太平洋戦争で日本が技術の粋を結集して生み出した戦闘機「零式艦上戦闘機」。
「ゼロ」「ゼロファイター」の名で、米海軍の戦闘機を多数撃墜した日本海軍のエースですよね。
私が知っているのは、初期は連戦連勝だったゼロも、そのうち研究され、戦争後期にはライバルである米機に撃墜されるようになってしまった、という悲しい結末。
また、もう少し突っ込んだ見解では、一般的には零戦は、エンジンが弱くても高い飛行性能をもつように防弾をなくすなど極限まで軽量化をはかり、そのためにパイロットがだんだんと死んでいって 次第に勝てなくなったと言われているとも聞いたことがあります。
今回、そういったよく聞く零戦の伝説を再検証し、歴史研究家の清水氏と元航空自衛隊パイロットの渡邉氏のパイロットならではの視点から、零戦が敗れていった本当の理由はなんだったのかを探り、問題提起している話題作「零戦神話の虚像と真実」が本日8月7日(金)宝島社から発売されます。
本書ではまず第1章で、これまでの零戦について知られている「革新的名機だった」や「零戦は緒戦では無敵だった」などの説を否定(のっけから私が聞いていた零戦の情報が撃沈しました・・・)
続く第2章では「零戦の運動性能」に焦点を当てて検証、渡邉氏は「それは問題ではあったが、クリティカルな問題ではない」との結論。
では果たして零戦の本当の問題は何だったのか?
それは「エンジンなどの技術や、パイロットの練度といった国力が直結するような部分ではなく、機内のすぐに直せるような意外な部分にあった」とのことなのです!!!
ええええええ!!!!!それ直せたら、零戦は無敵だったんですか!?
これ以上はまさにネタバレになってしまうので触れませんが、元空自パイロットが自らの戦闘機の操縦経験から語る内容は、飛行機に詳しくない私でも大変に興味深い内容。
零戦や米軍機のコクピットの違いや、照準器の実際の使い方、敵機を追い詰めるまでのアプローチ方法といった「零戦がどうやって戦ったか」について図で具体的に説明してあります。
こういった「アプローチや敵機がコクピットからどう見えるのか」といったことまで具体的に書いた本は少ないのではないでしょうか。
渡邉氏の
「(機銃では、こちらに)気が付いている敵機は99%撃ち落とせない」
「映画のようなグルングルン追いかけ回すような空戦は起こらない」
「その大前提の上で、空戦を考える必要がある」
という言葉は、元戦闘機パイロットだけに説得力があります。
文中に記載されている図を見ていると、私が大学くらいの時にトム・クルーズ主演で社会現象にすらなった「TOPGUN」で、こんな図を習っていたシーンがあったな〜とか思い出したりしました(笑)
マニアでなくてもこれはハマる人が多いと思う本作は全国書店にて発売予定。ぜひチェックください!
ところで今回本書の企画編集を担当したパンダ・パブリッシング社では、本書以外にさまざまなテーマに応じた電子書籍の販売も行っており、過去歴人マガジンで三度に渡ってご紹介させていただいています。
もしかしたらこの中にも、あなたのマニア心をくすぐる作品があるかもしれませんね!
副編集長Y
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参照元:
「零戦神話の虚像と真実」宝島社オフィシャルサイト内
同Amazon
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