倒幕から王政復古、江戸城無血開城、戊辰戦争と、主導的役割を果たした西郷隆盛。多くの史料とともに彼の生涯を紹介する通年特別展「大西郷展」が、幕末維新ミュージアム「霊山歴史館」(京都府)で開催されています。3月18日(日)までの第1期は「西郷隆盛と薩摩藩」と題し、西郷が京都で活躍した時代や西南戦争の状況を約100点の史料で紹介。幕末ファンはもちろん、大河ドラマ「西郷どん」がより楽しめる、その見どころをご紹介します。
西郷の肖像画や直筆の詩書を展示
幕末・明治維新期の歴史を総合的にとらえて研究する霊山歴史館。今回開催される「大西郷展」は、明治維新の立役者である西郷に焦点をあて、多くの資料でその生涯を辿ります。
第1期は「西郷隆盛と薩摩藩」では、西郷が京都で活躍した時代や、西南戦争の状況を中心に、約100点の史料で紹介。さらに、西郷を取り巻く坂本龍馬や新選組の史料も展示されるなど、幕末の京都が俯瞰できる内容になっています。
今回の注目は西郷の肖像画。西郷が維新後に鹿児島に戻ってから描かれたとされるイヌを連れた肖像画が展示されます。鹿児島に戻ってから、趣味のウサギ狩りを楽しんでいたという西郷の素顔が見られるようですね。
西郷に関する史料はもちろんのこと、西郷が大山巌に送った直筆の詩書や、大久保利通にあてられた斬奸状(写し)、島津斉彬の和歌や月照の扁額など、西郷の運命を大きく変えた人物たちの貴重な史料も展示。「西郷どん」の予習にもぴったりです。
西郷隆盛と西南戦争
さらに、西郷が私学校の設立に際して揮毫した祭文など、西南戦争関係の史料も数多く展示されます。
私学校は、下野した西郷隆盛が、陸軍士官養成のための旧鹿児島城内に設立したもの。目的は不平士族の暴発を防ぐためにあったとされ、入学できるのは士族、それも元城下士出身者に限られていました。しかし明治10年(1877)、大久保利通らが陰謀を企てたとして激高した同校生徒が鹿児島の鎮台の弾薬庫を襲撃。これがきっかけとなり西南戦争が起こります。
鹿児島県、熊本県、宮崎県、大分県と九州の広範囲で行われた西南戦争。その最後の戦地となった城山での戦闘の激しさを伝える錦絵も展示。また、城山で自刃した西郷を介錯したとされる刀(個人蔵)も必見です。
西郷のことはもちろん、坂本龍馬と薩長同盟、新選組と池田屋事件に関する史料も見られるというお得な構成。
しかも今なら、土方歳三所用の刀「大和守源秀國」や、近藤勇所用の刀「阿州吉川六郎源祐芳」も展示されているので、刀剣ファン、幕末初心者にもおすすめです。
この後も第2期「西郷隆盛と安政の大獄」が、2018年3月20日(火)〜5月13日(日)に開催。この機会にぜひ、足をお運びください。
(編集部)
通年特別展「大西郷展」
第1期「西郷隆盛と薩摩藩」開催期間:2018年1月3日(水)〜3月18日(日)
開催時間:午前10時〜午後5時30分
※3月9日(金)~3月10日(日)は午前10時~午後6時30分
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日
※3月5日(月)と3月12日(月)は開館
開催場所:幕末維新ミュージアム「霊山歴史館」
お問い合わせHP:幕末維新ミュージアム「霊山歴史館」
http://www.ryozen-museum.or.jp/index.html
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