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【 ジューンブライドっていつから? 】 実は知らない日本の結婚式の歴史

【 ジューンブライドっていつから? 】 実は知らない日本の結婚式の歴史

6月と言えばジューンブライドです。
一般には6月に結婚式を挙げる事を言いますが、そもそも日本では一体いつ頃から「結婚式」を挙げるような歴史が生まれたのでしょうか。
今回は、日本で結婚式が行われるようになった由来と、ジューンブライドが広まった理由を紐解いていきます。

日本の結婚式の起源は分からない

日本の結婚式の起源は、実はよく分かっていません。
しかし「日本書紀」や「古事記」に記された日本神話におけるイザナミとイザナギだという説が有力です。

日本神話に登場する男神・イザナギと、その妹であり妻の女神・イザナミ
日本神話に登場する男神・イザナギと、その妹であり妻の女神・イザナミ

それによると、天之御柱を中心にイザナミが右回りに回り、イザナギが左回りに回り、出会ったところで結ばれたことが結婚式の起源であるとされています。

平安時代には披露宴の先駆け「露顕」が行われる

平安時代になると、披露宴の先駆けとなる「露顕」(ところあらわし)が行われるようになります。
まず男性が女性の家に3夜続けて通い、女性の家では3日間男性とその従者をもてなします。3日目に妻側の関係者のみを呼び、新郎新婦を披露するために「露顕」を開くのですが、これが現在の披露宴の先駆けとなっているそうです。

江戸時代の結婚式は夜21時から開始

江戸時代の結婚式のイラスト
江戸時代の結婚式のイラスト

江戸時代初期には新郎の家に新婦や仲人、両家の身内を集めていわゆる祝言を行うようになります。
新婚生活の初日に、新婦の家で祝いの席がもうけられることがあったそうですが、それも21時頃という遅い開始時間だったそう。
また武士の結婚は新婦が新郎の家に行って新婚生活が行われますが、庶民の間では新郎が新婦の家に行って新婚生活をする「婿入り婚」が多かったそうです。

明治時代に神前式が誕生

庶民の間では自宅で行われることが多かった結婚式ですが、明治18年になると日蓮宗の僧侶・田中智學によって仏前結婚式の規定が定められ、、仏教史上初の正式な結婚式とされます。

さらに明治33年、大正天皇(当時は皇太子嘉仁親王)と九条節子公爵令嬢が正装した二人が神の前で夫婦の誓いを立てる結婚式を行いました。
この皇族の結婚式が社会的に大きな反響を呼び、民衆の間で二人の結婚の儀をまねて神前結婚式が広まっていき、現在の結婚式につながっていきます。

ジューンブライドの由来は

6月に結婚すると幸せになれると言われる「ジューンブライド」ですが、その起源は何なのでしょうか。
ジューンブライドの起源は神話時代の女神ユノ(ジュノー)が由来です。
ユノが結婚の守護神であることから、6月に6月に結婚するカップルはユノの加護を受け幸せになれると言われています。
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ジューンブライドはヨーロッパ発祥ですが、日本ではどのようにして広まったのでしょう。
そこには意外な秘密が隠されていました。
日本の結婚式は主に屋外で行われておりました。そのため、梅雨の時期である6月に結婚式を挙げるカップルはほとんどいませんでした。
そこでブライダル会社は閑散期の打開策として「6月に結婚すれば幸せになれる」と言われるユーノの話を広めます。
その後、この話を聞いた日本人にジューンブライドが受け入れられ、6月に結婚式を挙げるカップルが多くなったというわけです。

日本の結婚式は非常に深い歴史を刻んでいます。
ジューンブライドの起源がブライダル会社の経営戦略というのは、ちょっとロマンに欠けますが・・・。
もしジューンブライドの由来を聞かれたら誰かに話してみたらどうでしょうか。

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