戦国時代、戦いの規模が全国へ拡大していくなかで、制海権を握る「水軍」の存在は大変に大きなものでした。
特に小島が多く流れの急な瀬戸内海を拠点とした「村上水軍」は、人気作家 和田竜さんの小説「村上水軍の娘」で上下巻75万部のベストセラーとなり、映画化もされたほど。
今回はその村上水軍について調べてみました。
海のいくさはお手のもの、織田信長の水軍にも大勝!
村上水軍の最も古い歴史は、南北朝時代に登場します。
瀬戸内海の小島に発生した村上一族は、平安時代以降、京の都への運送量の増加に伴い輸送経路として使われはじめた瀬戸内海一帯の海運を取り仕切っていたとされています。
瀬戸内海の小島にそれぞれ本拠を構え、能島村上氏、因島村上氏、来島村上氏という3つの家に分かれて活動し、海上に関を設定して通行料を徴収したり、水先案内人の派遣や海上警護請負などを行っていたそうです。
戦国時代には3家は時に争いもしながらも中国地方一帯に勢力をもつ毛利家の水軍として、数々の戦いに参加し大活躍。木津川口海戦と呼ばれるいくさでは、織田信長の軍勢に大勝したこともあるそうです。
しかし関ヶ原の戦いでは西軍に与して負け、防長二国に移封になった毛利家長州藩の船組手として、幕末までを迎えました。
「日本最大の海賊スピリット」は今でも伝承されている
さて、そんなふうに歴史の波に翻弄された村上水軍でしたが、因島村上氏の本拠である因島では、未だにそのスピリットが受け継がれているようです。
それを象徴するのが8/27、28の週末に開催される「因島水軍まつり」。
6月に開催の島まつり、8月に開催の火まつりと海まつりという、3部に分かれて開催されるお祭りです。
火まつりでは、火に照らされた夜の浜に鎧武者が集結。
甲冑武者たちの大松明の練りまわしと、クライマックスに花火が打ち上がるという豪華な演出が魅力です。
またもう一つの目玉は、水軍が闘いに勝利し、因島に帰るときに鳴らす凱旋太鼓に併せ、飛んで、はねて、踊りながら水軍を迎えた島人たちの風習を復活させた「因島村上水軍跳楽舞」のコンテスト。
市内の団体、企業、グループなどでチームを作り、多くの市民がリズミカルな踊りを楽しんでいます。
昨年2015年に優勝した「スタジオSHIPおどり隊!!!」のかわいい動画をご覧ください。(4:00)
翌日の海まつりもまた圧巻。
村上水軍が使っていたとされる「小早船」という小型の木造船に、櫂のこぎ手と舵取りの船頭、太鼓を打つ人の計16人が乗り込み、約1.2キロメートル(2部は0.9キロメートル)のコースで速さを競う「小早レース」が繰り広げられます。
出場チームはなんと毎年50チーム以上。
7月になると毎日のように、練習するチームを見ることができ、海上からの太鼓の音が鳴り響くその光景は、因島の夏の風物詩になっているのだとか。
さて、いかがでしたか?
今年はみなさんも因島に出かけ、大暴れした村上水軍のDNAをこの2日間で満喫されてみてはいかがでしょうか?
「因島水軍まつり」概要:
●火まつり
武者・跳楽舞をはじめとする、見て参加して感動するまつり
日時:2016年8月27日(土)17時~(花火は20時45分~)
場所:因島アメニティ公園・しまなみビーチ●海まつり
小早レースを中心に汗を流し、競い合うまつり
日時:2016年8月28日(日)8:30~(※悪天候の場合は、9月4日(日)へ順延)
場所:因島アメニティ公園・しまなみビーチ
参照元:
「因島水軍まつり」オフィシャルサイト
編集長Y
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