かねてから私がやりたいと思っており、先日ようやくイラストレーターいずみ朔庵さんの第1回を掲載、大好評をいただいた「歴史クリエイター企画」。次回を希望される声をいただき、待望の第2回目をお送りできることになりました!
今度は・・・・
いいえ、海賊ではありません。れっきとしたイラストレーターの永井秀樹さんです。
宝島社「剣豪と名刀」ほか、歴史・時代小説のイラストなどを数多く手がけ、先日はLINEスタンプ「侍40(サムライフォーティ)」なども発表されるなど大活躍中。
でも、最初にお会いした時にビックリしたのはやはりそのビジュアル。
「ま、まさに侍じゃないか!?」腰に両刀挿してないのが不自然なくらいに侍ビジュアルだった彼にインタビューをしたところ、やはり精神も「侍」でした。では、そんな永井さんにフォーカスしてみましょう!
永井さんが歴史にハマったのは中学校時代の戦国ゲーム “信長の野望 全国版”がきっかけ。
お母様が元祖歴女だった影響でお兄さんが信長の野望をやりだし、そしてそれを横で見ていた永井さんがハマってしまったのだそうです。(私もファミコン時代にむっちゃくちゃハマりましたわ〜w)
当時、ゲームソフト会社の光栄(現コーエー・テクモゲームズ)が、まだ世になかった“歴史”をテーマにした作品を続々と発表しており、新作が出るたびに徹夜して遊び。。いや、歴史の勉強をしていたんだそう。年号や事件もこれで覚えたとか(笑)
数ある光栄作品の中でも日本史や中国史、中世世界史などをテーマにした作品に永井さんは強い感銘を受け、特に幕末は特別な存在に。
光栄作品は“顔ゲー”と呼ばれるほど、当時から顔のグラフィックに非常にこだわっていたので、永井さんの持つ歴史の人物像は殆ど光栄作品の顔グラがデフォルトになっているとか。
服部半蔵、宮本武蔵、坂本龍馬などを描く時は今も参考にしているそうで、初期光栄作品が彼の作品に強い影響をおよぼすほどの大きなきっかけだったのですね。
その後専門学校に進むも、進路が見えず焦っていた時期に、お友達との世間話でイラストレーターという職業を知り、ある方の作品を見た瞬間に「自分のやりたいことはこれだ!」と、自分の中に核となるなる一本の道を見出したのだそうです。
「忘れもしない、体に稲妻が走るほどの衝撃。些細な世間話が人生を決定づける瞬間でした」というほどの大きな転機。
しかしそこから時代物の作品を描きだしたのはプロになって5年目も後だったそうです。
夢は生半可では実現できないものですね。ではそんな思いが叶ってからの作品をいくつかご紹介しましょう。
こうしてみると、躍動感のある殺陣から、官能的で色っぽい作品までバリエーションも多々ありますね。
さらにLINEスタンプ「侍40(サムライフォーティ)」のようなコミカルタッチのものもあります。
彼が絵を描いていて最も喜びを感じるのは、墨入れ 、なびく丁髷と後れ毛を描く時 、着物のしわを描くとき 、描きたいテーマやショットを見つけた時とのこと。さすがにこだわっていますね〜〜。
ご本人いわく「例えばチャンバラシーンを描く時、斬る方も斬られる方も、一連の動きの中にある絶妙な一瞬のショットとアングルがあります。そこが自分のトリハダポイント。
ここを見つけるのが描く上で最も重要で作品の善し悪しの9割を締めます。見つけた時は最高の喜びを感じます。」なんだそうです。
さすが、アーティストはその一瞬を見極めるわけですね。
まさに剣術の居合のような鋭い目線でそのアングルを探す永井さんが想像できます。
そんな永井さんのこれからは「時代物の作品を描く上で “いかに臨場感があってリアリティ溢れる空気を表せるか”」が目標だそう。例えば江戸の町、着物の着こなしや仕草にしろ、情景や人物をいかに生々しくそして見てきたかのように自然に表現することなんだそうです。
彼の作品を見ていると、すでにその域には達しているかと思いますが、 そこは表現者としてイラストレーターを目指そうと決意したときの「体に稲妻が走るほどの衝撃」の思いを胸に、これからも自分に課していく永遠のテーマなのかもしれませんね。
結論。やはり彼は「侍」でした。
永井さん、これからもその魂を込めた作品の数々、楽しみにしています!
副編集長Y
参照元:
「永井秀樹」オフィシャルサイト
LINEスタンプ「侍40(サムライフォーティ)」
LINEスタンプ「ぶた」
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