三国志ドラマに見る袁紹と陳宮
現在、チャンネル銀河で放映中のドラマ『曹操』(そうそう)が、4月28日(火)で最終回(全41話)を迎える。
本作の第38話で描かれたのが、曹操の最大のライバルでもあった袁紹(えんしょう)の死。曹操との決戦「官渡(かんと)の戦い」に敗れた袁紹の最期は、本作におけるハイライトシーンのひとつだ。
若いころは旧友でもあった両者。高級官僚ではあるが、宦官(かんがん)の子というコンプレックスを持つ曹操に対し、袁紹は名門出身の超エリートという対照的な描写がよく描かれていた。
「袁紹は威厳がある風貌だった」と史実に書かれているように、ドラマでもなかなかの貫録。反董卓(とうたく)連合軍の盟主を務めたとき(第17話)も、それにふさわしい、いかにも偉そうな振る舞いが印象的だった。
ここで今回も、同じくチャンネル銀河で放送中のドラマ『三国志 Three Kingdoms』と比較してみよう。こちらが同作の袁紹。同じ反董卓連合軍を率いていた場面だ。こちらはドラマ『曹操』と比べると少々困り顔ながら、なかなか味のある風貌。
「官渡の戦い」では堂々と兵を指揮するも、曹操の卓越した軍略と奇襲の前に敗れ去った。
ちなみに、こちらは同作『三国志 Three Kingdoms』の陳宮(ちんきゅう)だが、彼を演じているのが、冒頭で紹介したドラマ『曹操』で袁紹を演じた(スン・ホンタオ)だ。
同じ三国志もののドラマで主要人物である「袁紹」と「陳宮」を演じ分けるのだから凄い。どちらの作品でも味のある演技を披露している。ぜひ観比べてもらいたい。
最後にこちらがドラマ『曹操』の陳宮。なんとも不敵な面構えがいい。曹操の非道な振る舞いに失望する場面(第15話)では、『三国志 Three Kingdoms』とは異なる描写がされていて興味深く観ることができる。
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上永哲矢(うえなが てつや) 通称:哲舟。歴史コラムニスト、フリーライター。
『時空旅人』『歴史人』などの雑誌・ムックに、歴史や旅の記事・コラムを連載。
三国志のほか、日本の戦国時代や幕末などを得意分野とする。
イベント・講演にも出演多数。神奈川県横浜市出身。
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