●岩手県九戸に生まれた戦国の雄
九戸政実(くのへ まさざね)は、戦国時代の天文5年(1536年)に岩手県北部の九戸(現在の九戸郡)で生まれた戦国武将。
平安末期から、岩手と青森を支配していた南部氏の家臣として仕え、南部氏の精鋭部隊として数々の戦功を立てて立てて領土を拡大してきました。
しかしその後世継ぎを巡っての御家騒動で、南部氏と九戸氏との対立が深まることになります。
●65,000人 vs 5,000人 で五角以上の戦い
天正18年(1590年)九戸政実は、小田原の北条氏を滅ぼした天下人 秀吉が進める奥州制圧の流れに呼応するように、翌年南部氏と決別、戦陣の火ぶたが切って落とされます。
政実率いる南部氏の精鋭部隊だった九戸軍約5,000人は、九戸城に籠城し徹底抗戦へ。これが「九戸政実の乱」です。
これに手を焼いた南部側は、秀吉に援軍を要請。
豊臣秀次を総大将に、蒲生氏郷(がもううじさと)、浅野長政(あさのながまさ)、堀尾吉晴(ほりおよしはる)、井伊直政(いいなおまさ)ら、戦国時代を代表する蒼々たる武将で編成された中央軍3万5千と、南部軍3万とあわせて合計6万5千の兵に包囲された政実ですが、わずか5千の兵で対抗、互角以上の戦いをみせます。
最後は偽の和議の誘いに、一族を救おうと投降した政実は、敵の総大将豊臣秀次の指示で、三ノ迫(現在の宮城県栗原市)にて斬首、享年56歳の生涯を閉じます。
●ゆかりの地「二戸」で「九戸政実プロジェクト突撃隊」が発足!
この九戸城がある岩手県二戸市では、政実を偲びながら二戸を活性化するべく「九戸政実プロジェクト突撃隊」が発足、特設サイトではゆかりの地を巡るガイドブックを製作したり、政実を「戦国ダンシ 九戸政実」と名付けたアニメキャラでマンガも製作、「九戸政実武将隊」を発足するなど、本格的なPR活動を開始しました。
武将隊は二戸をこよなく愛する地元有志で、公募により選ばれた7名。甲冑姿もキマッていますね。
このマンガ「九戸政実物語」は、オフィシャルサイトから無料ダウンロードできるほか、「九戸政実検定」などにもトライできます。
こうして細かく日本各地で生まれる、自分らの町に残る武将の軌跡。それぞれに物語がありますね。
ここ近年の日本史ブームと併せ、各地方での歴史プロジェクトをこれからも歴人マガジンでは応援していきます。
この記事を読んでくれているみなさんの中で、「私の町の歴史プロジェクトを取り上げてほしい!」という方はお気軽にメッセージをくださいね!
お待ちしています。
副編集長Y
参照元:
「九戸政実プロジェクト」オフィシャルサイト