
突然ですが、眼帯をした武将といえば誰を思い出しますか?
なぜか眼帯をつけると5割増しでカッコ良く見える・・・あれはどうしてなんでしょうか。
しかし、眼帯と言ってもドラマで見るものは様々ですよね。そもそも本当に眼帯をしていたのか、していたならどんなものでできていたのか、気になるところです。
今回は、眼帯姿が有名な武将を3人ご紹介していきましょう。
眼帯を有名にした独眼竜・伊達政宗

眼帯と言えば、やはり伊達政宗を思い浮かべる方は9割超ではないかと勝手に推測しています。
政宗が右目を失った理由は、幼い頃に患った疱瘡が原因でした。これによって右目が飛び出してしまい、側近の片倉小十郎が切り落としたという説もあります。
昭和に入ってから、映画やドラマで刀の鍔の眼帯をつけて描かれていた印象が強かったと思いますが、どうもこれは物理的に無理があるようです。
刀の鍔は鉄製でとても重く、紐で長時間結わえつけておくことはかなり難しいでしょう。鍔のように見える軽い素材でもあったなら話は別ですが・・・。
肖像画の政宗は、彼の命によって両目が描かれているものもありますが、隻眼のものもあります。しかしそれも眼帯はしていません。
では、彼は右目をどのように隠していたのでしょうか。
「真田丸」での政宗は白い布を眼帯のように巻いていますよね。佐竹文書にも「白き布にて右目を隠し」という記述があるので、実際は布を巻いていたのかもしれません。
武田信玄の軍師!山本勘助

武田信玄の軍師として有名な山本勘助。
資料や記録に乏しく謎が多い人物ですが、彼も隻眼といわれていますね。
片目を失明した理由として、薪取りに山に入ったところ猪に遭遇し、素手で立ち向かったが片目を負傷してしまったという話が伝わっていますが、不確かなようです。
武田氏の菩提寺である恵林寺には勘助の肖像画がありますが、そこに描かれた勘助は、右目はつぶれているものの眼帯はしていません。
今川義元に仕えようとしたところ、異形であるためかなわなかったという話もあるので、眼帯はしていなかったのかもしれませんね。やはり謎に包まれています。
ただ、大河ドラマ「風林火山」では眼帯の勘助が描かれています。最初は布きれですが、やがて貝や黒革を使ったカッコイイものになっていきます。

(C)NHK
【軍師・山本勘助の夢と野望に満ちた生涯を描く】大河ドラマ「風林火山」
放送日:2017年2月18日(土)スタート 土曜 朝7:00~ 3話連続
番組ページ:http://www.ch-ginga.jp/movie-detail/series.php?series_cd=1845
江戸の剣豪・柳生十兵衛は隻眼・眼帯!?
徳川家光に仕えた剣豪・柳生十兵衛こと柳生三厳も、若い頃に失明したという伝説があります。
剣の稽古中に父の木剣が当たったためであるとか、父が十兵衛の力量を見極めるために小石を投げつけたところ、それが目に当たってしまったためであるなど諸説あるようです。
ただ、十兵衛の肖像画には両目があり、隻眼であるという記録もないため、実は隻眼でも何でもなかったとも考えられます。
けれど、やはりドラマや小説のせいか、眼帯をしたカッコイイ剣の達人というイメージが強いですよね。
実際のところ、隻眼であったとしても眼帯などで隠すことは少なかったのかもしれません。
他にも隻眼の武将の話はありますが、どれも眼帯をしていたという話はないのです。
どうしても見た目のインパクトが強いために、一度ドラマで眼帯姿が描かれればそのイメージが定着してしまいがち。
それでもカッコ良く描かれるわけですから、それはそれでアリでしょうか?
(xiao)
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画像:大河ドラマ『風林火山』©NHK
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