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【 不倫も一因? 】皇族に摂関家、武家までも…平安時代に起きた骨肉の争い・保元の乱

【 不倫も一因? 】皇族に摂関家、武家までも…平安時代に起きた骨肉の争い・保元の乱

平安末期、源氏と平氏が激しく争うようになる直前のこと。武士が台頭するきっかけとなった争いがありました。それが保元の乱です。皇位継承と摂関家の内紛が元でしたが、実はその影にはとある高貴な人物の不倫があったとも言われているのです。今回は保元の乱に至る過程とその後の影響について、大河ドラマ「平清盛」のシーンとともにご紹介します。

皇位継承問題の影に不倫あり!?

「お父さんはおじいちゃん?おかげで苦労は絶えなかった…」
崇徳上皇像『天子摂関御影』

崇徳天皇の時代、実権は祖父の白河法皇が握っていましたが、白河法皇が没すると崇徳天皇の父・鳥羽上皇が法皇となりました。(譲位した天皇を上皇、上皇が出家すると法皇と呼ばれる)
すると鳥羽法皇はすぐさま別の皇子を皇位につけて近衛天皇とし、崇徳天皇を上皇にしてしまいます。この時、崇徳上皇は弱冠21歳。

鳥羽法皇が崇徳天皇を上皇にした背景にはある噂がありました。
実は、故・白河法皇と鳥羽法皇の妃・待賢門院璋子が男女の関係にあり、崇徳上皇は白河法皇の子だというのです。つまり崇徳上皇は祖父・白河法皇の不倫によって生まれた子ということになります。真偽は不明ですが、その後の親子の関係を見ていくと、それも頷けるかもしれません・・・。

大河ドラマ「平清盛」でも璋子(檀れい)と白河法皇(伊東四朗)の密会シーンが…
ⒸNHK

近衛天皇は若くして亡くなってしまうと、今度は崇徳上皇の弟・後白河天皇が皇位に就きました。院政は兄弟関係では成り立たないため、崇徳上皇は実権を手にすることはできず、鳥羽法皇と後白河天皇に恨みを抱くようになるのです。

藤原摂関家のドロドロな人間関係

当時の藤原氏の氏長者は、関白・藤原忠通でした。しかし彼は男子になかなか恵まれず、やむなく異母弟の頼長を養子とします。ところがその途端に男子が生まれたため、養子縁組は破棄してしまいました。

頼長が自分の養女を近衛天皇に入内させると、忠通も競うかのように養女を送り込みます。こうした事態に立腹した2人の父・忠実は、忠通から氏長者の地位を奪い、頼長を据えました。さらに、関白とほぼ同等の位である内覧の地位が頼長に与えられたことで、兄弟の溝は決定的なものとなりました。

大河ドラマ「平清盛」では忠通を堀部圭亮さん、頼長を山本耕史さんが演じている
ⒸNHK

頼長は有能でしたが、妥協を許さない性格が災いし、「悪左府」と呼ばれて鳥羽法皇の心証を悪くしていました。ちょうどその頃、近衛天皇が崩御し、後白河天皇(忠通一派の推す守仁親王の父)が即位することとなり、両陣営の仲はさらに険悪になります。そして、近衛天皇を呪ったという疑いをかけられた頼長は失脚してしまったのです。

天皇家も貴族も武士までも…保元の乱は骨肉の争い

鳥羽法皇が崩御すると、後白河天皇側から「崇徳上皇と左府(頼長)は結託して兵を挙げようとしている」という噂が流され、頼長は謀反人の咎を受けます。崇徳上皇は身の危険を感じて御所を脱出。追いつめられた彼らは、兵を挙げるしかなくなっていました。

頼長や崇徳上皇に味方したのは、忠実の家人にして源氏の棟梁・源為義と八男・為朝、平清盛の叔父・忠正らでした。一方、後白河法皇側には為義の息子・義朝や平家の棟梁・清盛らが付いたのです。まさに骨肉の争いでした。

清盛(松山ケンイチ)と叔父の忠正(豊原功補)も骨肉の争いを繰り広げる
大河ドラマ「平清盛」より ⒸNHK

7月11日未明、後白河天皇側の義朝や清盛らは、崇徳上皇らのこもる御所へ攻め込み、戦闘が始まりました。義朝が献策した御所への放火案が容れられ、崇徳上皇側は大混乱。戦いは4時間余で決着がついたのでした。

保元の乱を通じて武士の時代に

崇徳上皇は捕らえられ、讃岐(香川県)へ配流となります。頼長は逃亡途中に重傷を負って亡くなりました。また、崇徳上皇に付いた源為義や平忠正は斬首に処せられ、平安初期に起きた薬子の変(平安時代初期に起きた平城上皇と嵯峨天皇の対立)以来の死刑復活が人々に大きな衝撃を与えました。

武士の力に頼った保元の乱は摂関家の弱体化をもたらし、力こそすべてという武士の時代が到来したのでした。
一方、功績目覚ましかった義朝よりも清盛への恩賞が篤かったことが、後の平治の乱での両者の対立へとつながっていくのです。源平の死闘の始まりの一因が不倫だったとすれば、何とも歴史は複雑ですね。

(xiao)

大河ドラマ「平清盛」

放送日:2017年8月5日(土)スタート 毎週土曜 朝7:30~ 2話連続
番組ページ:http://www.ch-ginga.jp/feature/kiyomori/



【ストーリー】
元永元年(1118年)、京都。貴族の世は乱れ、武家である平氏の嫡男、忠盛(中井貴一)も朝廷に命じられるまま盗賊の捕縛などをしていた。ある日、忠盛は貧しい身なりの女性と出会う。舞子(吹石一恵)というその女性はかつて御所に出入りしていた白拍子で、時の最高権力者、白河法皇(伊東四朗)の子を身ごもっていた。忠盛はお腹の子を殺されることを恐れ逃げてきた舞子をかくまう。忠盛の家の納屋で、舞子は出産。その赤ん坊こそが後に平家の棟梁となる平清盛(松山ケンイチ)であった。

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