【三国志の後ってどうなったの?】5分でわかる中国の歴史(後編)

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【三国志の後ってどうなったの?】5分でわかる中国の歴史(後編)

先日公開したこちらの記事では、中国歴史ビギナー向けに、中華最古の王朝から最も有名な『三国志』の時代に至る長い歴史をぎゅっとまとめてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?

今回は中国歴史ビギナー向け第二弾!『三国志』以降の中国歴史をぎゅぎゅぎゅっと凝縮してご紹介したいと思います。(なお、前回同様に3分でまとめようとしたのですが、あまりに無理があったため今回は「5分でわかる」となっています・・・笑)

前回の記事と併せて読めば、あなたも中国歴史マスターになれるかも!?

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様々な民族が争う乱世の時代(晋~五胡十六国時代~南北朝時代)

『魏』『呉』『蜀』の三国時代を制して中国を統一した司馬炎の『晋(しん)』でしたが、皇位を巡る王族の内乱に乗じた異民族の匈奴(きょうど)によって滅ぼされてしまいます。

晋が滅びると中国は再び混乱の時代へ。華北では5つの異民族が国家を建国し、五胡十六国時代に突入します。一方、江南に逃げた司馬一族は『東晋(とうしん)』を建国。以後、隋によって再統一されるまで中国は南北に分裂し、それぞれ新たな王朝が入れ替わりながら独自の歴史を展開していきます(南北朝時代)。


<ピックアップ!オススメドラマ>

琅琊榜―麒麟の才子、風雲起こす―
南北朝時代をモデルとした中国の架空の時代を舞台に、政変に巻き込まれながらも一命を取り留めた主人公・梅長蘇(ばいちょうそ)が、家名の名誉回復のため、皇位をめぐる権力争いに身を投じていく宮廷復讐劇。

©2015 China International TV Corporation. All Rights Reserved. 提供:博報堂DYミュージック&ピクチャーズ/アジア・リパブリック9周年

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隋の中国再統一と滅亡~唐の繁栄


北朝の帝位を譲られた楊堅(文帝)は『
隋(ずい)』を建国。589年に南朝を滅ぼし、晋の滅亡後およそ300年ぶりに中華再統一を果たします。しかし、暴君と呼ばれた2代目皇帝・煬帝(ようだい)が大運河の建設といった大規模な土木工事や外征を繰り返すと、不満をもった民衆により各地で反乱が頻発。最後は、近臣達に煬帝が殺害され、隋はたった30年あまりで滅亡してしまいます。

618年、隋の役人であった李淵(りえん=高祖)は『唐(とう)』を建国。これ以降、約300年も続くことになる唐の基礎を作り上げたのは2代目の李世民(りせいみん=太宗)でした。彼の時代の治世は“貞観の治(じょうがんのち)”と呼ばれ、君主政治の理想として称えられています。

続く3代目・高宋(こうそう)が崩御すると、皇后であった武則天(ぶそくてん 則天武后)は国号を『周(しゅう)』と改め、中国史上唯一の女帝として権力を掌握します。

唐の治世は中断し混乱も起こりますが、周は15年ほどで消滅。武則天の死後に権力を握ったのが玄宗(げんそう)でした。彼の治世は“開元の治(かいげんのち)”と呼ばれ、杜甫(とほ)や李白(りはく)といった詩人が登場するなど唐文化は全盛期を迎えます。

しかし、世界三大美女の一人・楊貴妃(ようきひ)を溺愛した玄宗が政治を疎かにし始めると、節度使(辺境警備の軍人)による安史の乱や、塩密売商人らによる黄巣の乱が起こり唐は滅亡します。

この隋建国から唐滅亡までを描いた通俗小説が「隋唐演義」であり、現在も門神として信仰されている秦瓊(しんけい)らの活躍や、ディズニー映画で有名なムーランのエピソードなどが収められています。

<ピックアップ!オススメドラマ>

隋唐演義 集いし46人の英雄と滅びゆく帝国
隋から唐へと移りゆく激動の時代を舞台に、中国史上最悪の皇帝と言われた隋の二代目皇帝・煬帝(ようだい)を打倒するため、秦瓊ら義で結ばれた46人の英雄たちが起ち上がる。

©浙江永楽影視制作有限公司

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<ピックアップ!オススメドラマ>
武則天―The Empress―
“中国三大悪女”にして、中国史上唯一の女帝・武則天(則天武后)の生涯を描いた歴史大作。身分も低く、後宮内でも下級の側室だった彼女は、いかにして女帝まで上り詰めたのか。その大いなる野望と真実が今、明かされる。

©2014 ZheJiang Talent Television & Film Co., Ltd. All Rights Reserved

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異民族に脅かされる宋~元による中国の統一支配


唐滅亡後、小国の興亡が繰り返される
五代十国時代を経て、武将出身の趙匡胤(ちょうきょういん)によって建国された『宋(そう)』が979年に中国を統一します。

宋の時代には貨幣制度が発達し、首都の開封を中心に多様な文化が花開きました。8代皇帝・徽宗(きそう)は自らも書画の名人でしたが政治には疎く、「水滸伝」に描かれるような民衆の反乱が相次いでいきます。

異民族から常に脅かされていた宋でしたが、遼を滅ぼした女真族の金によって徽宗とその息子・欽宗(きんそう)が拉致される靖康の変により滅亡してしまいます。

その後、南方に逃げ延びた欽宗の弟・高宋(こうそう)が江南に『南宋』を興します(対してこれまでを『北宋』と呼ぶ)。将軍・岳飛(がくひ)は国土奪還を主張しましたが、宰相・秦檜(しんかい)は金と和議を結び、謀反の濡れ衣を着せられた岳飛は処刑されてしまいました。

南宋の経済や文化はそれから大発展を遂げますが、次第に国力は衰退。ついに1279年、フビライ=ハンが建国した『元(げん)』によって南宋は滅ぼされ、中国は元の支配下に置かれます。

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『フビライ・ハン』
アジアからヨーロッパに及ぶ大帝国の頂点に君臨し、世界史上に名を残す猛将にして名君、フビライ・ハンの生涯を描く大型歴史アクション。

©Beijing Sunshine Sheng Tong Culture and Arts Co. Ltd.

 

再び漢民族国家・明が成立


フビライ=ハンの死後、後継者争いに疲弊していた元で、白蓮教徒による紅巾の乱が起こります。この乱で頭角を現した漢民族の
朱元璋(しゅげんしょう)は1368年に『明(みん)』を建国すると、大都を占領して元を北方に退けます。

朱元璋(=洪武帝)は皇帝独裁体制を確立し、厳しい弾圧や粛清による恐怖政治を敷きます。彼の死後、後継者争いを制して1402年に即位した永楽帝(えいらくてい)は都を北京に移し、モンゴル・ベトナム遠征により領土を拡大。さらに鄭和(ていわ)に大艦隊を率いて南海大遠征を行わせるなど積極的な対外政策を進め、明の全盛期を築きます。

しかし、16世紀になると北虜南倭(モンゴル系の北方民族と南方海域の倭寇)の脅威によって明は衰退。最後は農民反乱軍によって北京が陥落(李自成の乱)、崇禎帝が自殺し明は滅亡します。

中国最後の王朝・清

農民反乱軍によって1644年に明は滅亡しますが、その後の中国を支配したのは女真族の『清(しん)』でした。

女真族は12世紀はじめに金という国を作り、宋を衰退させた民族です。モンゴル帝国によって金は滅亡しましたが、ヌルハチが『後金』を建国して明から独立。1636年には息子のホンタイジによって国号を『清』としていました。清軍は、農民反乱軍を鎮圧して北京を占領、清の順治帝(じゅんちてい)が中国皇帝として即位します。中国は再び異民族の支配下に置かれることになりました。

清は征服王朝でありながら、元とは違い中国文化を尊重する支配を行います。代表的なものが満漢偶数官制で、重要な官職は満州族と漢民族を併用しました。一方で、女真族独特の辮髪(べんぱつ)という髪型(いわゆるラーメンマンカット)を漢民族に強制するなど、ムチの政策も行いながら支配体制を強めていきます。

モンゴルやチベットを含み史上最大の中華帝国となった清でしたが、19世紀になると欧米列強の外圧が激しくなり、アヘン戦争や太平天国の乱、日清戦争、義和団事件などによって国力は衰退。やがて孫文らによる革命運動が激化すると、1911年の辛亥革命で中華民国が成立、秦の始皇帝から続いた皇帝制度は終焉、清は最後の王朝となりました。

<ピックアップ!オススメドラマ>
皇貴妃の宮廷
清朝を黄金時代へと導いた第3代皇帝・順治帝(じゅんちてい)と漢民族出身の皇貴妃・董小宛(とうしょうえん)の苦難に満ちた愛の日々を描く宮廷歴史ドラマ。

©New Classics Television Entertainment Investment Company Limited Chinese Entertainment Tianjin Limited

三国志以外にも中国歴史には見どころがたくさん!


三国時代の終わりから清の時代までを一気にご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?学生時代に世界史で学んだことを思い出して「あー!こんなのあったあった!」なんていう人も多かったのではないかと思います。

日本で最も有名なのは三国志ですが、その他にも中国歴史には面白い歴史物語がたくさんあります。記事の中で紹介したドラマだけでなく、小説やゲームなど様々な中国歴史を題材にした作品がありますので、ぜひぜひチェックしてみてください!

編集部I

※更新:2017年5月23日

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