毎年3月に、宮島(広島県)で開催される「春を呼ぶ宮島清盛まつり」。宮島の繁栄を築いた平清盛と平家一門の「厳島神社参詣行列」をモチーフに、総勢300名以上の行列が再現されます。
当日は清盛公の「いざ!出立!」の発声を合図に、13時より稚児から白拍子、公達、大鎧武将、袿姿など、艶やかな衣装を身に着けた参加者たちが、宮島桟橋前広場から商店街を通り、厳島神社を参拝。そのあと清盛神社参拝に向かいます(15時30分まで)。
2017年の“清盛公”は元広島カープの小早川毅彦さん
行列への参加は一般公募(有料)ですが、主役の清盛公は毎年著名人が務め注目を集めています。今年は元広島東洋カープの小早川毅彦さんが務めます。
過去には松山ケンイチさんも参加!
お土地柄、清盛公には元広島カープ選手がなることが多く、2011年には衣笠祥雄さん、2014年には前田智徳さん、2015年には山本浩二さんが務めています。2012年、大河ドラマ「平清盛」が本放送の年には、清盛公は当時の廿日市市長がつとめましたが、出発式にはドラマで清盛を演じた松山ケンイチさんも参加されています。
平清盛と厳島のつながりとは
宮城の松島、京都の天橋立と並ぶ日本三景のひとつであり、1996年にはユネスコの世界文化遺産にも登録された厳島神社。811年より存在していたとされ、約1400年の歴史があります。
平清盛と厳島神社が深く関わりを持つようになったのは平安時代後期。久安2年(1146)、29歳の時、安芸守としての任に就いた清盛は、瀬戸内海の制海権を手中にし、交易によって莫大な利益をあげました。
同時に、精神面でも厳島神社を深く信仰するようになり、現在の寝殿造りの姿は清盛の命令によって造営されたといわれています。その理由として『平家物語』には、清盛が夢枕で「厳島の宮を造営すれば、必ずや位階を極めるであろう」とのお告げを聞いたというエピソードがあります。
国宝中の国宝として名高い「平家納経」
また、清盛は鎧甲冑や刃剣類、その他多くの美術工芸品を厳島神社に奉納したことでも知られていますが、これは京の文化を宮島にも移管するという狙いがあったとされています。
そのなかでも、国宝中の国宝として名高いのが「平家納経」です。平清盛自筆の第1巻願文を筆頭に、平家一門の写経計33巻からなり、喜びと感謝を厳島の神に奉げるために厳島神社へ奉納したとされています。なお、宝物館にはレプリカが展示されており、本物も年に2回公開されていますよ。
そんな清盛に対する島の人々からの敬意の表れとして、1954年には清盛の霊を祀った清盛神社も創建されました。
清盛神社でも、命日である3月20日に「清盛神社祭」が催され、祭典後の正午頃からは厳島神社高舞台で舞楽が1曲奉奏されるそうです。
来年2018年は平清盛の生誕900年の年。メモリアルを前に厳島まで出かけてみてはいかがでしょうか。
開催概要
日時:平成29年3月26日(日) 午後1時~午後3時30分頃まで
場所:平清盛像前(宮島桟橋前広場)→ 表参道商店街 → 御笠浜 → 厳島神社 → 清盛神社
公式サイト:http://www.miyajima.or.jp/event/event_kiyomori.html
(編集部)
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