代が舞台になった回数が多いこともあってか頻繁に描かれ、もはや戦国大河に欠かせない注目・定番シーンといった感がある。
織田信長と明智光秀を演じる役者もご覧の通り、なかなかバラエティに富む。個人的には1992年「信長 KING OF ZIPANGU」の緒方直人(信長)、マイケル富岡(光秀)のコンビは適役だったかどうかはともかく、鮮烈に覚えている。
1995年「秀吉」で、渡哲也が演じた信長は迫力があり、本能寺のシーンは神がかったような名演だったことで印象深い。対する光秀は村上弘明だった。
明智光秀といえば、昔は村上弘明のようなイケメン俳優が演じることも多かったが、最近の配役を見ると、2011年「江」の市村正親や2014年「軍師官兵衛」の春風亭小朝など、少しクセのある役者が演じる傾向にあるようだ。67歳(本能寺の変当時)だったという説、野心家だったという見方が主流となってきているからではないだろうか。
2011年「江~姫たちの戦国~」では、第5回で「本能寺の変」が描かれた。織田信長を演じたのは豊川悦司。1993年「炎立つ」で清原家衡を演じて以来、18年ぶりの大河ドラマ出演だった。
江(ごう)にとって、信長は伯父。その伯父との別れを印象的に描いた「本能寺の変」では、江はまだ9歳ということになるので「24歳の上野樹里が演じるには無理がある!」という感想が多かったことが思い出される。
その他にも、江が徳川家康とともに「伊賀越え」をするなど、主人公がどこにでも出てきてしまう演出には賛否両論も飛び交ったが、いま改めて見直すと、結構面白い作品だ。織田信包、佐治一成など、普段あまり陽の当たらない人物が活躍していて新鮮でもある。
「本能寺の変」のシーンに象徴されるように、大河ドラマの配役や描写のされ方も、歴史の見方や研究の進行によって、時代とともに変化しているということが分かっていただけたら幸いである。
(C)NHK
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