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【幕末 維新無双】 鬼の副長・土方歳三 蝦夷に散る

【幕末 維新無双】 鬼の副長・土方歳三 蝦夷に散る

旧暦5月11日は土方歳三の命日です。(西暦だと1869年6月20日)
明治2年のこの日、戊辰戦争最後の戦場となった箱館五稜郭防衛戦にて、土方は35歳の若さで戦死します。現代でも大人気・土方の最後とはどんなものだったのでしょうか。

「鬼土方」と呼ばれた函館での戦いぶり

古来より日本では戦において無双の軍功を立てた将を「鬼」に例えて怖れ敬いました。吉川元春は「鬼吉川」、佐竹義重は「鬼義重」、上杉謙信の信頼厚い小島弥太郎は「鬼小島」と呼ばれています。

そして、幕末維新期に「鬼」と呼ばれるに相応しい人物こそ、土方歳三でしょう。函館戦争での土方の戦いぶりは、「鬼土方」ともいえるものでした。

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明治元(1868)年10月12日、土方らは、榎本武揚率いる幕府艦隊に乗船し、蝦夷に向かいます。
東北諸藩が新政府軍に降伏した中、幕軍が望みをかけたのが、蝦夷地でした。函館を拠点に建て直しを図ったのです。

榎本らは、鷲ノ木に上陸します。この上陸部隊を率いたのが土方でした。函館の新政府軍は少なく、土方らが迫ると逃亡しました。そうして幕軍は五稜郭を占領したのです。Goryokaku_Hakodate_Hokkaido_Japan02bss
次に幕軍は、土方率いる部隊が松前城下に進出。松前城を攻略しました。
函館を占領してからわずか一週間後のことでした。

まるで海賊? 敵戦艦を奪取すべく戦う土方

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明治2(1869)年1月、新政府軍が函館攻めのため、艦隊を宮古湾に集めたとの情報が幕軍に寄せられました。そこで幕軍は、新政府の新営艦・甲鉄艦を奪おうとします。この甲鉄艦奪取を狙った宮古湾海戦に土方も参加します。

作戦は船を接舷して甲鉄艦に飛び移り、艦を奪って逃走するものでした。この戦法をアボルダージュといいます。海賊のような戦い方といえばわかりやすいでしょう。

当初3艦で戦う予定が、不運にも嵐でそのうちの2艦とはぐれ、土方の乗った艦だけが宮古湾にたどり着きました。この状況にも関わらず、土方は作戦を決行します。

まず、自艦にアメリカ国旗を掲げて湾内に侵入。接舷直前に幕軍の旗を掲げて攻撃を開始しました。船籍を偽るのは卑怯だと思われるでしょう。
しかし、これは国際法である「万国公法」で認められた戦術でした。

土方らの突撃は新政府軍を混乱させましたが、一方の甲鉄艦にはガトリング機関砲(機関銃のような火器)があったのです。この機関砲に対応しきれず、土方らの作戦は失敗に終わったのです。

新政府軍を撃退 二股口の戦い

4月9日、新政府軍2000人が蝦夷地乙部に上陸を開始します。
土方は迎撃のため300の兵を率いて出陣し、二股口で激戦が繰り広げられました。

土方が要所に配置した兵による銃撃と白兵戦は、新政府軍を悩ませます。
それから十数日間に渡って一歩も引かぬ戦いぶりを見せますが、背後にあった木古内が陥落したことで孤立する恐れが出たため、撤退を余儀なくされてしまいます。

箱館大戦争之図 wikipediaより

箱館大戦争之図 wikipediaより

そして運命の5月11日

新政府軍は幕軍を各地で破り、ついに函館を包囲しました。そして、5月11日、函館に向けて総攻撃を開始したのです。

七重浜において幕軍が押されていると知った土方は、少数の兵を率いて救援に向かい、新政府軍を押し返します。その時、味方の軍艦が敵艦を撃沈する光景が、一本木関門で指揮を取る土方の目に飛び込んできました。「この機を逃すな」と味方を鼓舞し、土方は戦い続けます。

しかし、馬上から剣を振るって指揮する姿はあまりにも目立ちました。鬼のように戦う土方に、銃弾が命中。落馬した土方の許に兵士が駆け付けると、既に絶命していたのです。享年35歳でした。

一時盛り返していた幕軍も、土方の死で士気を削がれ、敗走することに。
この日の戦いで、函館市街は新政府軍の手に落ちました。その6日後、函館五稜郭に籠った幕軍も降伏しました。
精神的支柱になっていた土方は、函館の幕軍の戦闘意欲を左右するほどの存在だったのでしょう。その土方が死んだ5月11日は、戊辰戦争が事実上終結した運命の日になったと言えます。

毎年5月には箱館五稜郭祭が開催されます。
土方はじめ、函館で眠る多くの霊に会いに、足を運ばれてはいかがでしょうか?
http://www.hotweb.or.jp/goryokaku-sai/

(黒武者 因幡)

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