
徳川家康公はじめ、代々引き継がれてきた尾張徳川家や各地から寄贈された大名道具を所蔵、展示している「徳川美術館」。
財団法人徳川黎明会により、昭和10(1935)年に開館以来、通常展示以外にも数々の企画展を開催、その所蔵品の豪華さ、貴重さに毎回驚かされますが、現在開催中の夏季特別展がさらに凄い!
夏休みを直前にぜひご紹介したいと思います。
ネーミングからしてゴージャス感満載
現在同美術館で開催中の夏季特別展は「信長・秀吉・家康-それぞれの天下取り-」。
天下を争った3人の武将たちの貴重な史料を一同に集めて開催されるこの展示会、今回は同美術館以外の所蔵品も併せ、1)天下人の時代 2)信長の天下 3)秀吉の天下 4)家康の天下 という構成で開催されています。
その展示品からいくつかをご紹介します。
まずは「第六天魔王」織田信長から!
重要文化財である信長公着用の甲冑。信長といえば南蛮鎧など奇抜なデザインのイメージがありますが、こちらはどちらかというと鎌倉時代の大鎧のデザインを踏襲した感じですよね。

重要文化財 紺絲威胴丸具足 建勲神社蔵 (展示:8/17~9/11)
また今回驚いたのは信長公が秀吉の正室である「おね」に送った重要美術品「織田信長書状 おね宛」。
秀吉を「はげねずみ」と呼び、夫婦喧嘩を仲裁している信長自筆の書状に、人間らしさが満載です。

重要美術品「織田信長書状 おね宛」個人蔵 (展示:7/14~8/28)
さらにもう一つ。なんと本能寺の変のあとに明智光秀が奪ったという安土城秘蔵の名刀「長光」。
国宝指定されているこの名刀以外にも、今回は「戦国名刀物語」も同時開催中とのことで、戦国武将ゆかりの名刀も勢揃いするとのこと。
こちらの展示会も併せ「一度で二度おいしい」体験ができますね。

国宝「太刀 銘 長光 名物 津田遠江長光」徳川美術館蔵
さて次は秀吉公。
おそらく出世度合いでいえば、彼以上の日本人は後にも先にもいないのではないでしょうか。
NHK大河ドラマ「真田丸」でも出てくるように、信長ゆずりの豪華で派手な美的センス。
このマントは南蛮渡来の裂(きれ)を陣羽織に仕立て直したもの。元は朱色だったというのだから、さぞかし戦場では目立ったことでしょう。

ビロードマント陣羽織 名古屋市秀吉清正記念館蔵(展示:8/2~8/23)信長が有名だが、秀吉も所有していた。
つづいては秀吉の正室・高台院(おね)の養子となった木下利次(きのしたとしつぐ・1607~89)を祖とする旗本木下家(三千石)に伝来した秀吉着用の具足。保存状態も最高、兜のデザインセンスなども秀逸です。

色々威二枚胴具足 名古屋市秀吉清正記念館蔵 (展示:7/14~8/16)
いかがですか?ここまででももう行きたい気分満載の方もいるでしょう。
最後の大トリは徳川家康公、まいりましょう!
まずは徳川家との因縁が伝わるとされる妖刀「村正」。
しかしこれは後世の創作とも言われており、江戸時代に村正を所有していた徳川家臣団も多かったとか。
これは家康公の形見として徳川美術館に所蔵されている一振りです。

刀 銘 村正 徳川美術館蔵(展示:7/12~8/9)
そして関ヶ原の前年である慶長四(1599)年3月に徳川家康公より佐枝種長が拝領したと伝わる重要文化財「白地葵紋紫腰替り辻ケ花染小袖」。葵の御紋が随所に光ります。
私の個人的な感想ですが、地味な印象と思われがちな家康公ですが、デザインやカラーのセンスはとても素晴らしいと思います。
この小袖もシンプルながら色やデザインなどが秀逸。徳川家に伝わるものとして最も古いものだそうです。

重要文化財 白地葵紋紫腰替り辻ケ花染小袖 徳川美術館蔵 (展示:8/2~8/23)
この他にも多数の甲冑や日本刀、武田信玄公や森長可公の書状や、加藤清正公が捕獲した「虎の頭蓋骨」など、お見せしたい貴重な展示品が多数。
その数なんと134点という、まさにこの夏休みに訪問するのにふさわしい一大特別展となります。
展示品によって展示期間が限られたものがあるので、訪問される方は展示品リストをよくチェックのうえお出かけされてください。
展示会概要:
タイトル: 夏季特別展 「信長・秀吉・家康 -それぞれの天下取り-」
構 成: 1)天下人の時代 2)信長の天下 3)秀吉の天下 4)家康の天下
会 期: 7 月 14 日(木)~ 9 月 11 日(日)
時 間: 10時~17時(入館は16時半まで)
休 館 日: 月曜日(7/18(月・祝)は開館・翌19(火)は休館)
料 金: 一般 1,200 円 高大生700 円 小中生500 円
※毎週土曜日は小中高生無料
参照元:
「徳川美術館」オフィシャルサイト
編集長Y
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