歴史ドラマ「岳飛伝-THE LAST HERO-」で、”中国史上、最も愛された最強の英雄” 岳飛を演じたホァン・シャオミン。
中国で最も美しい俳優と呼ばれ、ドラマでは岳飛の忠義を貫く男らしい役柄を見事に演じきった、彼の独占インタビューをお届けします。
主人公”岳飛”について
― 中国人にとって「岳飛」とはどのような人物なのでしょうか?
心のヒーローで、みんなが彼をお手本としています。神様のような存在感がある岳飛に、中国人であれば誰もがなりたいと思っています。
― 岳飛役の出演オファーを受けた時はどのように感じましたか?
とても嬉しく、幸せに感じました。僕は必ず岳飛を上手く演じなければいけないと思いましたし、実際に上手く演技ができたと思っています。岳飛を演じて、彼について知れば知るほど、その素晴らしさに深く感銘しました。
― ご自身が岳飛と似ていると思うところはありますか?
彼は国と家族を心から愛し、また家族や兄弟に対して強い責任感を持っています。これらはすべて自分も同じで、いつも大切にしていることです。
撮影シーンについて
― 楊再興との対決シーン等、見ごたえのあるアクションシーンに向けてトレーニングを積んだとのことでしたが、かなり苦労されたのではないですか?
このドラマはアクションシーンがとても多く、僕はあらかじめ武術の先生から岳家槍法を学びましたが、体得するまでに多くの時間を費やしました。十分な時間があったとは言えない中、基本の型はマスターしなければならなかったので、非常に苦労しました。
― 物語終盤で、岳飛が激高し自暴自棄になるシーンは、それまでの冷静沈着なイメージとは違う演技が求められる難しいシーンのように感じました。
確かにこのシーンを演じるのは難しかったです。何故なら、岳飛は志がある人物であるのに、このシーンではその志を捨てなければならなかったからです。これは非常に難しいことでした。岳飛は、国のために自らを犠牲にすることをいとわない忠義の士でしたが、その自己犠牲がなんの役にも立たないということを恐れたのです。このような絶望はとても体得しづらいものですし、現代人の僕にはこのような選択をする機会がないので、このシーンの心情にはとても悩みました。
他の登場人物・共演者について
― 楊再興や王貴、韓世忠、牛皐など個性豊かな英雄たちが岳飛と共に戦いましたが、最も印象に残っている英雄は誰ですか?
最も印象に残っているのは牛皐ですね。彼はいつも最前線で突っ走っています。いつも無条件で大哥(同年輩の男性に対する呼び方:兄貴、大兄)を信頼しています。温厚篤実で率直、牛皐を演じたカン・カイも普段から同じような人柄なので、僕はとても好感を持っています。
― 妻の李孝娥、忠義社の呉素素など魅力的な女性も多く登場しますが、女性キャラクターで一番好きな方を教えてください。
共演した女優さんたちはみんなとても素晴らしいかったです。役柄で言うと、最も好きなのはルビー・リンが演じた妻の李孝娥ですね。なぜなら彼女の役は中国男性の理想の女性像だからです。彼女は上品な美しさと聡明さを兼ね備えていて、そのうえ岳飛を十分に理解しています。男性であれば誰もがこのような女性が好きだと思いますし、ルビー・リン本人もとても聡明で印象的な人です。
― 現在、他の共演者たちとの交流はありますか?
もちろん常にあります。ルビー・リン、チェン・ペイペイさん(役:岳姚氏)たち多くの役者さんとは、別の作品でも共演しています。
― 監督、俳優の先輩などから、これまで受けたアドバイスのなかで、一番記憶に残っているものは何でしょうか?
ユー・ロングァン(役:周侗)が僕にくれたアドバイスがとても的確で勉強になりました。彼は俳優として大先輩にも関わらず、現場ではいつも演技に関するアドバイスをしてくれて、とても感謝しています。ペイペイさんも大先輩として、僕にいつも気を配っていただき、演技に関しても色々と教えていただきました。
最後に
― 最後に、本作の見どころを教えていただけますでしょうか?
アクションの立ち回りはとてもスピード感があるので、皆さんには大迫力のシーンをたくさん楽しんでもらえると思います。また、主人公の岳飛は兄弟に対してとても真摯で、絶えず兄弟のことを考えています。そして彼の家族や民に向けられる愛情は、本当に非の打ち所がありません。特に、妻に対しての愛情は当時とても珍しく、これがまた彼を人間味溢れる人にさせています。そんな岳飛の人間としての魅力にもぜひ注目してもらいたいですね。
― 日本の視聴者へメッセージをお願いします。
皆さん、応援ありがとうございます。このドラマを通じて岳飛を知っていただき、また同時に僕の演じる岳飛を気に入っていただければと願っています。