科学が発達したことから、驚くような研究方法で次々と新しい事実が解明されていく歴史。ついこの間までは常識だったものが、今では間違いとされていることも少なくありません。
また、新しい切り口で描かれた歴史物語もどんどん増え、夢が広がるばかりの歴史界。そこで今回は、2016年注目を集めている歴史系書籍を5冊紹介します。
映画「殿利息」の原作で話題!人に尽くして生きた実在の人物を描く『無私の日本人』
フィギュアスケート選手・羽生結弦が殿役で出演していることでも注目を集めている映画「殿、利息でござる!」の原作小説。作者は「武士の家計簿」の磯田道史。藩士に対して金を貸し、利子で得た儲けで村を貧困から救った商人・穀田屋十三郎の他、仕官を断り庶民に学を教えた中根東里、不幸な結婚後に出家し静かに暮らした太田垣蓮月の生涯を描いています。
関連記事:羽生結弦が仙台藩藩主に!ただのコメディ映画じゃない『殿、利息でござる』
通称「レキドク」が医療から歴史を紐解く!『偉人たちのカルテ 病気が変えた日本の歴史』
テレビでも大人気、現役整形外科医にして小説家の篠田達明が、史料を元に歴史上の人物を“診察”する「レキドク」シリーズの一冊。2004年に出版された『病気が変えた日本史』の加筆修正版です。飛鳥時代から明治時代までの著名な人物を、1人数ページずつ取り上げながら各時代の病のトレンドと医療状態にも迫ります。
高熱で水風呂を沸騰させたという平清盛の病名や、蚊に刺されたことが死の原因となった足利尊氏、薬好きがあだとなって寿命を縮めた徳川家康など、歴史好きが楽しめるエピソードが満載です。
ブラタモリ案内人が地形から京都の歴史を探る『京都の凸凹を歩く -高低差に隠された古都の秘密』
歴史ファン垂涎番組でもある「ブラタモリ」に最多出演している案内人・梅林秀行初の著書。
地図や絵画などの史料と最新技術による3D地図を駆使して京都の地形を解き明かし、そこから見える歴史の面白さを紹介しています。京都好きはもちろん、「土木マニア」秀吉についても掘り下げていて、戦国・秀吉好きは要チェックです。
上杉謙信=女説を人気漫画家・東村アキコが描く本格歴史漫画『雪花の虎』
荒唐無稽と切り捨てるには信憑性がある上杉謙信=女説。
この説に基づいて東村アキコが腕白少女・謙信の生涯を描く大河ロマン漫画です。現代女性の姿と重なる部分も多く、少女漫画としても楽しめ、また歴史考証もしっかりとされていて歴史好きも納得の内容と評判。テレビでも紹介され、ますます注目が高まっています。
今最も話題の歴史漫画!春秋戦国時代の大陸を少年が駆け巡る『キングダム』
紀元前250年頃の中国大陸。春秋戦国時代を舞台に大将軍を目指す孤児・信と、後の始皇帝・秦王政の活躍を中心に戦乱と中華統一を描いた漫画。作者は原泰久。累計2000万部突破、手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞に加え、ゲームやアニメなどのメディア展開もされ、今もっとも熱い歴史漫画のひとつです。
いかがだったでしょうか。
どれも独特の切り口から歴史に迫った名著。新しい刺激を受けながら歴史の面白さと改めて向かうきっかけになれば幸いです。
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