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【 起源は室町時代 】日本の冬の風物詩・こたつの歴史500年

【 起源は室町時代 】日本の冬の風物詩・こたつの歴史500年

寒さが本格的になってくると恋しくなるのが、「こたつ」ですよね。こたつにミカンは日本の冬の風物詩とも言われました。
こたつの起源は室町時代まで遡り、ざっと500年の歴史があります。そんなこたつの歴史を、かいつまんでご紹介します。

こたつは日本人の生活に適した暖房器具だった

THE・こたつ

THE・こたつ

そもそもなぜ日本でこたつが生まれたのでしょうか。それは日本の住環境と深く関わっていました。
日本の家は風通しが良いように作られていました。これは夏の暑さ対策の一環と考えられており、鎌倉時代末期に記された『徒然草』では、「家の作り方は夏に合わせるのが良い」と書いてあります。

夏には過ごしやすさをもたらす風通しの良さは、冬には隙間風として寒さをもたらします。
気密性が乏しいので、部屋全体を温めるのは効率が悪い。さらに冷たい空気は下に溜まりやすく、下半身を特に冷やします。
日本ならではの床に座るスタイルがさらに下半身の冷えに繋がったことでしょう。部屋ではなく直接下半身を温めるこたつは、実に理にかなった暖房器具だったのです。

こたつの起源は囲炉裏の上に服をかぶせたもの

室町時代のこたつは、熱源として囲炉裏を使いました。消えかけの炭に灰をかぶせ、囲炉裏の上に脚のついた台を置いて、布団をかぶせるというものです。
江戸時代になると、囲炉裏の上に櫓を組み布団をかぶせるスタイルに変わっていきます。

江戸後期の炬燵(深川江戸資料館展示)

江戸後期の炬燵(深川江戸資料館展示)

また、他にも様々なスタイルのこたつが生まれていきます。
まず、囲炉裏を床より下にし、床の高さに足場として櫓を置く。さらに一段高い櫓を組んで、その上から布団をかぶせるこたつも生まれました。江戸時代当時は「掘りごたつ」と呼ばれました。現代でイメージする「掘りごたつ」は、江戸時代当時は「腰掛けごたつ」と呼ばれていたそうです。
この頃はまだ足場と囲炉裏の高さが同じ。そのため火傷や火事も多くありました。

囲炉裏を足場よりさらに低く掘った腰掛けごたつは、明治時代にイギリス人によって考案されたと言われています。
これによって火傷や火事の心配は減りましたが、代わりに炭の補充や灰の掃除がしにくくなり、また空気がこもりやすく一酸化炭素中毒が増えたようです。

電気ごたつの普及は戦後ようやく

現代では主流である電気ごたつの誕生は、大正時代末期。ですが普及したのは戦後のことでした。

一時期は需要が減ったようですが、長方形タイプ、1人用など様々なスタイルのこたつが誕生し、少しずつ人気を取り戻しているようです。

ひとり用のこたつ。欲しいかも・・・(メトロ電気工業)

ひとり用のこたつ。欲しいかも・・・(メトロ電気工業)

日本人に寄り添い変化を続けるこたつ

日本人の生活スタイルと共に少しずつ変わりながら生き続けるこたつ。
こたつの来し方行く末にぼんやり思いを馳せながら、この冬はこたつにみかん、なんていかがでしょうか。

(Sati)

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