戦国時代の天文12年(1543年)ポルトガルから種子島に伝えられたたった2丁の鉄砲により、日本の戦史は今までにない大変化を遂げ、新たな時代がはじまりました。
このころ、紀州(現在の和歌山県)西部の雑賀郷を拠点に、職人らを中心とする自治集団「雑賀衆」が存在していました。
交易を盛んに行っていた雑賀衆は、日本に伝わった2丁の鉄砲のうち1丁を譲り受け、優れた技術で試作を繰り返した末、ついに自らで鉄砲を量産、武装するに至ります。
これが戦国史に名高い雑賀孫市をはじめとする「雑賀衆」で、各地で戦乱が頻発する戦国時代、各地の戦国大名から要請を受ける傭兵集団としてその名を轟かせることになります。
最新鋭の兵器をもつ最強武装集団であった彼らは各地で大暴れ。一時は「雑賀を制すものは全国を制す」という言い伝えまであったそうです。大名、寺社勢力どの勢力にも属さずに豊臣秀吉が全国を統一するまで、その孤高のポジションを守りぬいたその生き様に魅力を感じる戦国ファンも少なくありません。
今回、その雑賀衆をモチーフにした、二人の人気作家による戦国ファンタジー「ヤタガラス(八咫烏)」をご紹介したいと思います。
まず私が目を惹かれたのが、「ヤタガラス」と呼ばれ恐れられる主人公「雑賀孫十三(さいがまごじゅうぞう)」の眼力。
雑賀衆についてはそのスタンスがかっこいいな、と以前から好きだった私ですが、果たしてどんな話なんだろう?という興味をそそられたのが今回の記事を書くきっかけとなりました。
このヤタガラスは、主人公である十三が相棒の四朗と「暗殺者」として歩むさまを描いた創芸社より出版の戦国ファンタジーノベル。
リリースからの引用では「すべては銭のため……、姉のため……。 受けた依頼は必ず果たす。その的は絶対に外すことがない。信じられないところ から飛んで来る銃弾に、みな恐怖した。」とあります。まさに戦国時代のゴルゴ13のような男だ・・
「ヤタガラス」というのは、日本神話で神武天皇が東征する際に、熊野国から大和国への道案内をしたとされる三本指のカラスにちなんでつけられた名前。
「カラスの鳴き声のように響くその銃声を聞いた時には、誰かが必ず死に至る」という恐ろしい男なわけですが、なぜ彼がそのような暗殺稼業につかねばならなかったのか、彼の出自を含めて物語が展開していきます。
この「ヤタガラス」は、鉄道ファンに大人気の『RAILWARS! -日本國有鉄道公安隊-』(現在11巻まで発刊 創芸社)の著者 豊田巧さんと、アニメやゲームのキャラデザインで女性から絶大な人気(なんとtwitterフォロワー14万人超!)を誇るイラストレーター カズキヨネさんのコンビによる作品。
最近はこのように、人気作家とイラストレーターがコラボした「ライトノベル」(通称ラノベ)と言われるジャンルが大変人気だとのこと。女性歴史ファンだけでなく、男性歴史ファンをも虜にさせる作品に仕上がっています。
イラストに魅せられた方も物語の設定に興味をそそられた方も、この「ヤタガラス」をきっかけに戦国ライトノベルというジャンルにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?てか、自分がハマりそう。。。(笑)
副編集長Y
参照元:
「ヤタガラス」創芸社オフィシャルサイト内
「創芸社」オフィシャルサイト
「和歌山市ゆかりの人物」和歌山市オフィシャルサイト
イラスト:カズキヨネ
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