今年もこの季節がやってきました。
京都で千百年余もの歴史をもち、これが開かれると京都に夏が来る、と言われる大祭「祇園祭」が、7/1(金)から1ヶ月をかけていよいよ開催されます。
舞妓さんで有名な京都の中心地「祇園」にある八坂神社を軸として期間中、さまざまな神事が市内の八坂神社を中心に催される大祭。
まだ祇園祭に行かれたことがない方のために、今日はこの世界的に有名なお祭りについて調べてみました。
平安時代から続く、町自慢の山鉾のパレード!
祇園祭は、疫病退散を祈願した祇園御霊会(ごりょうえ)という鎮祭(疫病神などを鎮めるまつり)が始まりだそうです。
平安京はたびたび疫病が流行、有名な鴨長明の方丈記には、野垂れ死にした人の亡骸で鴨川が堰き止められたなどとも書かれているほど。
京都の人々はそれを霊的な祟りと信じ、恐怖に脅えていました。
貞観5年(西暦863年)に平安京の広大な庭園だった神泉苑で、仏教経典の読経、神楽・田楽や踊りなども行う御霊会を実施。
しかし、疫病の流行は続き、貞観11年(西暦869年)に平安京の国の数66本の鉾を立て悪霊を集め祓い、インドの祇園精舎の疫病神「牛頭天王(ごずてんのう)」を祀り、祇園天神とも称された「祇園社(現在の八坂神社)」に神輿三基を送り、御霊を鎮めるために祀るようになったとか。
やがて平安末期には疫病神を鎮め退散させるために神輿渡御や神楽・田楽・花笠踊りや山鉾を出して市中を練り歩いて鎮祭するようになった神仏習合の御霊会が祇園御霊会、すなわち祇園祭として現在に伝えられているのです。
途中、戦国時代のきっかけとなった応仁の乱や、第二次世界大戦のあいだは中断していたそうですが、その都度八坂神社の氏子や町衆により再開。
この1ヶ月間のあいだ、特に7/14〜16の前祭の宵々山、宵山、17(日)の前祭における山鉾巡行、神輿渡御、神幸祭と、24(日)の後祭での山鉾巡行と還幸祭には、約1500人もの担ぎ手が集まり、33基もの山鉾が市内を練り歩きます。
この前後のお祭りも2014年に復活したばかり。
特に宵山(16日)は毎年40万人を超える見物客が集まるとか!!!
さすが都・京都のプライドを感じますね。
前祭の際には、旧家や老舗にて伝来の屏風などの宝物の披露も行われるため、屏風祭’の異名があるほか、山鉾巡行ではさまざまな美術工芸品で装飾された重要有形民俗文化財の山鉾が公道を巡るため、「動く美術館」とも例えられるほどの圧巻の光景が市内を中心に繰り広げられます。
この祇園祭、以前ちょうど別の仕事の時に京都に行ったことがあるのですが、あの京都の狭い路地で、釘も使わずにこの大きさの山鉾を組み立てられる風景は圧巻。しかもそれを組み上げてたくさんの人が乗り、練り歩くさまは更に圧巻。目の前を鉾の車輪が通るのも、かなりの迫力です。
第二次世界大戦後は新しく市内に転居してきた人は鉾を引けない決まりなどもあり、担ぎ手や引き手がいなかった時期もあったそうですが、30年ほど前からそういった方々もその山鉾の保存会に入れるようになり(もっぱら最近は義務づけだとか?)この伝統行事も続けられるようになったそうです。
古くから京都の町というのは、時の施政者が権力を握り、その度に大変な思いをしてきたのだと思います。
そんな京都市民の誇りと伝統を今に引き継ぐお祭りですから、そうそう簡単に廃止するわけにはいきませんよね。
国内で一つの町をあげて1ヶ月間も続くお祭りを見る機会なんて、祇園祭くらいじゃないでしょうか。
また夏の京都といえば、四条河原の鴨川沿いの店が出す川床でのおいしい食事やお酒も雰囲気が最高です。
夜の川面を眺めながら、京都の歴史をしみじみ思いを馳せる…
日本に生まれた幸せをしみじみ感じられる夏になること請け合いです。
まだ行かれていない方、今年の夏は京都の祇園祭にチャレンジしてみてはいかが?
参照元:
「祇園祭」京都市観光協会
編集長Y