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【オリンピックの歴史】古代から近代まで!その起源と変遷を知る

【オリンピックの歴史】古代から近代まで!その起源と変遷を知る

世界的なスポーツの祭典といえばオリンピックですよね。2020年の東京オリンピックも間近に迫り、NHKで大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』が放送されるなど、日本ではオリンピックムードが高まっています。オリンピックは古代に始まった祭典。現在は冬季オリンピックも開催されていますが、当時は現在とだいぶスタイルが違っていたようです。

今回は、古代オリンピックの起源や歴史、そして近代オリンピックの意義などについてご紹介します。

古代オリンピックを知る

ゼウス神殿の復元図
オリンピアのゼウス神殿の復元図です。

今でこそさまざまな競技があるオリンピックですが、当時はまだ限られた種目しかありませんでした。古代オリンピックはどのようなものだったのか、その内容に迫ります。

古代オリンピックの起源

古代オリンピックの起源は、紀元前9世紀ごろに古代ギリシャで開催されていた「オリンピア祭典競技」といわれています。当時のオリンピックは、ヘレニズム文化圏の宗教行事でした。全能の神ゼウスをはじめとする多くの神々をあがめるため、神域で体育や芸術の競技祭を行っていたのです。
開催頻度は当時から4年に1度で、この理由についてはさまざまな説がありますが、太陰歴を基にしていたという説がもっとも有力なようです。

どんな種目があったのか?

古代オリンピア聖域の復元図
古代オリンピア聖域の復元想像図です。

古代オリンピックで初めて行われた競技は、1スタディオン(約191m)を走る「競走」でした。「スタディオン」とは広場を盛り土で囲んだ施設のことで、これを基に走る距離の単位が決定されたのです。
第1回大会から第13回大会(紀元前776年~紀元前728年)までは、この「競走」の1種目だけが行われていました。そこから徐々に種目が増え、より大きな祭典へと発展していったのです。最終的には18種類の競技が行われ、種目が増えると同時に開催期間も1日から5日間へと延びました。
増えた種目には、以下のようなものがあります。

■ディアウロス競走
2スタディオンの競走(現在の400mに相当)

■ドリコス競走
スタディオンの直線路を10往復する長距離競走

■ペンタスロン
短距離競走、幅跳び、円盤投げ、やり投げ、レスリングを一人の選手が行う5種競技。3種以上を制すると勝利者と認定された

■レスリング
ペンタスロン内のレスリングが単独競技になったもの

■ボクシング
時間制限がなく敗北を認めない限り攻撃される競技で、体重別の階級はなく、革ひもや金属のびょうを手に着けて殴り合う

■戦車競走
48スタディオンで争われる戦車競走

■パンクラティオン
総合的な格闘技で、素手ならどんな攻撃も可能だったため首を絞めることも許される。ボクシングと同様に、どちらかが敗北を認めない限り続く熾烈(しれつ)な競技

古代オリンピックの変遷

オリンピックの歴史

オリンピアの祭典はとても人気で、開催時にはギリシャ全土から競技者や観客が会場に押し寄せました。宗教的儀式だったこともあり、戦争中は戦闘を中断して参加していたようです。
それほど人々を熱狂させた古代オリンピックでしたが、紀元前146年にギリシャがローマ帝国に支配されたことで状況は一変します。ギリシャ人以外も参加するようになった上、国教がキリスト教になったことでオリンピア信仰が維持できなくなったのです。
こうして393年の第293回大会を最後に、古代オリンピックは1169年間の伝統に幕を下ろしました。

古代から近代オリンピックへ

ローマ帝国の支配により衰退した古代オリンピックですが、長い月日を経て、近代オリンピックとして生まれ変わります。

近代オリンピックの始まり

各国の国旗

オリンピック復活のキッカケとなったのは、古代オリンピック終焉(しゅうえん)から約1500年後のことでした。フランスのピエール・ド・クーベルタン男爵が、オリンピックの復活を構想したのです。
クーベルタンは、スポーツが社会性の育成や心身の発達に重要だと知り、青少年の教育に適していると考えました。そして1894年のパリ国際アスレチック会議で、オリンピック復興計画に賛同を求めたのです。これに世界の国々が賛同し、2年後の1896年に記念すべき第1回大会としてアテネオリンピックが開催されました。それ以降、近代オリンピックは脈々と歴史を築いてきたのです。

オリンピック憲章に見られる精神

オリンピックの「憲章」は、国際オリンピック委員会(IOC)によって採用されたオリンピックの「根本原則」「規則」「付属細則」を示したものです。ここでは活動の意義や運用の基準、競技大会の開催条件を定めています。
クーベルタンが唱えたオリンピックの精神(オリンピズム)とは「スポーツを通して心身を向上させ、文化や国籍の違いを乗り越え、平和な世界の実現に貢献すること」です。この理想は現代にも受け継がれています。

発展を遂げたオリンピック

第1回近代オリンピックは大成功に終わり、その後のロンドン大会やストックホルム大会からは体制も整い始めました。1920年のアントワープ大会では初めて「オリンピック旗」が披露され、選手村の設営、夏季大会と冬季大会、開会式典で行われる聖火リレーといった今ではおなじみの内容もこの時期に決定されています。また、1924年のシャモニー・モンブラン大会からは冬季オリンピックもスタートしました。

こうしてオリンピックは、参加国が国を挙げてメダル争いをする盛大な祭典となりました。1952年のヘルシンキ大会からはソビエト連邦が参加し、「世界の大会」と呼ばれ始めます。また1956年には南半球初のメルボルン大会が、1964年にはアジア初の東京大会が開催されました。

政治に揺さぶられる事態に

モノクロのスタジアム

ところが、その裏では政治に左右されるという問題も発生していたのです。
1936年のベルリン大会では、ナチス政権が国の威厳を発信するために大会を利用しました。1968年のメキシコシティー大会は黒人差別を訴える場と化し、1972年のミュンヘン大会ではアラブのゲリラによるテロ事件が起きています。その後のモントリオール大会、モスクワ大会、ロサンゼルス大会ではボイコットが起きました。
それ以外にも財政負担が深刻な問題となっており、開催都市は赤字に陥っていました。こうして、開催地として立候補する都市が一つ〜二つだけという冬の時代が続いたのです。

4年に1度の祭典

4年に1度開催されるスポーツの祭典・オリンピック。間もなく開催される2020年東京オリンピックも楽しみですよね。その歴史をひもとくと、宗教儀式から始まったという意外な事実がわかります。しかし、平和を願う祭典であることは昔から変わらないようです。かつては冬の時代もあったオリンピックですが、再びそのような日々が訪れないよう、平和な世界であり続けたいですよね。
皆さんもこの機会に、オリンピックの歴史や精神について見つめ直してみませんか?

 

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